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サブスリーは簡単だ!

今回は挑戦的なテーマで書いてみようと思います。
2023年11月の新潟県マラソン選手権で2:51のタイムでサブスリー(公認)を達成することができました。紆余曲折はありましたが、今回お伝えする7つのことを意識したら一年もかからずにサブスリーを達成することができました。今回は過去の自分に伝えるつもりで、サブスリーのコツを書いてみようと思います。また、サブフォーは達成したけれどなかなか記録が伸びない方や初マラソンの方等にも参考になれば幸いです。また、トレイルランや登山をやっている方にもオススメです。驚くほど行動の範囲が広がり、トレイルレースで別の景色が見えるようになります。

【1分でわかるサブ3のやり方↓】
YouTubeショート作りました

はじめに

まずこれまでの陸上とマラソンの経験を書きます。私は中学まではサッカーをやっていましたが、高校では帰宅部(片道13kmチャリ通でしたが)で陸上部ではありませんでした。
マラソンを始めたきっかけは、大学から大学院への進学を志した際に運動不足を感じていたのと、タフな勉強になるだろうから心身ともに強くなろうと決意したことです。その後、2009年に初マラソンを4:56(かすみがうらマラソン)で走り、登山やトレイルランニングも走りながら年に数度フルマラソンに出場していました。しかし、就職や転職等で理由をつけて練習に打ち込めず、タイムは伸び悩んでいました。去年までのフルマラソンのベストは2019年春(長野マラソン)3:46です。

①運動生理学の知識をつける

マラソンはすでに科学の対象となっているスポーツです。気合いや根性だけではタイムはすぐに伸び悩むでしょうが、これらの知見に頼ればあっという間に結果を出せます。
今回はこれ以上は何も伝えることはありません。下記の本を読んでしっかり実践してください。ダニエルズが定めたトレーニング強度であるVDOTを理解しトレーニングを組み立ててください。そうすれば一年後、早ければ半年後にはサブスリーを達成していることでしょう(完)
ありがとうございました

嘘です(すみません笑)。上記が現代の運動生理学の教科書的な2冊です。どちらか、またはどちらも読むことをおすすめします。ダニエルズの「ランニング・フォーミュラ」はより理論的かつ科学的なアプローチの本で、練習の効率性を重視している印象です。もう一冊のリディアードの本は、基礎トレーニングを重視しており、直感的で経験則的なアプローチをとっています。サブスリーレベルを前提とすると、どちらの本でも概ね言っていることは大差がないと思います。またリディアードの橋爪伸也さんが書いたこの本もおもしろく書いてあって読みやすいです。

以下では、これらの本を読んで私なりに解釈したことを書いていきます。

②練習の計画と期分け

今日何の練習しようかなと思っているようでは科学的なアプローチではありませんし、毎日何となくジョグばかりしていてはちょこちょこ走りを抜け出せません。計画的に練習をしていきましょう。
ダニエルズもリディアードも下記の順序で半年〜1年程度かけて練習を組み立てることをすすめています(それぞれの本の名称とは異なります)

【期分け例】
・基礎期
・スピード期
・インターバル期(オプション)
・ペース走期
・調整

ここで重要なのが、基礎期→スピード期→インターバル期と移っていってもEペース走やロング走や流し等は継続してやるということです。特にE ペースのロング走が大切だと考えています。リディアードは「ピラミッド」とも言っていましたが、高い練習を組み立てるためには、裾野の広い基礎を作り上げる必要があります。

③毎日走る

走ることを習慣にしてください。
リディアードは「週に1度休んで良いですか?」と聞いてきた人に「年に52日も休んでおいて世界と闘えると思っているのか⁉︎」と喝を入れたらしいです。世界と闘う意気込みはさすがにサブスリーには必要ないかもしれませんが、トレーニングに対して大切な示唆を与えてくれます。リディアードは走るのは15分でも良いとも言っています。朝起きて靴に足を入れて走れば「勝者だ」とも言っています。どれだけ時間が無くても15分、30分なら走る時間を確保できると思います。もしできないようなら、そんなブラックな生活習慣は見直した方が良いです。また練習場所がない場合でも、冬場に雪や雨が降る地域でも地域の体育館なら安く安全に練習ができると思います。なんならトレッドミルを買ってしまっても安いものなら数万円で済みます。走ることを習慣にさえしてしまえばもうこっちのもんです。

④最低週65km、月300km走る

ここから実践的な話になります。サブスリーを目指したければ週65km走ってください。これが最低限の練習量です。この距離を走らなければダニエルズの理論は活用できません。月間100kmでサブスリーできる人もいますが、そういう人は才能によるものなので一般人には再現性はありません。
③とも関連しますが、注意点として週末にだけ長い距離を走らないでください。リディアードはこういう人を、Weekend Warrior(週末戦士)としてバカにしています。疲労で練習の継続性がなくなります。毎日コツコツ走り続け、練習を継続することが大切です。リディアードは週に「最低」7日間のトレーニングを推奨しています。

⑤基礎づくりを重視する

繰り返しになりますが、高強度な練習を受け止め、ケガをしないためには、基礎が大切になります。
またサブスリーレベルでは高強度な練習はあまり必要ありません。必要なのは30km等のロング走をしっかり行い、30kmの壁をぶっ壊す脚筋と心筋を作り上げること、それらに酸素をたっぷり供給する毛細血管をつくること、脂質代謝を強化し糖だけに頼らない回路を作ることだと考えています。
なおロング走はLSDでは無く、Eペース(4:50-5:20/km)で行うことをオススメします。一方、Mペース(4:15/km)でロング走は不要とされています。ダニエルズによると、Mペースの運動生理学的な効果はEランニングと同じといっています(メンタル的な効果はある)。
週間走行距離の伸ばし方やロング走の上限距離についてはダニエルズ「ランニングフォーミュラ」に詳しく記載があるのでくれぐれもやりすぎないようにご注意を。
ちなみに、これまた名著のアドバンスト・マラソントレーニングによると、30km、35kmの壁の原因は次のようです。毎回壁にぶち当たってる人は改善が必要です。
・マラソンの練習が適切でない
・ペース設定が適切でない
・レース前後の糖質の摂取が適切でない

⑥ちょこちょこ走りを抜け出す

ジョグやLSDしかしておらず、股関節・腸腰筋をうまく使えない人の走りをちょこちょこ走りと言っています(リディアードが)。こういう人はふくらはぎを使ってしまい、すぐに疲れる走り方をしてしまいます。一方で、このちょこちょこ走りを抜け出すと、ストライドが伸びて楽に走れます。伸びなくても股関節から足を振ることができて楽に回ります。
ちょこちょこ走り脱出には、スピードトレーニングです。練習後に100m〜200mの流し・ウィンドスプリントを数本入れるだけでも走力はかなり上がると思います。本格的にスピードトレーニングをやるのであればレペティションやヒルトレーニングをやるのが良いでしょう。私もスピードに課題を感じているので、来シーズンはしっかりスピードをつけていこう思います。

⑦インターバル、閾値走、補強

この辺はオプションとして考えても良いかもしれません。上記だけでサブスリーにかなり近づけると思います。まずは基礎をしっかり作り上げてください。インターバル走はオプションです。週に65km走れない人はケガをするのでやらない方が良いかましれません。またインターバルはリディアードによると、1ヶ月程度を目安に継続しないと効果がないとされています。多分基礎がないと継続できません。やるとしても、閾値走(4:02/km)で5km、10km、15kmと距離を伸ばしてみることです。苦しいところで耐えることで、乳酸処理能力があがります。
そのほか、補強として体幹トレーニングも大切だと思います。特に懸垂はオススメです。やり方はこだわらずに好きなだけやってみてください。腕振りが変わって楽に走れます。

以上をしっかり実践していけば、サブスリーに確実に近づけます。まずは月間走行距離300kmを3ヶ月続けてください。そしたらこっちのもんです。何かに理由をつけてやめるのは簡単ですが、そのまま半年続けたら気がつけばサブスリーを達成しているはずです。挑戦することはすばらしいことです。いつかやろうではなく、今が一番若い時です。挑戦するなら今です!

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