【仕事】車輪を再開発したっていいじゃない
車輪の再開発という言葉があります。
企業なので新商品や新サービスを検討して競合調査をするとほとんどの場合、同じ課題に同じような商材やソリューションを他で既に開発して出していることがあります。
リサーチの甘さか、社内の政治的な都合か、既に先人が顧客の多くの課題を解いているのに、同じようなものを作ることを是として進んでしまいます。
(空気読まずに「車輪の再開発ですね」というと、だいたい嫌な顔をされます・笑)
実はこの「車輪の再開発」。一応前提があってですね、
つまり、知ってて、あえて、再び一から作ることは、この「車輪の再開発」には含まれないと解釈できます。
じゃあ、そもそも知ってて、あえて作ることってあるのか?
ですが、これはあると私は思っています。
自分(たち)のものにするため
新しい事をやるのに、ただ本を読んだり、コンサルタントの資料を読んでいても自分のものにはなりません。やはり自ら行動して、実践して、試行錯誤して、時には失敗もして、ようやく定着するものです。
私も仕事の中で、散々既に色んなところで書かれていることを改めて説明資料に起こすなんてのは無駄だと思って、いっそWebの記事やリンクを貼って済まそうと思ったことは何度もありますが、あえて自分で整理しなおして書いてみると、内容が自分のものになり、知識や思考の幅が広がったように思いました。
また、会社の中などで使う何かしらのシステムも、既に世の中にあるものを使えば早く導入はできます。最初のうちは良いですが、いずれカスタマイズしたくなったり、データ活用したくなります。しかしありものだとカスタマイズが限定的だったり、欲しいデータが取れなかったり、自分たちの好きなように扱う事が難しくなります。
AppleもMacやiPhoneに組み込むチップ(SoC)は最初は仕入れでした。
しかし近年、iPhoneはAチップ、MacはM1チップと自分たちで開発し導入しています。もちろん半導体周りの調達リスクやコスト削減などの思惑による戦略でもありますが、自分達が目指すやりたいこと、出したい性能があって、チップの開発を自分たちの手中に収めることにしたわけです。
「届け先(顧客)」と「届け方(チャネル)」が違う場合
同じ商品やソリューションでも、対象となる顧客や、販売する地域や国が限定的になる場合があります。
これは戦略上の話もあれば、企業のリソースやアセットの関係で手が回らなかったり、国のレギュレーションやブランドの知名度など様々な要因があります。
普段、友人や家族と連絡を取るチャットツールもメジャーなものは国に寄って異なります。
日本では圧倒的にLINEが有名ですが、韓国だとカカオトーク、中国だとWeChatやQQと、メインの機能はSNSによるメッセンジャーではありますが、国ごとに知名度や普及度が全く違っています。
この顧客とチャネルを絞ったり、ニッチで空白地帯があるところに先人切って狙って出して行き、先にシェアを取ってしまうことでビジネスとしても成立する場合もあります。
リファクタリング
表からの見た目や機能は同じですが、中身(主にソフトウェアでのアーキテクチャやプログラミングコード)を作り直すこともあります。
長年の改善や改修により、メンテナンス性が悪くなったり、性能がでなくなったり、使っている根本の仕組みが古くなったりして時代にあった最新の製品や技術に徐々に置き換えたりします。(モダナイゼーションといいます)
これは建物もそうですよね。
増改築や定期の大型修繕などでなんとか残していても、いずれは耐えきれなくなったり、基準や法律に合わなくなったりします。もし建て替えた後も同じ店舗や施設が入るなら、その建物が保持する機能や価値は大きく変わりません。しかし、同じものだからといって、永遠に建て替えなくてもよいわけではありません。
同じ車輪でもいいじゃない(絶対全く同じにはならないから)
無理矢理コーチングの話に繋げますが(笑)、クライアント様の目標や成りたい姿も、世の中全ての一人一人が全く被らずに異なるものになるということはありません。
ナンバーワンやオンリーワンに拘ることは、スペシャリティとしてそれはとても良いことだし、そうなれれば凄い事だと思います。
しかし、みんながそうなれるわけじゃないですよね。
ナンバーワンやオンリーワンになれないからって、それが駄目とも私は思いません。
(なれなくても目指すという姿勢だけでも大事だと思います)
本当に自分がやりたいこと、自分の得意なこと好きなこと。
他の人と同じであっても、その人自身はオリジナル。
自分自身がオンリーワンなら、全く同じものにはならない。
なので、あまり悩みすぎず、気負いせず、同じ車輪だけどちょっと色味が違うよ、転がり方がちょっと違うよ、くらいでもいいので、自分が心から思う未来を描いて、前に進んでいけば良いと思います。
そんな未来に向かって、コーチングはお手伝いできると信じています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?