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LL.M出願のしくじりと注意点(とにかく成績証明書ファースト)

はじめに

はっきり言って、私はこの出願手続を舐めていました。

未曾有のパンデミックに加えて米国大統領選の影響もあり郵便物がなかなか届かなかったこと、LSACの事務処理速度を読み間違えたことが最大の誤算です。この記事をお読みいただくことで、今年以降出願される方が私のような「しくじり」を未然に回避いただければ何よりに思います。

手続全体については、綺麗にまとめてあるブログやウェブサイト等がありますのでそちらをご覧いただければと思います。とにかく私が申し上げたいのは、「できるだけ早く成績証明書をLSACに発送するべき」ということです。以下、そうしなかった私のしくじりを共有します。

そもそも、LSACの案内にもあるように、出願者の成績証明書は、各自が大学に送るのではなく、各教育機関がLSACに直接送らなければいけません。その上で、LSACが内容をチェックし、レポートにまとめた上で、出願校に送ります。

つまり、①各教育機関(大学、ロースクール、司法研修所等)に対してLSACに成績証明書を送付する依頼をする、②各教育機関がLSACに発送する、③LSACがチェックする、④LSACから出願校に送付する、ことが必要です。①と④は自分でコントロールできるので大きな心配をする必要はないです。
注意が必要なのは②と③で、以下それぞれ説明します。

各教育機関からLSACへの発送(3ヶ月かかった)

まず、各教育機関の事務処理にそれなりに時間がかかります。私の場合、依頼から発送まで1週間から10日間程度かかりました。

次に、発送されたからLSACに到着するまで、めちゃくちゃ時間がかかりました。ちょうどコロナの影響でEMSが停止されており、書留郵便で送るしかなかったのですが、それでも10日間から14日間あれば着くと言われていました。実際、ロースクールと司法研修所から発送されたものは14日間程度でLSACに受領されました。

ところが、14日間はおろか1ヶ月経っても、学部から発送した成績証明書が届きません。追跡番号で何度ウェブサイトを更新しても、まるで墜落した隕石のようにジョン・F・ケネディ空港から動きがありません。この時期は2020年大統領選の真っ只中、トランプ大統領が「道端に投げ捨てられている大量の郵便物を見た」と声高に叫んで郵便投票に反対していました。これを聞いて、私の成績証明書も一緒に廃棄されたのでは…と青ざめました。

できることは2つで、まず1つは書留郵便の調査請求です。

発送から6ヶ月以内であれば、郵便物の行方を調査してもらえます。ただ、どの程度迅速にやってもらえるのか、全く保証はありません。

そこで、並行して、学部にお願いして再発送をかけてもらいました。原則、書留郵便での発送で執り行われていたこの発送、同じことの繰り返しだけは避けたいと思い、無理を言ってDHLで再発送してもらいました。

結果、発送から1週間程度でDHL発送分が到着しました。10月初めに送付した全ての書類がLSACに届いたのは、翌年1月上旬でした(その後遅れること数週間、第一便も到着しました。調査請求に督促効果があったのかも知れません。)

LSACのチェック(趣旨不明瞭な資料追完請求)

次に、③LSACのチェックです。ようやく全ての書類がLSACに到着し、出願が完了できると思いきや、なかなかLSACの発送準備が整いません。そんな中、LSACから「ロースクールの卒業証明書がないから、追完されたし」とのメールが届きました。

唖然とします。確かに送ったはずの書類がないと言われたのですから。

ここで私の大きなミスは、送った書類の控え(PDF)を残しておかなかったことです。ロースクールから、LSACに送付した書類と同じ書類を交付してもらっておくべきでした。これがないことにより、ロースクールにもう一度、どの書類をLSACに送ったかを確認する必要が生じてしまいました。

しぶしぶ再度ロースクールに出向き、送付物の控えを見せてもらいます。そうすると、確かに卒業証明書は送付されています。今度はきちんとそのコピーをもらい、PDF添付してLSACに「きちんと送ってあるだろ」とメールします。

その後、しばらく返信がありません。痺れを切らして、日本時間の夜中にNYに鬼電。相当ナーバスになっていたからなのか、当時の英語力にしてはよくクレームできたと思います。責任者にエスカレーションしてもらい、なんとかチェックを完了させました。

私の想像ですが、私が終了したロースクールの修了証明書にはCertificate of Completionのみ記載されていて、Graduateとかそういった言葉が記載されていなかったことが原因かも知れません。実際、LSACからの追完請求メールには次のような資料を送ってくれと書いてありました。

The diploma from XX University verifying the date of graduation for the Juris Doctor degree.

graduation = completion であることはネイティブでなくても容易に理解できると思うのですが、何かのマニュアルにうまく適合しなかったのかも知れません。あるいは、Diplomaというワードが証明書になかったことが引っかかったのかも知れません。

いずれにしても、電話/メールで繰り返しThere is NO other official document verifying the date of graduation と伝えた結果、最終的に納得してもらえました。

まとめ

アメリカの郵便事情は2020年に比べて大分改善されてきたと思います。EMSも、2021年7月時点で、追加料金は必要ですが復旧したようです。したがって、上記②の問題は今年は起こらないかも知れません。
ただ、LSACの事務処理速度や方法は大きく変わったと思えません。必ず早めに提出をし、提出書類の控えをとるとともに、LSACから何かリクエストがあれば、すぐに電話とメールをして確認できる準備をしておいた方が良いと思います。

以上

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