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「クリクラ中、回っている科のQBを進めた方が良いの?」に1つの答えを出してみた【臨床実習】

どうして実習中にQBを解こうとするのか。はたまたmedu4やQassist などの講義を見ようとするのか。

まぁ人それぞれなんですけど笑

それを言っちゃあおしまいですよ、ということで、最近臨床実習がスタートした新米医学生のじょんが、何か伝えようとウォーミングアップを始めたという訳です。



実習中にQBを解いたほうが良い理由は何か?

その1つに、「自分が回っている科の内容を把握しておく」があると思っています。


実習を体験して感じるのは、

1つの科を回って得られる詳細な情報は意外と少ない

ということ。
今回は「実習の形態」に注目しながら、一緒に考えていけたらな、と思います。

では見ていきましょう!


実習形態について。 外来見学か、病棟見学か。


勉強したほうが良いの?を考えるときに重要になってくるのがその環境。
「外来」を担当しているのか、「病棟」を担当しているのか、ということで変わってきます。

外来見学の場合

外来見学をした時にはそれはもう様々な主訴の人がやってきますから、事前知識はあるに越したことはありません。

「最近なんかだるい」「立ち上がったときにふらつく」「動機が止まらない」という患者のナマの発言1つ1つから学習することが出来ます。

これまでに学習してきた「コア」となる知識を元に診断をその場で自分なりに考え、先生のカルテを見ながらセルフFBをかける、という学習も出来るでしょう。


病棟見学の場合

片や病棟見学では、そうは行きません。

ここでは、1人の患者が割り振られ、1週間なり2週間その人についてカルテ記載、問診・身体所見などを行う実習のことを病棟見学、と表現します。

自分が割り振られた患者さんが「冠攣縮性狭心症」だったとしましょう。その疾患に関する知識、例えば診断方法とか、治療方針とか、その辺の知識が身につきます。
一方、それ以外の循環器疾患については、ほとんど身につきません。なんならCBT受験前の4年生の方が詳しい、みたいなことに…


病棟見学は勉強できない?

じゃあ病棟見学が全然勉強できないかというと、そういう訳でも無いのです。


例えば自分は今血液内科のローテーションなのですが、そこにはリンパ腫や白血病に対し、抗がん剤を治療して、免疫抑制の状態になっている患者が入院しています。
1つ1つの患者について詳しく調べる(〇〇という疾患の、△△型、ステージ■■、といった知識)以外に、何が学べるでしょうか?

ここでは、抗がん剤の支持療法、を例に出してみます。

がん治療に於いて重要なものの1つである「支持療法」。
言葉だけ聞いてもピンとこないかも知れませんが、わかりやすく言うと

癌に対して行う治療の中で、抗がん剤以外の部分

です。


つまり「抗がん剤を服用することによって発生した副作用とか諸々を治療すること」をかっこよく表現したのが「支持療法」というわけです。


支持療法で扱う副作用そのものも、対処方法も、多岐に渡ります。

悪心嘔吐下痢便秘、神経障害口内炎、血球減少皮膚障害、脱毛肺心機能障害、、などなど。


抗がん剤投与に付随して生じる骨髄投与、それに合併した「発熱性好中球減少症」に対し、どんな抗菌薬を用いるか?
またその抗菌薬はどんな細菌の感染を予防しているか?

これは、抗菌薬、感染症の分野の学習です。


同じく抗がん剤投与の有害事象として生じる「悪心・嘔吐」。

  • どのような機序で嘔吐が引き起こされると考えられているのか?

  • それに対してどのような薬物を使用しているのか?」

等を学習します。

これは神経の分野の学習と言うことも出来るし、消化管の学習、ということも出来るでしょう。

病棟見学は「ローテート科以外」の勉強が捗る?

2つの例を挙げましたがこの様に、病棟見学では寧ろ、自分がローテートしていない分野の学習も行うことが出来ます。
というかそれがほとんどです。

細かい化学療法のレジメンは血液内科になるんだったら必要だけども、そうじゃないんだったら抗菌薬とか支持療法の勉強したほうが良いんじゃない?他の科を回る時にも必要な知識になってくるだろうし

と言っている血液内科の先生もいました笑


〇〇な人はQBをやってみよう。

さて、まとめです。

実習中にQBを解いたほうが良いのか
(はたまた、解かないほうが良いのか?笑)。


貴方は、学習に何を求めますか?

網羅性?

学習の深さ?

関連性?


網羅性を求める貴方は、QBや講義動画を見ると良いでしょう。
1つの分野を、「国家試験」という制限付きではあるものの体系立てて学習することが出来ます。


学習の深さを求める貴方は、QBや講義動画を見ると良いでしょう。
「深さ」を知るためには、「浅さ」を知らなくてはならない。
その「浅さ」の基準として、国家試験のQBは丁度よい指標、となってくれること間違いなしです。


関連性を求める貴方は、QBや講義動画を見ると良いでしょう。
「外来見学」の部分でも述べましたが、知識を関連させるには最低限「コア」となる知識が必要になります。

ではその「コア」となる知識は、どういう基準で判断すれば良いのでしょうか?
そこで登場するのが「国家試験で問われること」です。「国試で聞かれるのは〇〇(疾患)のこの部分だけど実は他の△△(疾患)とも関連していて~」と学習していきましょう。


いかがだったでしょうか。

どこを目指すにせよ、国試のQBを演習することでそれなりに役に立ちそうですね。

ただ、1日に膨大な量をこなす必要はありません。

例えば血液分野であればQB掲載問題が219問、2週間のローテートで、平日だけ勉強するとして1日の演習ノルマは219÷10=約20問。

どうです?これくらいなら、できそうじゃありませんか?笑


全体を通して、QBを解かなくても問題になる場所は極めて少ないです
(ただし実習の評価に「テスト」がある場合は別です。テスト勉強はしてください)。

実習に慣れてきたら、回っている科のQBを解いてみる、ということも試してみてくださいね。

では。



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