見出し画像

多拠点ライフってよくない?

ぼくの実家がある地方では雪が降る。

天気予報をみると、どうやら大雪警報が出ているらしい。

実家には母親が一人暮らししてるのだけど、こんな風に大雪が降ると心配になる。

LINEがなかなか既読にならないなと思っていたら、雪かきで忙しかったらしい。

ぼくも正月に帰省して雪かきをしたのだが、結構な肉体労働だ。

雪国で育ったことがない人はわからないかもしれないけど、冬は雪との戦いだ。

今でこそ久しぶりに雪景色を見ると綺麗だなと思う時はあるけど、実家に住んでいた頃は雪を見ても何も思わなかった。

いつもの日常だから何も感じないわけ。

沖縄に住んでいる人が海を眺めても特に何も感じないのと同じだと思う。

毎朝目が覚めると、近所中で雪かきをする『ゴソッ、ゴソッ』という音が鳴り響いている。

ぼくは子供だったからたいして雪かきをした記憶はないのだが、両親や祖父母は毎朝の雪かき大変だったろうと思う。

東京の冬

実家と違って、東京の冬は快適そのものだ。

もちろん寒いのだけど、雪国の寒さとはレベルが違う。

実家から帰ってくると、東京の冬は汗ばむくらいだ。

しかも東京の冬は晴れている日が多い。

雪もめったに降らない。

雪国の冬というのはいつもどんより曇っている。

おかげで冬の間、気分も鬱々としている。

一方で東京は基本的に快晴だ。

はじめて東京の冬を経験したときに、こんなに気持ちの良い冬があることに驚いた。

気分も実に爽やかだ。

雪のない地域に引っ越すのは簡単だけど…

ぼくは今、東京で働き、家族と一緒に東京に住んでいる。

一度でも快適な東京の冬を経験すると、なかなか抜け出せない。

正直、冬の間は実家にあまり戻りたいとは思わない。

このように思うのはぼくだけじゃないみたいで、雪国を脱出して雪のない地域に引っ越す人が増えているようだ。

そのため、僕の実家がある雪国では過疎化が進行している。

ぼくも過疎化を進行させている張本人の一人だ。

このように冬が厳しい地域からドンドンと人が離れて、最終的には誰も住まなくなってしまう未来を考えるととても寂しい。

雪国には、そこにしかない風習、文化、食べ物もある。

雪があるからスキーや雪合戦を楽しむことができるし、美味しい日本酒だって造ることができる。

雪国を捨てて、住みやすい東京に移り住むことは、昔から続いている大切なモノを捨てることに等しい。

地方が衰退すれば、日本の多様性が消えていく。

それは、日本全体が精神的に貧しくなることを意味するんじゃないのか。

雪国を捨てて、東京に移り住んでいる一人として、ぼくは罪悪感を抱いている。

多拠点ライフも悪くない?

実はぼくにはちょっとした野望がある。

実家と東京で多拠点ライフを送るという野望だ。

コロナのおかげでテレワークがずいぶんと普及した。

会社員の仕事は完全テレワークだし、副業で行っている大家業もテレワークで十分対応できる。

退去があった部屋は管理会社にお願いして、写真を送ってもらえれば必要なリフォームの指示ができる。

銀行だけは最初の一回は面談する必要があるけど、あとは電話で対応できる。

新築アパートの図面について建築士と打ち合わせするのも、web会議を使えば楽勝だ。

子供たちは学校があるし、奥さんも子供のケアをしないといけないので、東京を離れるわけにはいかない。

ただ、ぼくの場合は、別に東京にいなくても仕事ができる。

実家と東京にいる割合を半々にしてもおそらく何の支障もないだろう。

そう考えると、多拠点ライフが急に現実味を帯びてきた。

多拠点ライフの最大のメリットは実家と東京の両方で人脈を育てることができる点だ。

実家には僕の母親を始めとした親戚が住んでいる。

小学校時代からの友達も多い。

彼らとの親交を再び深めることができるのは、人生にとって大いなる楽しみだ。

東京には家族がいるし、大人になって出会った沢山の友達もいる。

実家と東京の多拠点ライフにすれば、遊び相手が一気に2倍に増える可能性がある。

コロナは憎たらしいけど、オンラインコミュニケーションの進化を促してくれた。

そのおかげで、ぼくたちは今まで以上に自由な生き方を選ぶことができる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?