子どもたちのあそび場を管理する際の心構え

前回は、子どもたちのあそびの一員をする際の必要な心掛けについてお話ししました。

今回は、子どもたちのあそび場を管理する際、持つべき心構えについてお話しいたします。

さて、あそび場を管理するというと、何か堅苦しい表現で、支援員が子どもたちのあそびを監視している風に捉えられかねないのですが、私が言う管理は『子どもたちが安全適切なあそびができるよう見守り、環境を整える』という意味です。

子どもたちのあそびを管理する際、持つべき心構えは次の4つとなります。

1.子どもの目線に立つ
2.安全面を考える
3.たくさんの知識やアイデアを蓄え、すぐ引き出せるようにする
4.情報の更新頻度を多くする

まず、1.の『子どもの目線に立つ』についてですが、子どもの目線に立つことは、子どもたちがなぜ、そのあそびを行っているのかが見えることにつながります。例えば、子どもたちがそのあそびでどういう気持ちや感覚を得ているのかというものです。子どもたちがそのあそびを行っている理由が見えると、そのあそびによって子どもたちが何を得ようとしているのかというのを知るきっかけにもなります。

このような大事な視点を持つために、以下の3つのことを普段から心掛けると子どもの目線に立ちやすくなると思います。
・自分の子どものときを思い出す。
・子どもたちの行動に関心を持つ。
・子どもたちといっしょに行動して共感する。

『子どもの目線に立つ』ためには、自分自身の『童心』を引き出さないといけません。この『童心』というのは、自分自身の『好奇心』『あそび心』を掛け合わせてできるものだと、私は考えます。
ですので、日頃の生活から、自分自身の『好奇心』『あそび心』を発揮していくことが大切です。

次に、2.の『安全面を考える』についてお話いたします。
この『安全面を考える』ことは、部分的に大人の目線に立たないと、うまく考えることはできません。かといって、大人の目線『のみ』に立ってしまうと大事な点を見逃してしまう恐れがあります。

『安全面を考える』にあたり、まず、どのような事故が起こりうるのかを想定する必要がありますが、大人の目線のみで想定してしまうと結構見逃す点が出てきます。なぜなら、子どもと大人とでは、見え方、聞こえ方が当然違い、大人が大丈夫だろうと判断しても、子どもたちにとっては危険であったり、その逆もしかりです。また、実際の子どもたちは大人たちが思っても見ない行動を起こすことがあるからです。

そのため、どんな事故が起こりうるのか、子どもの目線、大人の目線双方を持ちながら想定する形が必要となります。
大人の目線は、そのままの目線で想定できますが、子どもの目線で想定するには、最低限、児童期の発達や行動の特徴について理解しておかなければなりません。また、普段の子どもたちの行動について把握しておくことも重要です。

そのような想定をしていたとしても、まだ、抜け落ちてしまうことがあります。抜け落ちを極力少なくするためにも、日頃から過去の事故事例について調べ、安全面に関する知識を蓄えておくことが必要です。

次に3.の『たくさんの知識やアイデアを蓄え、すぐ引き出せるようにする』についてですが、子どもたちがあそんでるとき、子どもたち同士だとうまく行かない場合にちょっとしたアドバイスを提示したり、子どもたちがやりたいあそびが危険なことであったり、周囲に迷惑をかけるなどトラブルの一因となるあそびになる場合に、その代替案を提案したりする際に必要な力となります。

知識については、さまざまな情報を普段から取り入れるようにしましょう。今の時代、スマホなどをつかって情報を仕入れることが容易です。自分の知的好奇心をフルに使うといろんな知識を蓄えることができます。
また、蓄えた知識を参考にしたり、『子どもの目線に立つ』ために引き出す『童心』をつかったり、いろんな形で組み合わせたりすると、いろんなアイデアが生まれ蓄えられていくでしょう。

しかし、蓄積した知識やアイデアを出すのに時間がかかってしまうと鮮度が落ちてしまったり、解決する前に破綻してしまうことが出てきます。ですので、そのように蓄えた知識やアイデアをすぐ出せるよう、日頃から出していく癖をつけておくことが大切です。

最後は4.の『情報の更新頻度を多くする』についてですが、現代社会における時代の変化は早く大きいものです。学校などの子どもを取り巻く環境も私たちが子どもだったころと様変わりしており、私がこの仕事に関わってきたこの10年間でも相当変わりました。昔なら出来たことでも、今の時代出来なくなったものもあったりしますし、その逆もしかりです。
技術も常に革新していくなかで、世の中にはいろんな便利なツールが転がっています。
これらを上手く活用していくことで、よりよいやり方が生まれたりもします。私たちが時代の変化でどんどん変わっていく環境に対応したり、どんどん生まれてくる便利なツールを上手く活用したりするためには、常に新しい情報を仕入れ更新することが大切です。

このような心構えを持ちながら、日々、子どもたちのあそび場を管理し、そのあそび場から子どもたちの元気な声や充実した姿が生まれ続けると本当にいいですよね。

今回もご覧いただきありがとうございました。


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