休日の一人映画~「浅田家!」~

私の最近の趣味はもっぱら一人で映画館に行き、映画鑑賞をすること。映画館の匂いと音の響き方が好きだ。席に着くともうその空間は非現実。自身のポップコーンを食べる音、鼻をすする音など小さな音でも鮮明に拾って耳に届き、一瞬で雰囲気にのまれてしまう。そして映画が始まると、物語にぐっと引き込まれてしまう。だから私は映画館が好きだ。特に誰にも気づかず自分の世界に入ることが出来る、一人映画が。

今日は、映画「浅田家!」をみてきた。映画レビューのようなことをするのは初だが、まぁ自分が思うままに書いてみる。他者のレビューはまだお楽しみにとってあるので純度100%な一個人の感想。

一言でいうと、「見返りを求めない家族愛」についての物語であったと感じる。存在こそが肯定理由そのもので、ただ居てくれるだけでいい。家族ってそうだよなぁ、会っていなくても離れていても、無条件に大切で見方で愛そのもの。自分の父母や兄弟と照らし合わせてホロッとしてしまう、そんな映画だった。

家族にもさんざん迷惑をかけながら自分のなりたい写真家になった主人公、政志。誰よりも優しく、そして気弱そうだが家族を愛し家族が生きがいそのものである父。大きな懐で家庭を守り、どんな場面でもユーモアを忘れない肝っ玉母ちゃん。真面目で誠実、ある意味政志とは対照的だが家族が大好きな兄。「写真」に基づいて家族愛が描かれており、背景には東日本大震災や恋愛など色々なシーンが登場する。

「母さんと父さんはおまえに良いことがあると自分のことのように喜ぶ。おまえに悪いことがあると自分のことのように悲しむ。それだけは忘れるな」「弟はいつもめちゃくちゃで心配ばかりかけるけれど、父母を1番喜ばせるのもまた弟だった」という、しっかり者で家族愛にあふれて誠実な兄から弟への言葉。息子へビンタし、「手痛ぁ、、ぶった方も痛いわ。これが、病気の父を残してやりたいことをする息子への母の痛み。覚えておきなさいよ。」「あなたは自分のしたいことをしなさい。どうしてもやりたい大切なことがあるんでしょう?早く行きなさい」という、大きな愛情で全てを包み込む母から息子への言葉。自身が病を患いながらも、大事な用があると見舞いに来なかった写真家の息子に対して「次浅田家の写真を撮るのはいつだ??それまでに体直しとくからな」という、心が大きく穏やかで愛情深い父から息子への言葉。

「何も言わず、ただ信じるというカタチの愛情」―簡単なようで難しい、当たり前のようで当たり前で無い、真正面からの家族愛に胸を打たれた。

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