2021川崎市立川崎高等学校付属中学校【チョコレートで考えるフェアトレード】
写真の画像は何か分かりますか?
これはカカオ豆です。今回はこのカカオ豆から作られる「チョコレート」がテーマ。
「チョコレート」が甘くて美味しくて幸せを私たちに与えてくれるのとは異なり、世界の「厳しい」実情を教えてくれます。
「フェアトレード」と「SDGs」を絡ませた出題です。
JICAに関わっていると、頻繁に「フェアトレード」や「SDGs」の話題は聞きましたが、一般にはまだ「フェアトレード」は「SDGs」ほど聞き慣れていないのが現状でしょう。
しかし、この「フェアトレード」が分からなくても、それは問題文の中で説明されています。
「フェアトレード」とは、開発途上国の原料や製品を適切な値段で続けて買うことで立場の弱い開発途上国の人々の生活を改善し、自立を目指す「貿易の仕組み」をきちんと守っている貿易のこと、と説明されています。
ここで「フェアトレード」ではない例として、チョコレートの材料になる「カカオ」が採り上げられています。私たち日本人がチョコレートを手軽な値段で食べることができるのと引き換えに、それらの国の子供たちはカカオ農園で安い給料で働かされ、学校に行く時間を削られると紹介されています。
それを、主に先進国の消費者が「フェアトレード」商品を購入するように行動を変えることで、カカオ農園で働く人たちが適切な賃金を受け取れ、生活が向上すると説明されています。
【問】(カカオ農園で働くことに時間を取られ)勉強する時間が少なくなることで、子どもたちが将来、何をするときにどのように困りますか。考えられることを2つ書きましょう。
(注)
2:飢餓 … 充分な食べ物を食べられないこと
3:福祉 … 公的な支えやサービスによる生活の安定
5:ジェンダー平等 … 男性も女性も社会的に平等であること
9:基盤 … ものごとの土台
16:公正 … 公平で正しいこと
17:パートナーシップ … 協力関係
【問】フェアトレードのチョコレートを買うことで、SDGs10番(人や国の不平等をなくそう)以外にどのカードの目標を達成できそうだと考えますか。カードを1つ選び、その番号と理由を書きましょう。
どちらの問題も、連想ゲームができるかどうかがポイントです。ある程度の答はあるでしょうが、絶対的な答はないでしょう。ある事象が生じた時に、それが将来、何に影響を与えうるか、そこにまで考えが及んでいるかどうか、それが「差」になります。これは「発想力」というか「イメージ力」です。
普段からあるニュースがあった時に、「ふーん」で済ませるのではなく、これが将来どう繋がっていくのか、と連想ゲーム感覚で想像して、家族で会話してみると単に「受験」に役に立つということだけではなく、保護者の側も我が子の意外な視点に驚かされたり、学ばされたりするかもしれません。
「フェアトレード」に関しては、例えば、京都にある「DariK」というチョコレート専門店がこちらは、アジアのインドネシアでカカオを作ってもらい、それをブランド化しています。
また、日本人が現地に行って、そこで学べる「スタディーツアー」なんかも行ったりしています。よろしければ、下記のサイトを家族で学んでみて下さい。
【チョコレート専門店 DariK】https://www.dari-k.com/
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