#labo02.コミックエッセイ、各テーマのポイント
こんにちは~、前メディアファクトリー・KADOKAWAコミックエッセイ編集部編集長松田紀子です。たくさんのフォローをいただき、ありがとうございます。
このnoteは、「コミックエッセイを描いてみたい」という方や、「描いているけどパッとしない」という方を対象にした、コミックエッセイ描き方講座です。私自身が作品を担当するときに気を付けていた編集の流れをもとに構成しています。
さて、今回は「各テーマのポイント」について。
現在、様々なジャンルのコミックエッセイが出版されています。
在籍中に立ち上げた「コミックエッセイ劇場」でも、今やいろんなテーマがありますね。
ダイエット、オタク、日常、グルメ、生き方、趣味実用、旅行、動物、子育て…
テーマカテゴリーとしてタグになっているくらいなので、これらは選ばれやすく、描きやすいテーマではありますが、その分ライバルも多く、埋もれていく作品も。
今回はこちらのテーマカテゴリーに沿って「各ポイント」を説明していきましょう。
私の編集者時代は、ポイント=「テーマを支える骨」がしっかり描かれているかどうかを重視していました。
●ダイエット、趣味実用→作者独自の新しいテクがあるか? 作者のキャラが読者の心をつかむか? 成功した暁のカタルシスはあるか?
そのテクを読者が真似できるか?
↓代表作その1 大減量の割にキャラの愛らしさで悲壮感がなく、読者も今すぐ真似できそうなことばかり。
●オタク、旅行、子育て→作者のキャラが立っていて、かつ好感度・共感度の高いものか? 作者独自の「視点」が描かれているか? ただの「報告」になってないか?
↓代表作その2 壮絶なキャラ立ちと、主人公の懸命な様子に心打たれる
↓代表作 その3 親近感ある主人公と、旅先にそれぞれ作者の視点が描かれている。ルートも読者が真似しやすい。
↓代表作 その4 家族全員がキャラ立ちし、かつ親バカ全快ではない客観性が魅力。
●動物、グルメ→動物が愛らしく描かれているか、グルメはおいしそうに描かれているか? ただの観察ではなく、作者の視点が生きているか? 世界観があるか?
↓代表作 その5 猫多頭飼いの幸せ。猫の愛らしさと行動がよく描かれており、またこの子達に会いたいと思わせる。
描きたいテーマがざっくりと頭にある場合、その「テーマを支える骨」となる部分をしっかり作ることをおすすめします。そのほうが、描きながら迷ったときに立ち返れますし、長く描き続けられます。
今回は、テーマの各ポイント=「テーマを支える骨」について私の考えを書きました。
さて、次回の予定は「構成を考えよう」です。わ~っと描き始める前に、事前に構成を考えると後々楽ですし、ブレませんよ。
年内中にもう1回更新したい…。みなさま、応援どうぞよろしくお願いいたします。
コミックエッセイ編集者として会得したあれこれを、ここでシェアできればと思います。応援よろしくお願いいたします~!