こどもたちの『おもろない』という声をどう捉えるか?#3

前回は、子どもたちが、放課後児童クラブや学童施設が定めている基本的な生活スケジュールやルールに対し、なぜ納得できていないか?について考察いたしました。

今回は、子どもたちが納得する生活スケジュールやルールをどのように作っていくのかをお話していきたいと思います。

私が考える、子どもたちが納得して過ごせる生活スケジュールやルールの定め方は以下の通りです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.子どもたちの言動から、ニーズを読み解く。
2.子どもたちのニーズについて、学校や法令等のルールと照らし合わせながらすり合わせ、方法を複数個考える。また、決まり等を制定する事由についても把握する。
3.考え出した方法についてのメリット・デメリットを考える。
4.児童たちに考え出した方法を提示し、その際、各方法のメリット・デメリットを伝えて話し合う。
5.話し合った結果をもとに、生活スケジュール及びルールを制定し、児童にも改めて伝える。
6.生活スケジュール及びルール制定後、子どもたちの言動を観察し、定期的に生活スケジュール及びルールの見直しを行う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これらについて、詳しくお伝えしたいと思います。
まず、『1.子どもたちの言動から、ニーズを読み解く。』についてですが、
皆さんが勤務されている児童クラブや学童施設で、生活スケジュールやルールをなかなか守らない子どもはいませんか?
そのような子どもに対して、いろいろ手を焼いている支援員も多くいるかとは思います。
多くの子どもたちが生活スケジュールどおり動き、またルールもきちんと守ってくれているにも関わらず、なぜ、この子は守ってくれないんだろうと日々悩んでる支援員もたくさんおられると思います。

ただ、そのような子どもたちの様子を今一度、別の視点から見てみましょう。

ルールを守らず、スケジュール通りに動いてない子どもの気持ちを考える上で、まず、自分がそのような状況に置き換えてみましょう。

そうすると、このような言動を起こす子どもたちの思いについて、少し見えてくるのではないかと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(例)
ある児童クラブの生活ルールの中に
自分の所属するクラスで宿題しないといけない。というルールがあるとします。
にもかかわらず、児童は別のクラスで宿題しようしていました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おそらく、このようなルールが制定された背景の一つとして、宿題中に児童同士つるんで、周りの児童に迷惑をかけ続けたからというのがあると思います。
確かに仲良く宿題することや、過ごすことは当然いいことなのですが、それによって、他の児童に迷惑をかけてしまうと、迷惑をかけられた児童は気持ちよく過ごせず、いい思いもしないでしょう。

しかし、それを『自分の所属するクラスで宿題しないといけない。』と規制してしまうと、制限する枠が少し大きくなるのではないかと感じます。
『宿題中に児童同士つるんで、周りの児童に迷惑をかけ続けた』ことが問題であるので、『自分の所属するクラスで宿題しないといけない。』としてしまうと、仲の良い友人同士で宿題してても、周りの児童に迷惑をかけていない児童たち『まで』規制してしまうことにもなります。
それでは、そうやってきちんと周りを配慮している児童たちにとっては、なんか居心地の悪い児童クラブになるのではないでしょうか。

私が関わってきた児童クラブ及び学童施設の生活スケジュールやルールには、そのような過剰な規制がかけられていることが多く感じられます。
もちろん、そのような規制は、法令であったり、学校併設の児童クラブなら学校のルールであったり、普通の住宅を使った児童クラブなら近隣の配慮であったりと様々な背景に基づいて制定されているので、なんでもかんでもありにするのもできないでしょう。

ただし、『児童クラブは、児童に生活スケジュールやルールを順守させる場所』ではありません。
児童クラブの生活スケジュールやルールはあくまで、『子どもたち自身が見通しを持って主体的に過ごせるようにする。』ためのものなので、守らない人を咎めるのではなく、『守らない事由はどこにあるのか?』という視点は持っておくべきと考えます。

そのような視点をもっておくと、子どもたちのニーズについてより正確に捉えることが出来、決められている生活スケジュールやルールと子どもたちのニーズとの隔たりがより正確に捉えることが出来るでしょう。

(次回につづく)

P.S. 今回もご覧いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?