教育虐待の末に〜教育虐待による現実と教育虐待をしないために親ができること
教育虐待の現実
子供にスパルタ教育を施してうまくいけばいいけど、うまくいくことはあまりないし、悪影響の方が大きい。教育虐待されて育った人は大人になった今も、闇を抱えて生きている。
御三家などの超難関校には毒親に教育虐待された人たちがいる。中学や高校ぐらいなら幼少期から勉強漬けにして重課金すれば超難関校には受かることができてしまう。
中には教育虐待の末に医学部に行った東大に行ったという人たちもいるけれど、彼らの心の闇はおそろしく深い。一見、高学歴高収入のはたから見たら羨ましいエリートなのだが、彼らは未だに毒親の呪縛に苦しんでいて、全く幸せではない。
落ちぶれる場合は、だいたい中学や高校から成績が落ち込んでいく。そして、男だと派遣労働者、引きこもりや家庭内暴力、女だと風俗などの夜の世界にいく。あの超難関御三家に合格できても風俗嬢となってしまう子たちがいるのだ。
教育虐待による事件
秋葉原通り魔事件
秋葉原通り魔事件を起こした加藤智大は、1週間毎日が習い事や塾で埋まっていて、友達と遊ぶことやテレビ、漫画は制限されていた。風呂の中で九九を暗唱させられ、間違えると母親に頭を押さえつけられて風呂の中に沈められたり、母親の質問に10秒以内に答えられない場合は平手打ちが飛んできたりしていた。そのスパルタ教育のおかげか成績優秀で県トップの青森高校に合格する。青森高校は母親の母校であった。しかし、高校以降は落ちぶれてしまう。工場などの派遣労働社員として勤務するが、職場や人間関係に対しての不満から会社を無断欠席や退職して短期間で転職を繰り返していた。2008年に秋葉原で無差別殺傷事件を起こして2022年に死刑が執行された。
元農水事務次官長男殺害事件
2019年に元農林水産事務次官の父親が無職で引きこもりの長男を刺殺した。父親は東大卒のエリート官僚で母親も資産家の娘でエリートであった。母親は厳しく英才教育を施す教育熱心な教育ママであったという。長男の成績が悪いと長男のおもちゃを取り上げて壊した。長男は成績が悪いと大切にしていたプラモデルを母親に壊されたことをTwitterで語っている。中学受験では駒場東邦中学に合格するが、大学受験で失敗し、以降自宅に引きこもっていた。妹がいたが、長男のことで破談となり、自殺した。母親は長男の家庭内暴力や妹の自殺によってうつ病になった。
滋賀医科大学生母親殺害事件
2018年に滋賀県守山市の30代の看護学生が母親を殺害した。殺害動機は教育虐待であった。母親は娘の将来を医学部への入学と勝手に決め、テストの点数が悪いと怒鳴った。それだけではなく、鉄パイプで殴る、やけどを負わせる、包丁で切るなどの暴力も行われた。小学生の頃は成績が良かったが、中学以降の成績は伸び悩んだ。医学部を目指して浪人することになり、母親に勉強や起居、入浴等すべてを監視させられ、叱責される生活が続いた。浪人生活は9年にも及び、最終的には滋賀医科大学看護学科に合格し、進学した。しかし、母親は助産師になることを強制して激しい叱責を行い、娘は母親を殺害し、Twitterに「モンスターを倒した。これで一安心だ。」と投稿した。
鳥栖市両親殺害事件
2023年に佐賀県鳥栖市で九州大学生の息子により両親が殺害された。息子によると、父親は成績が悪いと1時間以上正座させて説教し、平手打ち、脇腹を蹴る、「人間として下の下」「失敗作」などと怒鳴ったという。また、建築士の夢や本の好みは否定された。父親が行ったと語っていた九大に進学したが、わざと成績を落として呼び出された実家で殺害を実行した。
教育虐待による事件は他にも
他にも、1980年に起きた海城高校出身の浪人生による「神奈川金属バット両親殺害事件」(父親は東大経済学部卒)、2006年の「奈良自宅放火母子3人殺人事件」(父親は医師)など教育虐待による事件は多く起こっている。
教育虐待から少年院や不登校
飯島愛はスパルタ教育を受けていた
AV女優として名を馳せ、その後テレビタレントとして活躍した飯島愛は、会社経営者の娘として生まれて両親の厳しいしつけをうけた。塾、公文、そろんばん、習字、ピアノなどたくさんの習い事をさせられた。父親には少しでもサボったら叩かれた。彼女は中学受験に失敗し、公立中学に進んだ後、不良とつきあい、夜遊びをするようになる。そして、万引きやカツアゲなど非行を繰り返し、AV女優となる。
少年院にはスパルタ教育家庭出身の子が意外なほど多い
石井光太によると、少年院の子どもたちにはスパルタ教育家庭の出身の子が意外なほど多いそうだ。2割くらいがスパルタ教育家庭という。(石井光太『格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉』)親によって勉強を強制され、怒鳴られたり暴力を振るわれる。思春期になり、親に反抗し、非行を起こす。フリースクールにも同様にスパルタ教育家庭出身の子が2割ぐらいいるそうだ。親から勉強を強いられ、暴言を浴びせられ、心を病んで学校に行くことができなくなってしまうという。(石井光太『教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち』)
教育虐待→ひきこもり、風俗嬢、ホームレス、半グレ、薬物中毒者
精神疾患患者や水商売の女の子によくよく幼少期の家庭環境について聞くと、教育虐待を受けていることがある。日本において本当の貧困家庭とか虐待家庭とかいうのは少なく、教育虐待によって非行に走ってドロップアウトした人たちというのは案外多いのだ。
超難関校の教育虐待の実態
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