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「東京都バーチャルラーニングプラットフォーム」で、「誰一人取りこぼすことのない」教育の実現を。

増加が続く不登校児童生徒の新たなコミュニケーションの場として、東京都教育庁が2022年度に立ちあげ、2023年度から本格運用している「バーチャルラーニングプラットフォーム(VLP)」。
当社が運営するオンライン学習教材「デキタス」は、2023年度に続いて2024年度もVLPのメイン教材として採用されています。
まだまだみなさんなじみがない「VLP」って、なんでしょう?


「バーチャルラーニングプラットフォーム(VLP)」って?

「VLP」とは、3Dメタバース空間により構築されたバーチャル空間のこと。24年度現在、28の自治体がVLPに参画しています。使用しているのは、「学校には登校できないけど、バーチャルの空間だったら参加できる」という子どもたち。PCやタブレットなどの端末を通して自分のアバターを操作するため、対面が苦手な子どもでも、チャットを使いながら1対複数、1対1などでコミュニケーションが取りやすいのです。
日常的な利用を想定し、教室スペースや学習スペース、おしゃべりスペース、展示スペースなども設置。プログラミング学習・日本語学習などのコンテンツもあり、様々な勉強が可能なんですよ。

いろいろな方法でコミュニケーションが楽しめる

VLP発足の背景にある社会問題

・不登校児童・生徒の増加
東京都が発表した「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等、生徒指導上の諸課題に関する調査について」によれば、国立・公立・私立の小・中学校の不登校児童生徒数が約29万9千件(過去最多)と報告されました。長期欠席の原因には、学業不振や友人関係、病気や経済的理由などさまざまあるものの、不登校の子どもの数は増加傾向にあることは間違いありません。

・外国人の増加
また、外国人移住者の増加に伴い、日本語指導が必要な子どもも必然的に増加しています。日本語指導が必要な児童・生徒数は約5000人おり、外国籍の児童・生徒への教育補助も喫緊の課題です。

「誰一人取りこぼすことのない」教育の実現

文部科学省が公表する「新時代に求められる教育」の在り方

「誰一人取り残さない」(no one will be left behind)は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中に、宣言として明記されています。誰一人取り残さないために、SDGsが「すべての国、すべての人々、および社会のすべての部分で満たされること、そしてすべての国とステークホルダーは、最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する」とあります。いずれにしても、「誰一人取りこぼすことのない」教育の実現がVLP導入の最大の目的です。

「誰一人取り残さない」(no one will be left behind)

VLPで城南進研グループが取り組んでいること

当社は「デキタス」を提供する以外にも、VLP事業が主宰するバーチャル空間の有効活用を目指す有識者会議にも参画し、VLP上で定期的に「多様な進路セミナー」などのイベントを開催しています。中学卒業後の進路には、生徒自身はもちろん保護者さまも大きな不安を抱えているものです。多様な進路を提示することで、生徒と保護者が安心し、明るい未来を描けるよう、お手伝いをしています。

また、7月には不登校に関する専門家である加嶋文哉氏を講師にお招きして、保護者を対象にした特別講演会をオンラインで実施しました。加嶋氏は、約30年間にわたり不登校の子供たちや保護者と向き合ってきた元小学校教諭です。現在は、「不登校を考える親の会ネットワークおおいた」代表などを務め、子どもの立場から行動の意味を捉え、具体的・建設的な提案をしています。

下記、参加した保護者からの感想を一部ご紹介します。

「今まで参加してきたセミナーの中で1番心にきました。お話が聞けて良かったです。子供に寄り添っていきたいと思います」

「涙が止まりませんでした。中3で不登校になり現在高2ですが今年度はほとんど登校していません。夫婦で意見が食い違い困っています。主人と一緒にこの講演会を聞きたかったです。」

「今まさに悩んでいることのお話で、とても参考になりました。
子どもの「〜したい」が一番大切ですね。つい悩んでいる子どもをみていると、解決してあげようと思ってしまいますが、一緒に寄り添って悩んでいけばいいんだなと気付かされました。たまたま見つけた今日の講演会、出会えて本当に良かったです。かしま先生、開催してくださった皆様、ありがとうございました」

「講演ありがとうございました。途中、感極まり涙してしまいました。最後の皆さんのチャットへの回答にも共感、納得したところもあり、今後の息子との関わりに活かしていけたらと思います」

「不登校の子供へ寄り添うということ」参加者アンケートより

「デキタス」で“学ぶ楽しさ”を知ってもらうために

学びたいときに、学びたいと思った教科を、学年も行ったり来たりで学べること。しかも楽しく学べること。VLPの中で、「デキタス」はメイン教材としてご利用いただいています。
一人でも多くの不登校の子どもたちに、“学びの楽しさ”を知ってもらうために、今年の7月からは学習サポーターと一緒に学習したり、12月頃には学習したことにコメントをつけたりと、「デキタス」も試行錯誤を重ねてどんどん進化させていきます!