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(雑だが少しは身のある話2)換気扇クリーニングは奥さんひとりのときに頼んではいけない

どうも、私です。
他愛もない雑談noteにお付き合いくださりありがとうございます。
2回目は、「換気扇クリーニングは奥さんひとりのときに頼んではいけない」です。

自宅にきてやっていただくお掃除サービス、盛況ですよね。
参入会社も増えてきて、スタッフの方の仕事ぶりや雰囲気などは逐一口コミに掲載されるので、自ずと自浄作用が働いてサービスがどんどん向上しているように思います。


が、この話は15年ほど前、まだお掃除サービスが主婦にとって「贅沢あつかい」だったときの話。
わたしは新聞に挟み込まれていた「換気扇をプロのお掃除でピカピカに!」的な広告を見て、どうにもこうにも油でべったんこだった換気扇クリーニングを、清水の舞台から急流すべりする感覚でえいや、と申し込んでみたんです。平日のほうが安かったら、平日プランで。


当日現れたのは、千鳥の大悟みたいな出で立ちの疲れはてた30代くらいの男性がひとり。
その大悟似、私を見るやいなや、急に満面のえみを浮かべ、タメ語に。
「こんちわ~ 今日暑いよね~」てな具合。
なんだろうこの馴れ馴れしさ? 同じ年くらいの家主だったから安心したのか?

そしてしげしげと我が家の換気扇の形態をチェックして、
「ああ~、これはプロ仕様の換気扇だから、うちでは無理。」

へ? そんなことあるの? うちのはビルトインタイプで、羽とか一切外せない仕様になってるから掃除自体が無理だ、という説明をタメ語で受け、まあ無理だったらしょうがない、と諦めてさっさとお引取り願おうとすると、あろうことか、大悟似はダイニングの椅子にどかっと座り込み、
「次のアポまで30分あるんだよね~ 俺たちの業界も大変でさあ」
と語ってきた。
え?なんなん、用事済んだらとっとと帰ってよこっちは仕事行かなきゃなんだから。
このひと、次のアポまで家で過ごそうという気か??

大悟似は悪びれる様子もなく、部屋を見渡し、私を下から上まで品定めするがごとく舐めるように見る。(※この手の男性の無意識な視線の舐め回し方を、女性は街や電車内など公共の場で、10代の頃からそれはもう嫌というほど経験しているので、すぐわかります。)

これ、恐怖以外の何物でもない。


換気扇のお掃除を依頼したつもりが、結果、見知らぬ男と自宅で二人きりという悪魔のシチュエーション。しかも自ら招き入れたという形。
(夫は仕事で、子どもは保育園でした)
いつもの癖で、玄関の鍵もかけてしまっている。
大ピンチに間違いはないが、この状況で妙にパニックに陥って相手を刺激し、下手を打つのもよろしくない。

このときばかりは、普段出来の悪い私の脳味噌も「なんとかしなければ!!!」と超高速回転し、はっと思いついたのは、「会社から携帯に急ぎの電話がかかってくる」というシチュエーション。これを、迫真の演技で演じるんだ!そうよ紀子、元演劇部部長!

スッと腹をくくった私は、通勤バックの中に入っていた携帯をさも「マナーモードだけど立派に着信している様子」を演出し、いつもより1オクターブ高い声でこう応えた。

「はい、はい~ あ、そうですか、すみません! 至急出社します!」

そして、なにか重大なトラブルが起きたような風情を醸し出し、大悟似に
「すみません、会社行くのででてってもらえますか?」
と電話を持ったまま(電話の先に上司がいるように思わせて)伝え、どうにかこうにか追い出した。

追い出した瞬間、大悟似の所属する会社にクレームの電話をかけようかと思ったが、それで大悟似が逆恨みをして後日マンションの前で待ち構えてたりしたら、私はおろか息子が危ないと思い直し、結局クレームは出さずじまい…。

ですので、奥さん(もしくは一人暮らしの女性よ)いいですか。


自分一人しか家にいない場合は、お掃除サービスを自宅に呼ぶのはできるだけ避けましょう。女性の方が指名できるのであればなるべくそうすること。男性が来る場合は、他の家族が自宅にいるときのほうが安心です。もしくは「今から自宅にクリーニングの方がきます」ということを友人に伝えるなどしておき、万が一のときはすぐに知らせるよう携帯を肌見放さず持っておきましょう。(娘さんが一人暮らししているお父さんも、このこと教えてあげてね!)

もちろん、人柄も技も素晴らしい、信頼が置けるお掃除サービスの方のほうが断然多いと思います。信頼おける人からの口コミでの紹介があればなお安全よね。でもさ、あの大悟似の彼が今なお同じ業界で働いてるのかも、と想像すると、ゾッとするんだよな…。

みなさんが似たような目に遭いませんように願うのみであります。
また、男性のみなさんは、女性のこういった自己防衛のための自意識過剰をどうか笑わないでほしいな…。そのたびに小さく傷つくのも確かなのですから。


コミックエッセイ編集者として会得したあれこれを、ここでシェアできればと思います。応援よろしくお願いいたします~!