見出し画像

【仕事・マネジメント】「精神論はダメだ」で片付けない

嫌われる要素だが、必要な場面もありそう。

昔の上司のお話を伺って

あるとき私が商品企画をしていた時代の元上司(Eさんとします)と話す機会がありました。
Eさんは長年商品企画のマネジャーとして会社の既存のコア事業に携わっていましたが、最近はコア事業ではなく新規系のITサービスの方の企画のマネジャーをしていました。

新規の領域だと市場が確立できていなかったり、プレイヤーとしても新参者だったり、顧客自体を開拓したりしなければなりません。既存のコア事業から比べると売上の規模も小さくまず小さく始めることになり、またそもそも顧客や課題が本当にあるのか、そこに価値を提供できるのかという探索的な動きが必要です。

そのため、検証して上手く行かなければピボットしたり、時には早々に撤退してできるだけキャッシュやリソースが大出血しないうちにまた他の探索をしにいきます。

そのような探索的に動き、なかなか結果のでないところでEさんは何とかお客様と会社に貢献しようと奮闘されていました。

粘り強くやるしかないけど…

最近Eさんが取り組んでいるビジネスについてはまだアーリーな段階ではあるものの、少しずつ前に進んでいました。まだお客様からお金をいただくまでは至ってませんが、課題と顧客発見、提供価値の道筋は付けて、仮説検証を行っています。

実はその段階にまで来られるプロジェクトもそこまで多くなく、もっと早い段階で脱落していくのですが、Eさんのマネジメントしているプロジェクトは前に進んでいます。

Eさんいわくまだまだ道半ばで成功したとはいえないとのことですが、やり続けられることがすごいと私は感じていました。そこで私はEさんに、何故やり続けられるのか?その理由やコツなどを伺ってみました。

そうするとEさんは、
「まあ、色々やり方やプロセスはあるけど、一番は諦めず粘り強くやるしかない」
「こんなこというと、精神論だと嫌がられるんだけどねぇ…」

精神論には良い悪いはある

確かに「精神論」というと自分の気持ち次第で頑張ってやればどんな困難でも乗り越えられるというもので、しかしそこに何か根拠やロジックがあるわけではなく、言われた側も具体的にどうすれば乗り越えられるかが分からないものです。

昔であれば気合いだやる気だでその精神論を振りかざして部下を動かしていたりするわけですが、今の時代はなかなかそういうわけにもいかず、敬遠されます。

でも、先ほどEさんが言った「諦めず粘り強くやるしかない」は精神論かもしれませんが、新規事業など新しい事をやり、それを生み出せる人の資質としては納得できるものだなと私は感じます。

私が思うに、やったり苦労したりしてなくて自らが体現しているわけでもなかったり、あまり部下と良い対話ができてないところで精神論を振りかざすのは嫌がられるだろうなと思います。
部下とコミュニケーションをして信頼関係を築き、自分自身も汗かき動く、その姿を見せ、実際に少しずつでも前に進めていけるような人、まさにEさんのような人が言う精神論は、部下も周りも頑張ろうと思わせてくれるものなのではないかと感じます。

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉もあり、新規事業はタイミングもあったり巡り合わせもありますから、うまく回り始めるそのときまで諦めずに粘り強くやること、それは決してネガティブな精神論ではなく、新しい事を生み出すための必須の要素なのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?