面接で見える「考える力」の差異

■面接のとき、考える力があるか見ている
以前に、面接のとき学歴が関係することについてNoteに書いた。今回はその延長線上にある話というか、むしろ学歴よりも、持って生まれた力なのか、環境のせいなのか「考える力」について書いてみたい。

私は中途面接の面接官をやることが多いが、転職歴が多い人も少ない人も含めて「なぜ辞めたか」はあまり聞かないことにしている。なぜならば、会社を辞める人はほとんどが傷を負っているわけで、その傷に塩を塗るような行為はしたくないからだ。それよりも聞くのは、
「なぜその高校、大学を選んだか」
「なぜ次の会社はそこを選んだのか」
入学、入社のときの感情や思考を問うようにしている。
この質問は事前準備していない人が多く、一定数本音が聞き出せているかなと反応を見て思う。どこかに身を置くときに、何も考えないで行く人などいないだろうし、そこでどんな価値観を持っていたり、何を期待しているのかな。それが、自分の会社に来た時、叶えてもらえるかなと思いを巡らしながら面接している。しかし。。

■「考えない」人は一定数いる
さきほどの質問に答えない、答えられない人は一定数いるのだ。いくらなんでも高校だって、自分の意思で選択しているのだから、多少はあるだろう。別に、友達と一緒に行きたかったとか、家からめちゃくちゃ近いとか、そんな理由でも別に良いのだ。何が正解かわからなくなり答えられないかもしれないが、かなりの間が開いた後に、絞り出すように言葉を発する。そう、考えてないのだ。当時から、自分に選択肢があったとき、何かにぶつかったとき、思考を巡らせて、多くの情報を集めて判断してこなかったのである。

■「女王の教室」でも辛辣に言っていた
先日、CSで一挙再放送していたのを食い入るように見てしまった。その中で、主人公の女性教師も「何も考えないで言われた通りに愚かでいてくれればそれでいい。それで日本は成り立っている」というようなことを言っていた。本当にそうなのである、自分で考える力を失うと、周りに流され、判断がつかなくなり、隣の人と同じことをするようになる。

■面接もちゃんと考えて来ようよ
なぜこの仕事に興味があるのか、なぜ働いてみたいか。思い切って「自分で考えたり判断するのが苦手なので、言われた通り休まず働くので雇ってください」と言ってくれた方が余程楽である。むしろ、こちらの方が、女王の教室で言われている人々として会社は扱いやすい。

それでも、やりたいことがあるならば、達成したい目標があるならば、考えに考えて、情報を集めて、時に周囲の人々に意見や考えを貰ってみてはいかがだろうか。

どんな会社なのか、どんな仕事なのか、何が自分にできるのか、何を与えてくれるのか、どんな人と働くのか。

■質問攻めにして内定を勝ち取った人の話
考えに考えすぎて、面接でいわゆる「逆質問(応募者から面接官への質問)」を1時間フルに使ったのが同期入社の女性だった。年齢も経験も私よりも下であり、PCスキルもほとんど無かったが、事務系の仕事の内定を勝ち取ったのだ。当時の面接官は私の上司で、聞いたところ「ともかく質問されまくった。そこまで考えて来てるなら入社してほしいと思った」と。

考える。
それが無くなったら、パスカルに落胆されます。

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