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暮らしの隙間に劇がいる

演劇を作っていく中でギュンっと気持ちが昂ぶる瞬間はいくつかある。そのひとつは小道具の出来栄えが良い時だ。とある小道具の仕上がりが抜群に良くて、半ば作品が完成したかのような気分になった。カネはかかっていないが、それでもきちんとしたモノができることもある。
そろそろ本番の影がチラチラしてきて、演劇のことだけを考えていたいのだが、やはり仕事と暮らしの中のさまざまなことを考えながらその隙間を劇で埋めるような日々だ。腹が減ってキッチンをウロウロしていたらきゅうりがあったので丸ごと齧り付いたら身体が冷えた。その一連の中の隙間に劇のことを考えたりした。ウロウロしながら劇。きゅうり握って劇。齧って劇。冷えて劇。それなりの割合で劇が顔を出してくる。もっとああすればいいかも、こうしたらどうだろう。そんな余白を感じる劇はまもなく上演。台本が甘くて割と役者の皆さんにはご苦労をおかけしている。しっかり書かねばならない。戯曲を書くかきゅうりを齧るかぐらいしかできないのだから。明日明後日で稽古場での稽古は終わり。いよいよ小屋入り。thee/シィ第16回公演『ホテル・アビリーン』は7月6日、7日@長野市ギャラリー花蔵にて。

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