【アイルランド音楽祭】フェーレ東京2020の魅力を勝手に解説する
「オンラインでしかできないこともある」
CCÉ Japan初のオンラインフェス、Féile Tokyo 2020 Online(フェーレ東京2020オンライン)が12月5、6日に開催されます。
この記事では、アイルランド文化にあまり馴染みがない方、CCÉ Japanという団体をよく知らない人に向けて、中の人目線でフェスの魅力を解説します。
(筆者は運営委員ではありませんが、CCÉ Japanの会員です)
CCÉ Japanとは?
「CCÉ Japan」とはCCÉの日本支部です。CCÉという見た目から「おや?」と思われた方は鋭い。そう、アイルランド語です。正式な名称はComhaltas Ceoltóirí Éireann(コールタス・キョールトーリ・エーレン)で「アイルランド音楽家協会」という意。ちなみにÉireannが「アイルランド」を意味します。RTÉ(Raidio Teilifís Éireann)という文字をどこかで見たことがあるのでは?こちらは「アイルランド放送協会」という意味で、アイルランドの半国営放送局、日本でいうNHK的な立ち位置です。
日本支部であるCCÉ Japanは毎週日曜日にダンスクラスや音楽クラスを東京の中野で開催しており、ほぼ毎月イベントなどを催しております(ウィズコロナになってからは不定期開催&オンラインイベントなどを開催)。
アイルランドの伝統音楽やダンス、言語などの文化を楽しみながら継承し、世界中に普及している団体です。1950年代初頭、衰退しつつあった伝統文化を守るために本国アイルランドで創設された組織が母体となり、アイルランド系移民の多いアメリカやオーストラリアといった国々に支部が作られ、ワールドワイドな団体として発展してきました。
- About CCÉ
ざっくり一言でまとめると、日本でアイルランドのことを深く知ろうとするならここに入ってしまうのが一番早い!です。
(もっというと、日本でアイルランドのダンスを学ぶならここが一番盛り上がってる。アイルランド音楽なら各地域のアイリッシュパブやセッションでも親しめますね。Trad Onもできたし)
フェーレとは?
毎年8月、アイルランドでは「Fleadh Cheoil na hÉireann(フラー・ヒョール・ナ・ヘーレン)」という音楽祭が開かれます(お、またhÉireannですね)。世界最大のアイルランド音楽祭で、世界中から観光客が訪れるお祭りです。僕は2017年に行きました。
お祭り期間中は「ケーリー」と呼ばれるダンスパーティが夜な夜な催され、町の至る所でアイリッシュセッションが楽しめて、もちろんライブも盛り沢山。
そして目玉の一つとなるのがコンペティション。アイルランド伝統音楽の演奏の技量やダンスの技量を競うコンテストです。ちなみにフェーレ東京2020で講師を務めるサマンサ・ハーベイ(Samantha Harvey)や豊田耕三さんらはコンペティションで入賞経験のある手練れの方々です。中でもオシーン・マクディアマダ(Oisín Mac Diarmada)はジュニア・シニアの両部門でチャンピオンのタイトルを獲ったことがある、現代アイルランドを代表するフィドル奏者です。
話が脱線しましたが、フェーレ(Féile)とはそのコンペティションの予選です。日本においてフェーレが始まったのは実は4年前の2016年。それまでは日本人は挑戦する機会すらなかったのですが、CCÉ Japanの日頃の活動がアイルランドでも評価されて(?)、晴れて予選が開催されるようになりました。フェーレではコンペティションだけでなくライブやケーリーも開催されており、僕の一年の楽しみの一つです。
さてさて、ようやく本題。
フェーレ東京2020の魅力を解説します!
フェーレ東京2020の魅力1 - なんといってもオンライン
今年は初のオンライン開催です。僕はフェーレには2017年から毎年通っており、地方からも遊びに来てくださる方も年々増えておりましたが、今年は日本全国、誰でも集まれます!!そしてそして
フェーレ東京2020の魅力2 - 日本時間に合わせてくれる
これまたすごい!
知っての通り、オンラインのイベントは日に日に増えております。アイルランドにおいても例外でなく、「日々更新される情報にキャッチアップするだけで精一杯!」なんて方も多いのでは?そして海外イベントあるある、時差の問題。
「見たいけど!」
「聞きたいけど!」
「「「寝てる」」」!!!
なんてイベントも多いですよね。
ところがどっこい、フェーレ東京2020はその名の通りTOKYO開催なので、日本人の視聴しやすい時間にアイルランドの方々が合わせてスケジュールが立てられています!しかも本国の手練れたちが!素敵!!
フェーレ東京2020の魅力3 - 通訳がついてくる
「アイルランド」
「海外」
そんなワードを聞いていると「でもわたし英語わからないから……」と弱気になっちゃう人もいるでしょう。大丈夫です。
なんと今回のフェーレ東京2020ではほとんどのクラスで通訳または言語補助がついています。
2019年までのフェーレに参加したことがある方はご存知と思いますが、アイルランドの方の英語って日本人に親しみのあるアメリカ英語と発音が異なるので、初めてだと聞き取りづらいのが難点。そのアイルランド英語に!通訳!!
CCÉの方々はいつも一生懸命に運営されているので、わからないことは質問しましょう。きっとお返事を返してくれます(親切すぎるくらいに!笑)。もちろんROM専でもOK!!
フェーレ東京2020のプログラム概略
僕的オススメのプログラムをサラリと紹介するね。
アイルランド語ワークショップ by モーリーン・カーレトン
モーリーンさんという素敵な女性のおばあさんダンサーが教えてくれるアイルランド語ワークショップです。実はこのプログラムのことを紹介するために記事の要所にアイルランド語をちりばめていました笑
アイルランド語、みなさまご存知ですか?
アイルランドにはゲール・タハトと呼ばれるアイルランド語が現在でも残っている地域はあるものの、ほとんどの方は英語を使っています。
なら必要ないじゃん、って思うじゃん?
Coillte QUILTY ?
Rinn na Spanneach ???
土地の地名とか、バス内の案内図だと意外とアイルランド語が使われていて旅先でめっちゃ戸惑った懐かしき思い出。アイルランドについて詳しくなると、CCÉ、RTÉ、TG4(ティー・ジー・カハル)などの用語を目にする機会も増えてくるのでわかるとちょっとおもしろいかも。
伴奏ワークショップ by サマンサ・ハーベイ
好きだーーーーサマンサーーーーー!!!
サマンサとはミュージシャンでありダンサーです。日本に来たときに一度だけ一緒に踊りました。ダンスの上手なレディーと踊れるのはジェンツの特権。
ダンスについて言及しちゃったけれど、ピアノ伴奏のワークショップです。僕も聴講予定なので仲良くしてね。
サマンサはさっきの写真の真ん中で青いシャツを来ているレディー
シャンノース・ダンスワークショップ by エドウィーナ・ガッキィーン
フェーレ東京2020の大金星と言っても過言ではない。Edwina Guckian、シャンノース・ダンスをかじったものなら誰でも知っているその名を、そのダンスを、なんと日本で学べる!!
とりあえず僕の推しエドウィナを見てくれ
Maggie Pickieというアイルランドの古いダンスです
キュート&エレガント!!!
ケーリーバンドの1世紀(レクチャー)by オシーン・マクディアマダ
シャンノース・ダンスワークショップが大金星ならこっちはよだれを垂らして待ちわびているイベント。
「ケーリーバンド」という言葉をはじめて聞いた方のために説明しておくと、ケーリーバンドとはケーリーと呼ばれるセットダンスパーティでダンスの伴奏をしてくれるバンドです。
キルフェノーラケーリーバンドとタラケーリーバンドの合同演奏
めっちゃ主観的に言い換えると、セットダンスを踊るだけでも楽しいのにそれを更に盛り上げてくれるマジでアゲでリスペクトフルな存在、それがケーリーバンド。とりあえずこの動画を(ry
これは日本のケーリーの動画ですが(日本におけるケーリー史はまだまだ歴史が浅い)、オシーンが話すのはアイルランドのケーリー史。当然通訳つき。これまじで楽しみにしているので通訳期待しています。
その他、hataoさんやアシオトにも参加してくれている豊田耕三さんによるスローエアワークショップ、3月に企画したライブ配信を手伝ってくれたマイキーのポルカワークショップなどもあります。タイムスケジュールはこんな感じ
終わりに
CCÉの方々にはいつもダンスクラスの他、日本のアイリッシュパブを応援するクラウドファンディングでもお世話になっております。現会長の山下理恵子さんにはプロジェクトの推薦文を執筆していただき、副会長の寺町さんにはプロジェクトメンバーとして手伝っていただきました。他にもたくさん。どうもありがとうございました。
そしてCCÉのこと、フェーレのこと、たくさんの方に知ってほしいので、もし記事が面白かったらシェアしていただけますと幸いです!
また、パブ巡りのとき、フェーレやCCÉのチラシを持ち歩いているので、アイルランド文化が好きなお店の方、よかったら置いてください。日本全国どこへでも届けに行きます笑
先日寄った水戸のケルズで店長の山口さんが置いてくださりました。多謝。
話は変わりますが、毎年3月にICF(Intercollegiate Celtic Festival)という学生主体、社会人歓迎のイベントがあるのですが、そのなかの音楽・ダンスクラスやケーリーで全国の方と仲良くなり、現地に遊びに行ったら仲良くなる……そんな人脈が広がるサイクルが今は息をしづらいご時世になってしまいました。会いたいのは山々だけれど、せめてオンラインでつながりを保てたら、また会えたときに「あそこで会ったね」なんて話せたらと願っております。
お読みいただき、どうもありがとうございました!
Grazie per leggere. Ci vediamo. 読んでくれてありがとう。また会おう!