10年越しの答え合わせ。

若い頃にお店で見かけて、仲良くなりたいなと思った人がいた。
ゲイだということは知っていてインスタを見つけてフォローして、メッセージのやり取りをするようになって、ご飯に行った。

せっかくのご飯だし、落ち着いた個室なんかでゆっくり話そうと思った。
もっとその人を知りたいと思った。
でも相手にお金ないから鳥貴にしようよと言われて、分かったと三丁目の鳥貴のほぼ満席の中のカウンターに横並びでご飯を食べた。
当時の自分は人混みがあまり得意ではないのと、大きな声で話さないといけないうるさい店内に少しだけ、気持ちが一歩後退したのを感じた。
ビールを頼んで、焼き鳥を適当に頼んで、下ネタ話したりして。

なんというか、いまいち盛り上がらなかった。
クールというか何を考えているのか読めなかったし、視線から感じる好意や熱みたいなものも感じられなくて、あータイプではないんだろうなーと。

リアルしてお互いいい感じだった時の魔法の言葉。
「この後、どうしよっか。」が言いたかったけど、
迷わず帰ろっかと言っていた。

その後も会うことはないものの、なんとなく、ストーリーとかでは絡んでくれたり程度の関係だった。
そしてここ数年は、いつもお酒飲んでいるか、ムラムラしているかで、あまりクリアな人ではない印象だった。満たされてないんだなーと。
またムラちゃんなん?といつものように絡んでは、そーいつも。と返答がくる。

今はパートナーと同棲していて、セックスはもちろんないらしい。
かといってオープンではないらしいから、お互いそれぞれバレない程度にやっているのだろう。ゲイマッサージまではOKとか自分なりにルールを決めている人もいる。オープンがいいのか、あえてはっきりさせないほうがいいのかは人それぞれだけど。


「昔初めてリアルした時あったじゃん?あの時誘ってたらHできたの?」
と唐突に聞いてみた。

「やれたよーwやりたかった?」

「昔はやりたかったかもね。」

「昔はw」

と何の意味も持たない、テンポだけはいい会話でお互い寂しい夜の時間潰しをしていた。
ムラちゃんはお酒を飲んできたらしく、酔っていた。

「Hしようよ。」
と言ってくる。

きっとムラちゃんも昔から何かしらの確信がないと行動に移せないだけだったのかもしれない。
Hはいつだってしたい。ただ誰でもいいわけじゃない。
好きじゃなくてもいいけど、何かしらの情がないとできない。


「彼氏持ちとするわけないじゃん。ばーか。」




あの時、やるつもりならやれたんだと思いながらも実際やらなかったのは、それ以上でもそれ以下でもなかったからなんだよなと。
過去の答え合わせ。

きちんと言葉にしないと伝わらない。
分からなかったら聞けばいい。
YESかNOかの二択。

意味のないタラレバに囚われずに、
今を胸はって生きられますように。


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