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今こそはじめる、シャンノース 【コネマラステップ編】 #土曜夜にアイルランドを語る

土曜の夜にこんばんは!
毎週土曜、19時の投稿、楽しみにしてくれているかな?気分はラジオだぜ。

先週は音楽の話題でしたが、今週はダンスです!
ダンスホリックな君たち!
お待たせ!!!

はじめに

この記事は僕、城拓と長野のダンサー、飯井大智の動画協力で構成されています。

想定する読者は以下。

・シャンノース・ダンシングを始めたい方
・セットダンスの経験者でコネマラステップを練習したい方
・セットダンスの経験者でコネマラステップを深めたい方

シャンノースやコネマラステップへの理解を深めたい方はそのままお読みください。

また、文章抜きで動画単体でもお楽しみいただける構成にもなっております。以下をご覧ください。

今こそはじめる、シャンノース【コネマラステップ編】
https://www.youtube.com/playlist?list=PLsMG0iGgneAROHUq_LJJ48ojHLK85JLho

*城、飯井ともにダンスについては若輩者ですが、お家でたのしめるアイリッシュを盛り上げるべく、記事を書いてみました。誤り、不適切な記載などありましたら城までご連絡いただけると幸いです
*説明の都合上、動画と言葉の説明が前後することがあります。ご了承ください

シャンノースとは?

タイトルの「シャンノース」という用語が初めましてな方向けに説明しょう!シャンノースとは!!

シャンノース:アイルランド語で「古いスタイル」という意味。英語なら old style。綴りは「sean nós」。sean nós singing, sean nós dancing というように使う。日本語では歌もダンスもどちらも「シャンノース」と呼ばれることが多い。

この動画のように無伴奏で歌います。

本場アイルランド、パブのセッションで初めてシャンノースを聴いたときは、歌い始めたときに周りの人が「しーーー」って静かにするのがリスペクトに溢れていてとても好きでした、、、

終わった後の拍手がね、これまた素敵。
日本のパブでもたまに聴ける。

と、音楽はココマデ。
こっからはずっとダンスだよ!!

シャンノース・ダンシングとは?

Wikipediaには以下のように書かれています。

シャン・ノースとはアイルランド語で「古いスタイル」「古いやり方」という意味で、文字通り、ソロ・ステップダンスの古い形式である。特徴としては、腕と上体の力を抜いた打撃的なステップ、床に近いステップ・ダンス、自己表現性、即興性、ステップと音楽の関係の強調などが挙げられる。ほとんどのシャン・ノース・ダンサーはミュージシャン1人と踊ることを好む。伴奏はメロディオンあるいはアコーディオンが人気がある。
Wikipedia - アイリッシュ・ダンス

動画で見てみましょう!

「バレルダンス(Barrel Dance)」という、樽の上で踊ったりすることもあります。この動画も狭い場所で踊っていますね。

ついでにもいっこ

さらにもいっこ。

このような、「ソロで」「即興の」「ステップダンス」がシャンノース・ダンシング(以下、シャンノース)の特徴です。

3個目の動画はJig→Reelとリズムが変わっていますが、シャンノースのほとんどはReelで踊られることが多いです。
ステップを覚えるときや練習ではHornpipeも使われます。

Reelが多いことからわかるように、ケーリーバンドの練習に合わせて即興で踊ったりできる柔軟性もあるところがシャンノースのよいところ。

アイルランドではパブや家などで生演奏に合わせて踊られます。

「家で踊る」と聞いてびっくりした方もいるかもしれません。
日本では家の中では靴を脱ぎますが、アイルランドでは室内でも靴を履きます。

キッチンや暖炉の前で踊ったり、と。
生活の中にダンスがあるそうです。

お家で練習するのにぴったり!……と日本では言えませんが、近くの公園などで気軽に練習できるのでオススメ。

シャンノース・ダンシングはアイルランド西部のコネマラ地方発祥と言われています。

コネマラステップとは?

「コネマラステップ」という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。

コネマラステップとはコネマラ地方発祥のステップです。

コネマラ地方はアイルランドはゴールウェイ州にあります。ゴールウェイはアイルランド西部の州(県)です。

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コネマラ地方といえば「コネマラ国立公園(Connemara National Park)」

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Connemara National Park ホームページより

コネマラステップはシャンノースとセットダンスの両方で使われますが、使う文脈は異なります。シャンノースではステップの一部として使われる一方で、セットダンスではConnemara SetやCladdagh Setなどゴールウェイ州のセットで使われます。

今回扱うのはシャンノースにおけるコネマラステップですが、もちろんセットダンスでも応用可能です。

講師のご紹介

本日の講師のご紹介です。

長野県在住、ダンサーであり、BB Céilí Bandのリーダーでもある飯井大智さん。通称「いーちゃん」です。

動画でご挨拶!

飯井大智
セントダンサー、シャンノースダンサー、打楽器、アイリッシュフルート奏者。BB Céilí Bandのリーダー・コーラーを務める。
群馬県高崎市に生まれ、幼い頃から地元のお囃子に参加。
高校では和太鼓部に所属。信州大学入学からアイリッシュ音楽を始め、カホン、スプーンズ 、ボーンズなど打楽器に打ち込む。2016年のICF Special Ceiliでセットダンスの楽しさに目覚める。セットダンスへの愛が爆発し、ダンスの伴奏をするBB Céilí Bandを結成。そして、バンドでの演奏のためだけにアイリッシュフルートを始める。2018年秋よりシャンノース・ダンシングを始め、現在は長野にてセットダンス、シャンノースを広める活動をしている。今を時めく若手ダンサー。(作編: 城・がっきー)

*動画が途中で終わっているのは電車が通ったからです

ちなみに動画で語れている「朝シャン」とは朝シャンノースのことです。

朝シャン(ノース)して、
朝シャン(プー)する

近頃のイケダンサーのトレンドです。

この記事の読み方

以下では初級・中級・上級とレベル分けをしています。

初級 → シャンノース、コネマラステップが初めての方、
中級 → シャンノース、コネマラステップを少し知っている人
上級 → シャンノース踊れるぜ!な人

また、動画は縦向きのものが多いので、パソコンよりもスマホの方が見やすいかもしれません。

…と、前置きが長くなりましたが、はじめよう、コネマラステップ!

<初級>まずは、ランニング

「コネマラステップ」と聞くと、なんだか難しいことのように思えますが、まずはランニング(ジョギング)するように足を動かしてみましょう。

動画を見てね!

Point !
・ランニングするように体重移動する(つま先で走る)
・1 - 2 - 3 - スタンプ、とヒールを入れずにスタンプしてみる
・スタンプには体重を載せない
・スタンプするとき、上から降ろすようにかかとを地面に当てる

*「スタンプ」とはシャンノースやオールドスタイルのダンスで良く出てくる動き。足を地面に降ろして音を鳴らす動きです。

動画でも説明がありますが、重心は載せずに軽く鳴らすイメージで足を降ろしましょう。

<初級>ランニングの失敗例

「前に蹴り上げない」「足を後ろから蹴らない」ことがポイントです。

前に蹴り上げない   →足をちゃんと上げれば大丈夫
足を後ろから蹴らない →つま先でランニングする

つま先で走るように、ランニングするように足を上げることを意識しましょう。

講師からのメッセージ
わかりやすく教えるためにランニングって言って大げさに足あげてたけれど、実際はそんなに足上がりません!
(かかとは上がるけど、つまさきは地面すれすれくらいのジョギングがベストかな?)
慣れてきたら=スピードが上がってきたら、自ずとそのようになってくと思います。
とりあえず力を抜いて!
足を上に上げるぞ!おりゃああ!とならず!

諸注意、覚えられたかな?

ここからはステップをゆっくり学んでいくよん!!

<初級>コネマラステップ(スタンプ)

動画がとても丁寧な説明をしているので是非観てください。

Point!
・toe - heel の二音だけ練習する
・それができたら、toe - heel - toe の三音だけ
・それができたら、つなげて toe - heel - toe - heel の四音
・それができたら、toe - heel - toe - heel - toe で五音
・最後にスタンプを入れる

動画で語られている「トー」「ヒール」はどちらも英語です。

toe = 足の裏の先の方
heel = かかと

シャンノースでは toe や heel をつかって音を鳴らすことがとても多い。日常生活では絶対に行わない動作なので、慣れないと難しく感じるかもしれません。しかし、ここはとても大事な基礎なので、ゆっくり焦らず、着実にできるときっと後が楽になります。

<上級>コネマラステップ(スタンプ)

スタンプの直前にヒールを床に当てることで音を一つ増やします。

音は「タカ、タカ、タ、タタ」

*「応用バージョン」について話し出すとテンション上がるいーちゃん可愛いですね

<初級>コネマラステップ(ホップ)

"<初級>コネマラステップ(スタンプ)" の動画をまだ観ていない方は、前半だけでも見ておくとよいです!

Point!
・ランニング(ジョギング)にホップを入れる
・それができたら、ヒールを入れる

スタンプ型との違いは「スタンプのタイミングでホップする」ことです。

<中級>コネマラステップ(ホップ)

ホップで着地するときにもヒールを入れます。体重を載せない

音は「タカ、タカ、タン、タタ」

「タタ」の2個目の音を鳴らすヒールには体重を載せないのがポイント。

<上級>コネマラステップ(ホップ)

ホップして着地するときの音を一つ増やします。

音は「タカ、タカ、タン、タカタ」

ホップ
→つま先着地、ヒールで音鳴らす
→逆足のヒールで音鳴らす

という仕組みです。

練習たいむ!

覚えたステップをいーちゃんと一緒に練習しよう!

Point!
・慣れないうちはランニング(ジョギング)をしっかり
・ジョギング→スタンプ(ホップ)の練習
・それができたらヒールを入れる
・上記を自然にできるまで練習する

中級・上級ステップは初めての方には難しいので、焦らず、ゆっくり練習しましょう。質問があったらこちらの記事へコメントまたは僕かいーちゃんまでよろしく!

本場のコネマラステップ

いかがでしたでしょうか?コネマラステップ、できるようになったかな?

こんなご時世なのでケーリーとはすっかりご無沙汰になってしまいましたが、日本のケーリーでもコネマラステップで踊る上手いダンサーがちらほらいます。もちろん、アイルランドにも。

何人かのダンサーがコネマラステップをしているのがわかりますか?ゴールウェイの方ではスタンプ型のコネマラステップをしている方が多いそうです。日本ではホップ型の方をよく見かけますね。

下の画像はゆりさんにもらったゴールウェイのケーリーのセットリスト。

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後半にある Moycullen Set, Claddagh Set, Connemara Set はすべてゴールウェイのセット。地元セットへの愛が感じられるセトリです。

講師のシャンノースタイム!!

最後に、講師のいーちゃんのシャンノースタイム。

ほーら、だんだん踊りたくなってきただろう?!

セットダンスが以前のようにできない今はシャンノースが流行る最高のタイミング。気に入ってくれたらこちらの記事に♡マーク押してね!
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いっぱい人気だと僕といーちゃんがやる気を出します!

次回予告

次回、「今こそ覚える、ウェストクレアバタリング」です!

えいっ、

チラ見せだよっ!

#土曜夜にアイルランドを語る 、5月まで続くかな?続きをみたい人はシェアしてね!いーちゃんも喜びます!!

来週はほなみちゃんによる「アイルランド文学から深めちゃお!アイルランドの音楽・ダンス文化の変遷」ですっ!

文学という切り口から、アイルランドの音楽とダンスが過去どう人々に楽しまれていたのかを書いてくれるらしいです。なんて素晴らしい切り口…来週が待ち遠しいぜ!!
*本人の都合により僕のアカウントから公開予定です

それじゃ、まったねーーー!

前回の記事

前々回の記事

*写真協力:がっきー

Grazie per leggere. Ci vediamo. 読んでくれてありがとう。また会おう!