ブックオフの購買体験価値向上をアイリッジが支援
株式会社アイリッジ取締役の渡辺智也(わたなべともや)です。
※X(旧Twitter)もやっています!
新年度も少し過ぎましたが、年度の切り替わりはやはりあわただしいですね。
私も、家でも職場でも大掃除をして、不要なものがたくさん出てきました。
皆さんはこういうとき、どう対応しますか?
私は・・・当然、ブックオフにいきます!
というわけで、今回はアイリッジが支援したブックオフ公式アプリの事例についてご紹介します。
<目次>
1.レジ前の購買体験への漠然とした課題感からスタート
2.いきなり開発はしない!丁寧なカスタマージャーニーが肝
3.アイリッジだからこそできる開発支援を
1.レジ前の購買体験への課題感の可視化からスタート
2023年6月頃でした。
ブックオフアプリのMAUが伸びている中で、クーポンの利用率がもっと伸びるのではないかというデータから見た仮説が出てきました。
ブックオフ様側も店舗でのクーポン利用について、購入時のレジ前での購買体験に漠然とした課題感を持っていたものの、アプリや店頭での体験を阻害する要因や課題が特定できていませんでした。
そこで「店舗での商品購入時のクーポン利用」について、アイリッジがユーザーの利用状況について調査し、また、ブックオフ様も店舗スタッフについて調査し、どのようなニーズや課題があるかを可視化したのが最初の取組みです。
ここでのポイントは、アイリッジからユーザーの利用状況の提案に限らず、「双方で」調査した結果を持ち寄ってディスカッションしたことがよい取り組みにつながったということです。独りよがりの提案にならず、一緒に解決する方向を見ることができるようになりました。
ユーザーの利用状況の調査としてまずやったのは、UXリサーチの方針決めや調査計画設計です。ここで重要なのは、
調査「ターゲット」をできるだけ明確にすることです。
誰に who
何を what
なぜ why
どうやって how to
調査するかがUXリサーチでは重要になります。
次に、アプリ内データ分析から課題仮説を立て、アンケートの定量的データからユーザーの傾向を掴み、インタビューやユーザービリティテストなどで課題の検証とインサイトの発掘を行いました。
特にインタビューやユーザービリティ調査はユーザー体験を調査検証するという視点で、非常に重要なプロセスです。
このプロセスでのポイントは「ユーザーに共感」することです。
ユーザーを理解する(共感)することで、ユーザー自身も気づかない潜在的なニーズにアプローチしていく
といった点について特に注意しながら進めていきました。
その結果、ユーザーのレジ前クーポン表示までのスタッフとのやり取り、クーポンの視認性&操作性の低さといった課題があぶりだされたわけです。
2.いきなり開発はしない!丁寧なカスタマージャーニーが肝
ここで、クーポン利用時のUX課題からいきなりクーポン関連画面の改修開発に着手するのではなく、店舗でのクーポン利用、という限られた場面でのペルソナ別でカスタマージャーニーを描き、クーポン利用に関する課題を特定し、アプリの関連画面について改善方向性を策定していきました。
課題に対しての改善案を2つほどご紹介しましょう。
まず、1つ目は「クーポンを使う」ボタンを固定化しました。
利用者が画面スクロールした後「使いたいと感じたらすぐにボタンが押せる」ことでボタン探しの手間を省き操作ストレスを軽減することができます。
2つ目はバーコード表示画面で対象店舗・対象商品・割引価格を表記させました。これはレジスタッフの課題に対して改善を施した例です。以前は表記がバーコードのみだったので、レジスタッフが1つ前の画面へ戻り情報を確認していました。この改善で画面戻しの手間を省くことができ、レジスタッフのクーポン処理が容易になりました。
これらの改善により利用者の「クーポン利用が面倒」というペインポイントとレジスタッフの「お客様への負担をかけている」という心理的ストレスを改善できました。
さらに、クーポン関連画面の導線案およびプロトタイプを作成し、ユーザビリティテストによるA/Bテストを実施しました。
くわえて、店舗スタッフに対しては、接客時のロールプレイングの中でA/Bテストを実施し、オペレーションに関するユーザビリティテストを行い、フィードバック内容を反映した改善内容をアプリに実装しました。
3.アイリッジだからこそできる開発支援を
こうした緻密なテストの繰り返しを経て、アプリを利用するお客様にとって、クーポン内容の確認や店舗スタッフとのやり取りが減り、レジ前操作がスムーズになるクーポン画面を実装することができました。
お客様の店頭での利便性向上はもちろん、店舗スタッフのオペレーション業務効率化にも寄与できたのでは、と自負しています。
今回のプロジェクトの成功の秘訣は、「課題の可視化」にあると考えています。
課題が可視化されたことで、単純なアプリ画面のデザイン変更ではなく、店舗のスタッフのオペレーション業務効率化にもつながる改善となるよう、社内の複数部署関係者にプロジェクトに参画いただき、UXの改善を推進することができました。
具体的な改善案によってクライアント様がas isからto beのイメージを持つことができるので、クライアント様も根拠ある改善に自信を持ってサービス改善に取り組めるようになります。
アイリッジではこれからもクライアント様の課題解決にこだわってサービス提供を行っていければと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?