こどもたちの『おもろない』という声をどう捉えるか?#7

(♯6より続く)

今回は、『5.話し合った結果をもとに、生活スケジュール及びルールを制定し、児童にも改めて伝える。』についてお話していきます。

前回は、支援員で話し合った草案を子どもたちに投げかけ、子どもたちとの議論を行いながら、決めていくことについてお話しました。
その際、子どもたちの意見を収集する3つの手法をうまく組み合わせて、出来る限り多くの意見を取り入れた上で丁寧な議論を行う必要性についても、お話させていただきました。

そのような議論を経て、子どもたちにルールを選んでもらったわけですが、選んでもらったルールをそのまま制定するのは、聞いてもらえなかった子どものニーズをもらしてしまうことに成りかねません。

では、どうすればよいかとなりますが、
私ならこうします。

不採用になったことによって抜け落ちた意見を、再度吸い上げどこかで取り入れる。

例として、#5取り上げたものを使っていくことにします。
(詳しい環境設定はこちらで)

#5の事例では、下記の2案を草案してみました。

A:17:00以降も、渡り廊下での虫さわり及び観察をOKとする。
ただし渡り廊下以外に勝手に行ったりした場合は即終了とする。
(メリット)
・子どもたちの好きなタイミングで「虫さわり及び観察」ができる。
(デメリット)
・1対少数人の対応の制限(子どもたちが先生にあそび相手になってとせがんでも、断らないといけない)、活動範囲を縮小し、制限する。(過ごしたい場所から離れなければならない等)
【子どもたちの意見】
・なぜ、虫とりする子のために、私らが我慢しなあかんの?

B:室内でエリアを区切り、安全面等を配慮した上で歩きおにごっこ、的あてなどのあそびをOKとする。
(その中で安全面等を配慮するための約束を破った場合、即終了とする。)
(メリット)
・先生にあそび相手をしてもらえる。
(デメリット)
・気を付けないとケガをする。
【子どもたちの意見】
・私は静かに本読みたいのに、うるさくされるのは嫌だ。

このような提示をした上で、子どもたちはAが多数になったとします。
ただし、『なぜ、虫とりする子のために、私らが我慢しなあかんの?』という声には耳を傾けないとこういう思いを持っている子たちは少し不満が残るのではないでしょうか?

そこで、ほとんどの子どもたちに選んでもらい決まったA.の案をベースに他の児童が我慢しない仕組みを作ることが、不満が少なく、より安定的な仕組みになるのではないかと思います。

そのためには、その仕組みが成り立つよう、支援員たちの子どもの見方や遊び相手の仕方など工夫をする必要があります。その中で支援員の中から「なぜルールを変えるのだ?」という声も上がってくることでしょう。

しかし、『支援員の不満解消のため、子どもたちの行動を規制する』となると、それはこの事業を従事する者として本末転倒なことになってしまいます。
もちろん、支援員の声を聞くことも必要ではありますが、安全上の問題が小さい場合は『子どもたちの行動を規制する』ことがないようルールを制定することが大切かと思います。

そうして上記のような、子どもたちが選んだものに微調整を加えることを経てから、生活スケジュールやルールを児童に伝える形にすると不満が出にくいものになるのではないかと考えます。

P.S. 今回もご覧いただきありがとうございました。

(次回につづく)

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