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火花式着火 火口(ほくち)Tindr


私の火口の定義は、火の粉を受け止め、僅かな火種を焚き付けに移すための機能を「火口」としています。物質ではありません。

麻火口と言いますが、麻の繊維は時には火口であり(ファイヤースターターで受け止めた時)、時には焚付(付け木で焚木の下に入れた時)となります。(正しいかどうかわかりませんが多くの方と意見交換してみたいです)

その中で日本の江戸期から大正末期まで一番長く一般庶民の間で使われたのが、「蒲の穂」です。

「蒲団」 「布団」

さて上記はなんと読みますか?
両方「ふとん」です。
日本では綿花が普及されるまで、布団の中身は「蒲の穂」が主流でした。
そのため、この字が生まれたのです。綿花の普及とともに「布団」と書くことが主流となりました。


湿地帯に生息する植物ですが、今は殆ど見ることがなくなりました。

さて、蒲の穂をバラして火打ち石と火打金で着火させても、火が乗りません。火花式着火は鉄が石で削れて、鉄から1000℃を超える火花がでます。
加工しなければ火の粉が乗ることはありません。

江戸期、あるいはそれ以前から、蒲の火口は硝石をお湯に溶かして煮ていました。これが加工1となります。
硝石をどのように確保していたか?
織田信長や、武田信玄と同じ方法です。
一つは、厠の周りに飛沫として飛び散った小便。これが結晶化して硝石となります。それを剥がして硝酸カリウムとして使かっていました。

もう一つは古い家屋の床下の土壌に硝酸カリウムが生成されます。(その理由は研究不足でわかりません)

カリウムが触媒となって蒲の穂が火を受け止めるのです。
藁などを燃やした灰汁で煮ても、炭酸カリウムが豊富なので同じ役割を果たします。

加工2 江戸期の遺留品の蒲の穂の火口の色は炭で染められて真っ黒です。
これは硝酸カリウムだからです。炭酸カリウムが混入すると炭で染めても緑色に染まります。硝酸カリウムは中性ですが炭酸カリウムは強アルカリ性のため、炭の成分変化により黒く染まらないのです。

なぜ黒く墨汁などで染めたのか?
はじめは蒲の穂そのものは解すと「生成り」の色です。
火が乗った時、生成りより黒いほうが認識しやすいと思っていましたが、
多くのこの世界の大先輩のご老人は「江戸っ子の粋」説を唱えます。
根拠を聞いても回答はないです。

私の興味関心は日本のキャンプ(野宿)の深掘りです。
一つは無宿渡世人。もう一つは戦国時代の戦での野営。行動食、兵糧攻めなど、殆どが72時間サバイバル協会の内容にかぶります。とても変な切り口ですが、この切り口で雑談したいのです。
文責:野宿の匠 落合一雄(Joe)

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