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もんサンプション:世界知図 1—小針誠先生 『アクティブラーニング』—

人生を消費しよう。こんにちは。もん です。

「そのアイデアって、どの条件下におけるものなの?」
を問うことは大事だよね、という記事になります。

最近は、小針誠先生の『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』という本を拝読していました。読んでいて感じたことをお話しさせてください。

アクティブラーニングの「手引書」の話

最近アクティブラーニングという言葉を耳にします(理念自体は昔からあったらしいです)。割と新しめな考え方なためか、実際どんなふうにやるの?だとか、どんなふうにやればいいの?といったことを思う方が多いのかと思います。少し検索してみただけでも、事例が出てきます。しかし、これらの実践例ですが……

紹介されている実践例は非常にわかりやすく書かれています。(中略)しかし、その「運用」ということに関して言えば、その実践例は必ずしもすべての学校やクラスに適応でき、実現可能というわけではありません
(小針 2018, p.219 太字引用者)

こういうこと、ありますよね。

僕は割と教育に関する意見や議論を観測するのが好きなのですが、
イマイチ噛み合ってなくね?
と思うことは多々あります。皆さんは、どうです?

小針先生のこのご指摘が、とても正鵠を得ているような気がしました。

それってどの「条件」の話?

ってことですよね。

小学校なのか?中学校なのか?同じ校種だったとして、偏差値は?教室の雰囲気は?築かれている人間関係は?

こうした「条件」によって、適切な実践とそうでない実践があるのではないか、と思います。そして、こうした「条件」の違いというのは、僕の経験から言えば、割と確固として存在するものだと思います。

条件がすれ違った教育論争の例としては、掛け算論争や、都立高校男女別定員論争が挙げられます。

掛け算論争の「条件」

掛け算論争において、「出来る子はいいですが」や、「得意な子が算数を嫌いになってしまう」といった言及が目立つように思います。賛成派の方々は勉強の苦手な子の話をしているのに対し、反対派の方々は算数の得意な子について話しているような印象を受けます。

両者の扱っている子供の学力レベルという「条件」がすれ違っているのではないでしょうか。

まずはそこの「条件」を揃えない限り、建設的な議論は望めないのではないかと思います。

男女別定員の「条件」

少し前、都立高校における男女別定員が物議を醸しました。
都立高校では、定員が男女別に設けられているため、男女で合格最低点が異なり、全体的には女子の方が高い傾向にあるという話です。

そうですね。
どの条件の話?
を考えるのがいいと思います。


これらのニュースで話題に上がるのは、いずれも偏差値50くらいの中堅高でした。ここで、今回の視点である「条件」を意識すれば、
「他の偏差値帯ではどうなのか?」
という疑問が生まれます。

以下のtogetterでは、都立日比谷高校などの高偏差値帯を例に挙げながら、この問題が言及されています。

男女別定員制度は、中堅高校という「条件」においては女子冷遇となってる一方、高偏差値帯という「条件」においては、必ずしも女子冷遇とは言えない、と言うことでした。

僕にとって、このまとめは即刻男女別定員を廃止すべきという考えを考え直すきっかけになりました。

条件が違えば、作用も異なるのだな、と思ったのです。

他の「条件」を想像する

「条件」が異なれば、最適解も異なるのではないか、と思ったお話でした。

今回は教育の話でしたが、「条件」という考え方は、どんな場面でも役に立つ視点ではないかと思います。

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もん

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