「New Jeans」デビュー！人気の理由を研究者が社会文化史的に考察してみた②：New Jeansは「SPEEDっぽい」？
前回からはじまったBTSの妹分「New Jeans」の人気の秘密をK-pop研究者であるJohoが社会文化史的に考察していく連載ですが、今回はその2回目です。
今回のテーマは’New Jeansは「SPEEDっぽい」？’です。
なお、New Jeansって何？というところからスタートしたい方は前回の記事を貼り付けておきますので、こちらを参考にしてください。
New Jeansがついに地上波音楽番組に初出演！！
MVの公開から始まったNew Jeansの活動は、ついに次の段階に移行しました。
それがテレビの音楽番組への出演です。
Mnet ’M countdown’ 2022年8月4日放送
8月4日にはテレビ初出演として、ケーブルTVの音楽専門チャンネルMnetの番組’M countdown’で’Attention’、’Hype Boy’、’Cookie’の３曲を披露し視聴者を魅了しました。
KBS ’人気歌謡’ 2022年8月5日放送
さらに翌日5日には韓国を代表する地上波音楽番組KBS’人気歌謡’に出演して’Attention’を地上波TVで初めて披露し、そのパフォーマンス力を世に示しました。
「どこかで見た？」という感覚
New Jeansのパフォーマンス、とりわけ最初に公開された’Attention’のMVを観た人たちの中から「どこかで見たことがある」という声が上がりました。
そして、その「どこか」というのは1990年代後半のJ-popを代表するガールズグループSPEEDだという指摘がネット上などでされています。
例えばこのシーン。
筆者もこのシーンを観た瞬間、SPEEDのデビュー曲’Body＆Soul’（1997年）のMVが思い浮かびました。
New Jeansの「SPEEDっぽさ」はどこから？
確かに似てはいます。
ネットの一部にはこれをもって「パクリ」などとディスる声もありますが、そこまでいうほどの根拠はないでしょう（そもそも「パクリ」という言葉が俗語であるため、「盗作」や「剽窃」などと比べ定義が曖昧すぎて議論自体が難しいですが）。
社会文化史的な視点からK-pop研究をしている筆者からすると、このような「似ている」ものを見ると、それが「パクリ」かどうか、といった曖昧で不毛な議論でなく、どうして「似ている」のか？という問題に関心が向きます。
すなわち、
「似ている」背景に両者の影響関係はあるのか？
影響関係があるとすれば、そこにはどのような社会的・文化的な文脈があるのか？
それは意図的に「似せて」いるのか、あるいは誰かの直接的な意図に関係なく歴史的・社会的な因果関係によって必然的に「似ている」のか？
「似ている」ということは「同一」ということではない。その差異はどこにあり、「似ていない」部分の持つ意味は何か？
といったような問題の答えを明らかにしたくてウズウズしてしまうのです。
こうして考えていくうちに、New Jeansの「SPEEDっぽさ」こそがNew Jeansの「新しさ」を理解する大きなヒントになっていることがわかってきました。
次回からはそこに迫ってみたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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