見出し画像

1,249km=+1Lv

 標記の数字は、九州から関東の実家までの走行距離である。5月3日の午前4時半から5月4日の午後6時に実行された本州横断は、大きなアクシデントに見舞われることなく終わった。

 今、私のバイクは実家にある。さすがに復路はゴールデンウィークの交通状況や私の集中力、バイクの負荷具合から厳しいと判断した。少し時間は空くが、別途バイクを回収しに行く。

 以降の記述に『無事故で帰ることができて改めて思う日々への感謝』や『健康でいることの大切さ』や『私のバイク頑張ってくれてありがとう!』や『自分の力だけで生きているわけじゃないよね!』といった内容は続かない。自ら非日常を体感しに行ったのだから、日常との対比に意識が向くのは当然だろう。リフレッシュとはそういうことだと考えている。

 私のエッセイを読んでくださっている方がいるかどうかは置いて、どなたかに問いたい。

 あなたは今、何Lvですか?

 『何Lv』とは、ポケモンのレベル値であり、あなたのレベル値である。なお、年齢との相関性は考慮していない。

 私は何となく19Lvくらいだ。ハナダシティでカスミのスターミーに『みずのはどう』を当てられて混乱してしまう程度の若輩者である。

 どうやってLvを上げるかといえば、ポケモンベースで考えると経験値だ。タイプや性格別の蓄積具合はさておき、自分の自分による自分のための決裁によってレベルアップしていく。

 いうなれば自身の人生における印象的なポイントの数をLvと捉えても良いかもしれない。今回のツーリングは私の中で1Lv上がった認識である。

 自分のLvを意識したきっかけは、就職だ。この先、日中を労働に充てる日々を過ごす中で、自分のLvを上げるきっかけを自分で作り出す必要があると感じた。そうしないと、自分が何のために働いて何のために食っているのか分からなくなりそうだった。

 元々の趣味は続行または廃止するとして、せっかく収入を得るなら惜しまず使った方が良い。そんな思考と今まで実現できなかった願望を照らし合わせ、バイクを買った。

 メンテや洗車こそ大変だが、バイクで自分の知らない場所や見たことのない景色、ご飯に出会える。アクシデントも一応経験になる。以前、国道を走っていてヘッドライトステーのネジが吹っ飛んだときは青ざめた。

 バイクに限らず、自分の内に潜む『やってみたい』に正直でありたい。都合がつかないときや繁忙期は我慢して、その他のタイミングを虎視眈々と狙い続ける。

 2020年は何をした年だったか。2021年は何をした年だったか。2022年は……と、自分の痕跡を確かめられる生活を心がけたい。

 何やら高尚めいたことを書いてしまったが、私自身は何者でもないし、妥協も折衷も惰性も得意分野だ。ただ、戦う相手が常に自分というだけであり、勝つこともあれば負けることもある。

 ちなみに、実家から九州への復路については、フェリーを使う予定だ。全くもって妥協である。

この記事が参加している募集

#日々の大切な習慣

with ライオン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?