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進撃の巨人に学ぶ「現状維持」と「自己選択」の是非

お久しぶりです。前回、進撃の巨人をテーマに記事を書いたのもちょうど一年前くらいの花粉の時期でしたね。
年々増える花粉と不景気にうんざりですが、これだけ長くあれこれ語っちゃう作品はきっと良い作品なのでしょう(適当)
今回は「現状維持」と「自己選択」がテーマでございます。
現在放送中のアニメの内容までの若干のネタバレを含みますのでご容赦ください。
また記事内で使用している画像に関しては、原作関係者より引用の許可を頂いてるマンガ共有サイト「アル」よりお借りしています。


原作者の諌山先生曰く2013年のトーク&ライブイベント 自由への進撃にて

分かった風を装って「やめときゃいいのに」とか「おとなしく暮らせばいいのに」と言ってしまう思考を、徹底的に敵として描いている

との事で進撃の巨人の根底にあるテーマなのだそうです。
極端な言い方をすれば、「変わろうとする奴は素晴らしい!思考停止で現状維持する奴はクソだ!」的な考えでしょう。
この考えは所謂「同調圧力」「出る杭は打たれる」国民性が強い我々日本人に結構刺さるテーマではないでしょうか?


作中において変革の分かりやすい象徴として自由の翼がシンボルの「調査兵団」があります。
作中でもエレンが「変革を求める人間の集団…それこそが調査兵団なんだ」と述べていますね。
またこのエレンも「自由を求め、現状を変える事を望む」変革の象徴として同じく読み取る事が出来ますね。
そして作中何度も「戦わなければ勝てない、戦え」と自ら選択することを強いられる描写が出て来ます

そして忌むべき停滞の象徴として「壁外に出る事を望まず壁内でただ生きる事だけを望む人類」や「3重の壁を築き、島への報復が始まるまで引きこもる事にした145代目フリッツ王やその思想を継ぐ王族達」などが描かれています。
一見危険に満ちたこの世界において賢い考えの様に見えますが、物語中盤以降においてこれらの選択、考えは緩やかな滅亡に繋がっている事が語られます。
この様に変革を望み立ち向かう主人公側と、現状維持で停滞させる王政側とで対比する様な描かれ方をしていたりします。

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https://alu.jp/series/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/crop/n8UgwU5sK7NhHmPudj5Z
アルより引用

物語の序盤、女型の巨人に追われ仲間が次々に殺害されるのを目の当たりにしたエレンは作戦に背いて自身の巨人化の力で戦おうとしますが、同じリヴァイ班の班員達に「作戦に従って自分達を信じて欲しい」と止められる場面があります。
しかしここで班長のリヴァイは
「お前は間違ってない。やりたきゃやれ」
「自分の力を信じても、信頼に足る仲間の選択を信じても、結果は誰にも分からなかった」
「だから悔いが無い方を自分で選べ」
と静かに言います。

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https://alu.jp/series/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/crop/mpxWaHwj3FdijJMvkCor
アルより引用

この時はエレンが仲間を信じ進んだ事で一時的に女型の巨人を捕獲します。しかし最終的にはリヴァイ班はリヴァイ、エレンを残して女型によって全滅させられてしまいます。


「オレが選択を間違えたから、オレが仲間を信じたいと思ったから
皆 死んだ・・・」
「オレが最初から自分を信じて、戦っていれば・・・
最初からこいつを、ぶっ殺しておけば!!」
とエレンは強く後悔します。
これは見方によっては先述したやめときゃいいのに」とか「おとなしく暮らせばいいのにに似た「戦わずに仲間を信じる」ある意味で停滞した考えの結果、仲間を失ったと言えます。
先ほどのリヴァイの発言はこうなるからせめて自分を信じて選べという事なのでしょう。

そして物語が終盤に突入した現在放送中のアニメではエレン達104期生の仲間を含めたパラディ島の人間は過去の歴史で民族大浄化を行った種族の末裔として世界から憎まれ、絶滅を望まれている事が判明します。
世界との対話も不可能、また文明の発展により近い将来に巨人の力を上回る軍事力を世界が身に付ける事が予想されており、巨人の力を盾に壁内に引きこもる事は問題の先送りだけでなく緩やかな滅亡の道を歩む事になります。
そこでエレンは仲間と島民を守る為に、道徳的には到底許されない「島外の人類を全て踏み潰す巨人による地ならし」を発動させました。

「しばらくは大丈夫だから壁内に引きこもって方法を考えよう」

作中でも当然こういった意見が出て来ます。
ですが先述した様に作中の情勢はそれを許さず、ましてや作中でそんな選択をした登場人物達は作中ことごとく作者にお仕置きされて来ました。
そしてエレンもその一人で「現状維持」に近い停滞した選択の結果がどうなるかを知っています。

「仲間を信じても結果は分からないなら、せめて自分を信じた選択をしてそれに全力を尽くす」
その結果が地ならしです。
当然世界から悪魔と呼ばれ、なんなら島民は絶滅しろとまで言われるでしょう。とはいえこの許されない虐殺で島民が生き残る可能性が見出せるのも事実。
「正しいかは分からない。でも正しいと思う道を自らで選び、進み続ける」
エレンらしい考えですね。

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https://alu.jp/series/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/crop/HZssSMBXJMzgN6CDp7m0
アルより引用


我々の社会ではしばしば「現状維持」はベターな選択肢として耳障りよく提示されますが、今日ある足場が明日もある保証はないのが現実でそんな世の中をなんとか生きているのが私達です。
偉い人曰く「周りが進化する中で選ぶ現状維持は衰退である」と言われるそうで、変化が目まぐるしい世の中で「現状維持」ってそれほど安パイじゃななくね?と思ったので進撃と絡めて書いてみました。
「現状維持」も「自分で選んで進む」事もリスクとしては大差ないからどうせなら自分で選んで進もうぜ!って事ですね。
僕自身がマーーージでローリスク現状維持マンすぎるので自戒の意味も込めて記事書いてます(笑)自分で自分の背中を押すってやつですね。
FinalSeasonのEDにもなっている「悪魔の子」の歌詞にもある様に

正しさとは自分の事を強く信じる事

なのかもしれないよね?って記事でした。
駄文にお付き合い頂きありがとうございました。あれば次回の記事で
良かったらヒグチアイさんの「悪魔の子」のアニメスペシャルMVが最高にエモいので皆さん見てください。見ろ(豹変)


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