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【仕事】青黒い人とアジャイル

あなたの仕事は青臭い?腹黒い?それとも?

10年以上前にリクルートワークス研究所が「事業創造人材の創造」という発行物を出しています。正直、今読んでも全然陳腐化されてない、新規事業をやる人、事業創造する人は読んで欲しいものになります。
(逆にいえば、10年経ってもまだできてないところも多いという…)

https://www.works-i.com/research/works-report/item/r_000257.pdf

その中で、事業創造できる人材として「青黒い人」という言葉が出てきます。

青臭い×腹黒い=青黒い

新しい事業を取り組むにおいて、その事業で「どんな風に世の中が変わるか?」という理想論は大事ですが、熱い思いは理解しつつも、儲かって継続的に事業活動ができなければ意味がありません。これが青臭いところです。

かといって腹黒いところ、つまり儲けるところだけに走ってしまうと、いずれ企業が持つ社会的役割や元々掲げている理念やパーパスからズレてくると企業の魅力が薄れていきます。特にここ最近の新卒の社会人は社会的な貢献やパーパスを選ぶ企業のポイントとなっています。

理想論(青臭い)と冷静なマネタイズの方法論(腹黒い)という、一見矛盾しているものをバランス良く扱って両方を併せ持つ「青黒い人」が求められていました。

青黒い人の思考特性

  1. よき社会への信念

  2. 経験に裏打ちされた自負

  3. 強烈なゴール志向

  4. 高速前進志向

  5. 粘り強さ

何となく感じるのは1と5が青臭さ、2,3,4が腹黒さかなと思います。
ただどれがどれというわけでもなく、青臭さ寄りな気もしますが、うまくミックスされている感じはします。
そして2〜5に漂う、何が起きてもやりきってやる、自分を信じてもやりきろうとする思考があることが、ただ理想論を語って批評家になっているビジネスプロデューサー気取りの似非とは違う部分だなと思います。

青黒い人の行動特性

  1. 常識の枠を超える

  2. 手に入れる

  3. 捨てる

  4. 決める

  5. 宣言する

  6. やめない

行動特性を見ていると、既存事業を回すことに最適化された企業や事業ドメインが不得意な内容ばかりになっていますね(笑)。
この辺の泥臭い行動は腹黒さ寄りのアプローチが強いかなと感じます。(もちろん、既存の常識に囚われないでやるぞという青臭さも持ち合わせています)

青黒い人には「アジャイル」がフィットしそう

改めて、この「事業創造人材の創造」の思考特性と行動特性を見てみたとき、やはり「アジャイル」なアプローチが事業創造には適しているなと感じました。

もちろん現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)だなんだではデザイン思考と合わせてアジャイルも注目されていますが、開発以外でもアジャイルであるべきなのは、10年以上も前から語られていたのだなと感じました。

アジャイルだからといって計画を持たないわけではなく、むしろ計画は用意しますし、自分たちが今どこで、どうなりたいかという中長期のビジョンも明確にしてから目の前どのように動いていくのか、そして不確実で分からないことを、徐々にわかるようにし、失敗するなら早く、そして良い失敗にして組織やチームの学びに変え、新しい事業の立案と推進に切り込んでいく。

思考特性4「高速前進志向」なんかはまさに高速にPDCAを回すアジャイルらしさが出ていますし、行動特性3「捨てる」、行動特性4「決める」、行動特性5「宣言する」なんてのはアジャイルのスクラムにおける、可視化による透明性、優先度を決めてやりきるところに合っていると感じます。

アジャイルにおける学習効果も、思考特性2「経験に裏打ちされた自負」にあるように学びを積み重ねていくわけですし、失敗を単なる失敗とせず、短いサイクルの中でふりかえり、軌道修正していくことは行動特性6「やめない」に通じます。
プロダクトオーナーがステークホルダーと交渉していくところは、行動特性2「手に入れる」のところでもありますし。

思考特性1「よき社会への信念」と行動特性1「常識の枠を超える」あたりは、デザイン思考であったり、バックキャスティングやブレイク・ザ・バイアスなどのビジネスデザインの要素が関係していると思います。

人間は青くも、黒くも成れるものだと思います。
10年前から言われていることではありますが、不安定な情勢、不安定な経済、パンデミックなど、さらに世の中の不確実性の高まった今こそ青黒い人が求められるのだと思います。


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