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【アジャイル】これこれ仕事から思うこと(第五章)

市谷氏の「これまでの仕事 これからの仕事」(略して「これこれ仕事」)を読んで思ったこと・感じたことを何回かに分けて書いていこうと思います。

第四章は昨日書きました。今日は第五章を読んで思ったことを書きます。

「マイクロマネジメント」から「自律」へ

アジャイル(スクラム)をやっている中で誰かにタスクボードを見せると「マイクロマネジメントですね…」と言われます。その場合に私は、

「主体がリーダーやマネジャーにあって事細かくやり方まで指示しチェックするなら悪いマイクロマネジメントですね」

「主体がチームにあり、チームのメンバーが自分たちでタスクマネジメントを行い、完了条件ややり方も自分達で決めているなら良いマイクロマネジメント。それをやっているのがアジャイル(スクラム)です」

と答えるようにしています。

まさに「自律」、自ら律するわけです。自ら律するには何をやっているかがみえるようになっていて(透明性)、タスクの状況や結果をチェック(検査)して、改善(適応)していくことが必要になるわけです。

ほかのアジェンダにもあるような「数字だけ」「目先の効率」「想定どおり」が前提で仕事が進んでいると予定と実績のズレをいかに少なくするかという力が働き、マネジャーやリーダーは事細かく報告を求め、あれやこれやと指示をします。

答えが見えないのなら選択を持つ

これまでの仕事が正解が見えやすく、またマネジャーやリーダーがその仕事のプロフェッショナルでスペシャリストであれば事細かく指示しても外れはそうそうなかったでしょう。しかし今の時代、何が正解か分からなくなるとマネジャーやリーダーの経験や勘に頼れなくなります。

そのような時代にはいかに当たりに行き着く確率を増やすか、可能性を高めるかという取り組み方が必要となり、それを許容しサポートし、様々なところから降る矢の傘になるリーダーシップとマネジメントが必要になります。

限られたリソースの中でどれだけ試せるか?その試す優先度や順序はどのようにするか?今は留保しておくことはなにか?自体をマネジメントしていくことで意味のある活きた選択肢を持ち続けることができます。

「下手くそ」であり続ける状態にする

また、私的に明言だなと感じたのは「最初は下手くそである」そして「下手くそであり続けること」というところです。こういう表現もあるのだなと感心しました。

不確実性の高い取り組みにはじめて関わり、探索と適応による仮説構築と検証でよりよくなっていくことは最初から上手にはできません。でも、ふりかえりによって少しでも良くなることを進めていけばいずれは自分のものとなり、アジャイルな動き方に慣れて価値も感じるようになるでしょう。そうすればチームにも徐々に自律性は芽生えてきます。

しかし慣れて続けていくと変わりない日常が訪れます。うまくいっているが何か足りない、いやむしろそう感じることは危ういことなのではないかと問わねばならないときがあります。

そのときには自分達の「ワクドキ感」を意図的に生み出すことが必要になります。ファイブフィンガーで取り組みを評価しているなら、その数字をどうすれば1つ挙げられるか?そのための挑戦とは何かを問うていきます。

挑戦するということは再びうまくいかないことがでてきます。つまりまた自分たちが「下手くそ」な状態になるということです。
下手くそであるからこそまた次うまくなろうと自分たちを突き動かすわけです。

自分たちが上手くやり続けていると認識して高いプライドを持ってさらに高い理想を負う場合にはプレッシャーも強く、上手く行かなかったときの挫折感も大きいでしょう。
それをあえて下手くそな状態にするという捉え方に変えるだけで、プライドは横に置き、愚直にチャレンジできるようになるのだと思います。

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