見出し画像

イタリア滞在89日目

「Osteria Francescana (オステリア・フランチェスカーナ)」というお店がエミリア・ロマーニャ州のモデナにあります。2018年にThe World Best Restaurant 50 (世界のベストレストラン50)でNo.1に輝いたお店。2019年からはシェフのMassimo Bottura (マッシモ・ボットゥーラ)は殿堂入りしてしまったので以後の受賞はありません。

イタリアに住んでいるからには一度は行きたいなと思い、お正月期間に予約して行ってきました。モデナの市街地にある本店は2名以上でないと予約できないので、2019年にオープンした別邸Casa Maria Luigiaに行ってきました。こちらは1名からでも行けます。

*ソロプレイ怖い方向けに一応断っておくと、お店には6名がけテーブルが3つあり、何名で予約してもそのテーブルに案内されます。僕は一人で行って真ん中の席へ案内されたのでその他同席した5人の方と英語でおしゃべりしながら食べてました。ふつうのレストランへ一人で行くよりは楽しめると思います。

料理だけで330ユーロ。ワインペアリングで150ユーロ。合わせて480ユーロ。日本円にして約7万円弱のコースです。

お高いコースだったけれど、行って良かったし、行ったからこそ感じられたことが間違いなくあった。

*今日の滞在記はミラノからモデナまでの旅路を無料公開部分に、レストラン体験は有料部分に書きます。ネタバレになっちゃうしね。

ミラノからはレンタカーで向かいました。Rentalcars.comからフルカバーの保険付きで予約したのだけど、当日受付に行ったら「その保険は知らない。25€/日の保険に加入してください。もしくは950ユーロのデポジットをもらいます」と急な2択を迫られる。この手の契約は自分が納得できるまで安易にサインしちゃいけないと思って、1時間くらい話しながらサインした。結局2日分の保険料を払ったのだけどここでちゃんと対応しておいて良かったと後で過去の自分に感謝することになる。Rentalcars.comへ支払った保険金は払い戻されるらしいのだけれどマジで信用できない。
駐車場から車をピックアップ。
イタリアでは狭い道を歩くことが多いので小さい車を予約していたのだけど「Free upgrade」という名目で大きい車にされてしまいました。はた迷惑。いろいろあって、これには助けられることになるんだけどね。

予約したのはマニュアル車。ヨーロッパで運転するのは一応2回目。ヨーロッパではマニュアル車が多くて安い。こんな時のためにマニュアル車をとっておいて良かったのだけど、運転するのが数年振りなので色々思い出すために出発まで1時間近くかかった。まずエンジンの入れ方がわからない。クラッチを踏みながらエンジンをかけなきゃ行けなかったのだけど、教習所で同じように習ったのか全く思い出せない。整備士のイタリア人が助けてくれました。

ミラノからモデナまでは高速を使うと2時間くらい。高速お金かかるし、夜のディナーまでは時間があるのでお散歩ドライブすることにしました。まずはクレモナ。
サクッと調べたレストランに入ろうかとお店の前まで来て、なんとなくこの店はやめようと思い、
いくつか物色。
ここが良さげだったのですがあいにく満員。旅あるある、いいレストランは満席。
仕方ないのでいつかのピアディーニ・リベンジ。
La Piadineria
Un mondo di piade, cascioni e rotoli che vengono stesi, cotti e farciti solo al momento dell'ordine.
La Montagna: Salsiccia, Speck, Provola Affumicata, Mix Porcini, Lattuga, Salsa Boscaiola.
サルシッチャ、ポークスペック、スモークチーズ、ミックスきのこ、レタス、きのこソース。
ストラディヴァリウスの街、クレモナらしい写真も載せておきます。
ヴァイオリン博物館
バールの棚もおしゃれね
不動産の物件情報が手書きなところに田舎らしさを感じます。
お次はパルマ、ジベッロ村。
イタリア最高級生ハム、クラテッロ・ディ・ジベッロで有名な街です。
なおクリスマス期間につきほとんどのお店が営業していません。
仕方ないのですぐ近くのマチェレリアを探します。
こちらがクラテッロ・ディ・ジベッロ。100gで10€しました。驚きの価格。プロシュートなら2ユーロしないよ。
Salme del mastroも買いました。こちらは1本で10€くらい。クラテッロ・ディ・ジベッロの後だとなんでも安く感じるわ。旅の途中でなんでわざわざ買い物したかと言いますと、
豚さん飼ってるところだったのです。写真で伝わるかわからないのですが、体がすごく大きくて。普段食べているパンチェッタ、グアンチャーレ、プロシュート、サラミはこの子たちからいただいているんだと思うとなんだか感慨深かった。あと匂いがすごかった。獣臭さと糞尿の匂い。田舎って感じ。
探してみよう!写真の中に2匹のウサギがいるよ。
(庭でウサギが放し飼いされていることにもカルチャーショック。ちなみに犬がうさぎに近づいたらウサギは敷地外へ逃げていきました。一体どうなってるの)

そんなこんなでAirbnbで予約したモデナの宿へ辿り着きまして。少し休んでからディナーへ。以下は食レポになるのですが、その前にオステリア・フランチェスカーナをどこで知ったかを簡単に記述します。

まずはこの記事。

「シェフというのは、料理を通して、愛を広める活動家だと思っているからね」という言葉が印象的で、本も読みました。

マッシモがどんな生い立ちで、現在に至るまでどのような店をやってきたか。オステリア・フランチェスカーナがThe World Best Restaurant 50でNo.1をとる、その直前までを取材したもの。

この本を読んでマッシモの人柄、思想に興味を持ってぜひ一度伺ってみたいと思うようになった。本というのは偉大なもので、読めばお店に行かなくても5割くらいは把握できると思う。

以下に記録するのは行かなきゃ感じることができない残りの5割です。

ここから先は

5,620字 / 55画像
不定期連載。実験的に始めます。買い切り。

イタリア滞在期(2022.10~)を連載中です。イタリア料理、ナチュラルワイン、日々のこと。エッセィ。

Grazie per leggere. Ci vediamo. 読んでくれてありがとう。また会おう!