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僕の人生で1番美味しいプリン。

気づけば年明けてからもう半年も経つんですね、、
最近時間の流れが昔より早く感じるそんな僕です。

僕にとってプリンは思い出のデザートです。
デザートの中で上位にランクインするくらい好きです。
(一位じゃないんかい。)
お菓子作りは小学生くらいの時から
クッキー作ったり、シフォンケーキ作ったりたまーにしてました。
それを誰にあげるわけでもなく1人で楽しむためだけに作ってました。

始まりのプリン

小さい時よくお母さんがフィリピンのプリン
レチェ・フラン
を作ってくれてました。

このプリンマジで甘いです。
そしてこの佇まい。
なのにめちゃくちゃ濃厚なんです
ずっしりなめらかなんです。

これに食べ慣れていたからか
お陰様でかなり甘党に育ちました。

ファミレス行けば締めにデザート何品か頼んだり、居酒屋行ってもデザートあれば全部頼んだり。
それを1人でバクバク食べてました。
今思えばかなりイカれてるなって思います。
(※今はそんなことしません。)


僕の中のニュースタンダード

入社前パーラー大箸での配属を告げられ
パーラー大箸にどんな料理を出しているのかと、雰囲気を掴むために食事しに行きました。
その時食べた「ととのうプリン」が僕の中のニュースタンダードになった。
サウナ理論を取り入れたロジックのあるプリン。

口に入れた瞬間に苦味が襲ってくる、その後すぐにプリンとクリームの甘みでストレスが解放される。
「何これすげー!!そして美味しい!!」
心の中で思ってました。

そして入社してパーラー大箸で僕もこのプリンをつくることになるわけですが、カラメルの焦がし具合に引いてました、、
これがあのストレスを生むのかと、、
まるでダークマターです。

僕史上最高のプリンができるまで。

8月末にHotel's配属の通達を受け、
その時には内装がほぼ出来上がっていました。
休みの日にまだ工事中のHotel'sにお邪魔しに行きました。
そこには
Hotel'sのマネージャーの青山さん、
シズるの坂本さんがいました。
調理器具などの入ったダンボールを検品してくれていて、
僕もそれを手伝っていました。
その中にプリンカップが入っていて、
その時に僕は思いました。

「あ、Hotel'sでプリンやるんだー。」

そう思ったのと同時に

「これプリン担当絶対俺だろうなー」

って思ってました。
数日後、シェフである木田さんからメッセージが、、

ジョンさんプリン担当に任命します。
余裕あればパーラーで試作も始めてください。

上に乗せるクリームはアマレットのリキュールがいいかなと。

と、、、

そこから約1ヶ月間オープンまでの間試作して
いろんなところのプリン食べて、いろんなお菓子の本を読んで、、

デカさんが買ってきてくれたいろんなプリン。

木田さんに出した一発目のプリンは

味は美味しい、けど緩い。
緩いとクリームを乗せる意味がない。

そう言われ、硬さの調整。
硬さの調整と言えど、長く火入すればいいってもんでも、高い温度で火入すればいいって問題でもなくて、
グラニュー糖の量、クリームや牛乳の水分量、卵の数、アパレイユ(卵などを混ぜ合わせた液体)の温度
スチームコンベクションオーブンの庫内の温度や
入れる時間、湯煎のお湯の温度、厨房内の温度。
いろいろなことを考慮して作らないといけなくて、
それはオープンしてからも少しずつの微調整はしていた。

そんな試行錯誤の上でできたプリン。

これがレストランクオリティーのプリンです。

レチェ・フランを口にしたあの瞬間から僕の料理人になることは決まっていたのかもしれません。
それくらい「プリン」という食べ物は僕の人生において宝物のような食べ物なのです。

他のお店でもいろんなプリンつくってきたけれど
僕が今までの料理人として1番考え抜いたプリン。
そして、母親のレチェ・フランを越えたプリンです。

硬いけど口当たりなめらかなプリンが好きな方。

これ食べたら他のプリン食べられなくなると思います。

料理食べた後のデザートは是非プリンを頼んでみてください。


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