愛される嘘つきになれるか?

「経営者は嘘つきだ」という言葉を聞いたことがありますか?

経営者はビジョンを語る必要がある。ビジョンがなければメンバーに対して進むべき方法を示すことができないから。そして、ビジョンとは未来の姿。つまり、今ないものを語るという意味で虚構である。

なるほど。10億円の会社が、「10億目指すぞー!」と言っても方向性は生まれない。20億の会社という「今はないもの」を掲げるから方向性になりうるのです。つまり経営者は、ビジョンという虚構を掲げメンバーに「それが達成できる」と信じ込ませることで突き進んで行く生き物なのかもしれません。

で、ここで問題になってくるのが、経営者のビジョン(虚構)にメンバーがのっかれるかどうか?経営者目線で言うなら「俺のわがままにどうやってメンバーを巻き込めるか?」だろうし、メンバー目線なら、「社長はどうやって僕をそのきにさせてくれるのだろうか?」と言うことになります。

先日、ある業界で日本のトップを走っている社長と話をしていた時に彼がこう言っていました。

今度うち、新規事業を始めるんです。とっても面白いビジネスモデル浮かんだので。でね、うちの幹部に「それやるぞー!」っていったら、彼らが「それは面白けど、どうやったらできるですか?」ってアホなこと聞いてくるんですよ。できることやってもつまらないのに。だから「もちろん、できる!」って言って、その後、このモデルがどんだけ面白いかをずっと話したんです。そうしたら、そのうち彼らが根負けして、「わかりました。やりましょう」って言いだんんです。おもろいでしょ。うち会社はいつもこんな感じです(笑。

それで、その会社の幹部の人に聞いたらこう言うのです。

うちの社長、本当めちゃくちゃ。この間もいきなり新規事業やるぞー!!って。そんなことどうやったらできるんですか?って聞いたら。「俺にもわからない!」って胸張って言い切るんです(笑。「でも、わからないけど、これはやらないといけない気がする!いや、絶対やらないとダメだ!」って興奮して、そのモデルの話をずっとしてるんです。そしてひとしきり話した後になんて言ったと思います。「でも、どうやってそこまで行っていけばいいのか細かなことはわかならない」「だから、お前手伝ってくれない?」って。笑えるでしょ。

で、この幹部の人は、めちゃくちゃやる気になって楽しそうでした。

ここに大きなヒントがあると思うのです。なぜこれほどまでに、大洞吹きでいい加減な?社長についていここうと思えるのでしょうか?

ここでふと思うのは、次々とビジョンを具現化していく経営者は、どこか愛されポイントを持っていると言うこと。その愛されポイントとは「アホ」ではないのかな?と最近思っています。

経営者のみなさん、最近アホになれてますか?
幹部の皆さん、社長のアホさを愛せていますか?

最近、私もアホになり切れていないかも…

秋山ジョー




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?