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【アジャイル】これこれ仕事から思うこと(第七章)

市谷氏の「これまでの仕事 これからの仕事」(略して「これこれ仕事」)を読んで思ったこと・感じたことを何回かに分けて書いていこうと思います。

第六章は昨日書きました。今日は第七章を読んで思ったことを書きます。

「縄張り」から「越境」へ

組織における横の繋がりが希薄なのは普段から感じていました。特に先期はあまり横の繋がりはほとんど感じられませんでした。(今は逆にそこまで大きくない組織なのでみんなで協力し合ってるところは多い)
縄張りがあるからというよりかは、そもそも関心がないという感じなのと、自分の部署の成果達成で精一杯という感じもありました。

また部署間の関わりを作るところでは現在はグループチャットがあったりしますが、基本はある話題やテーマの繋がりのチャットとなります。そこから新たな関係性は発生しにくく、とのチャットに閉じるかたちになります。またありがちなのは派生形のチャットや会議内チャットなど分岐していくことで同期も取りにくく、通しでずっと他の部署との関係も持ちにくくなります。これは私も実際仕事の中でも問題だなと感じているところです。

場とメンタリティの越境

組織の構造のままでは越境が難しい場合には、場の越境がある。これが別の章でも言及されていたハンガーフライトもその一つだが、組織構造ではない場に集うひとたちの自発的な意思のある場である。
何か新しいテーマを立てるときにその組織や部門だけではどうにもならないときにコミュニティで募集がかかったりする。意識的に組織構造では難しいことがわかっているからこそ意思のある人との仲間作りが必要だ(たまにいっちょ噛みな人もいるが…)社内の新規事業アクセラレータプログラムも似たような感じだろう。

その場をつくり越えていけるというメンタリティの越境も必要になる。組織構造や既存のプロセスではないと新しい事が出来ないと思っている人には場を作ったり場に参加していくという考えに行き着かないだろう。

まず越えるための一歩として本にもあるが「一人から越境する」である。他の章でも市谷氏の本でもまず一人からはじめるというのはまずゼロの状態を少しでも進めるためのプラクティスである。一人であれば失敗しても迷惑をかけない。そして一人で始めることでできるだけ制約を持たずに先に色々と経験も場数も踏めるわけである。仲間が集まったとき、何も知らないよりかは経験者として導ける。

一人ではじめることには勇気がいる。少しでも動き出せればその経験は自分の頼りになるということ。(本の中で書かれている言葉としても、私が結構好きな表現だ)その頼りがあるからこそ自分の勇気になるのだ。

結局は対話を続けるしかない

一人の越境から、チームや組織の越境となるとより困難を極める。結局はチームしても組織にしても相手には相手の都合もある。相手も「このままでは良くない」とわかっていてもこれまで語られている効率化ファーストであることや想定通りであることが是である場合には、成果に結びつくことが見えなかったり、今やっていることを変えて面倒なことになることは避けたくなる。

結局は対話が必要であり、共通認識を持ち合うしかない。これはチーム内での仕事とも同じでありチーム間でも組織間でも実は本質は変わらないのだ。お互いが外に出さずに心の奥底で悶々と抱えて、予想や邪推だけで相手のことを思っていては共通認識を持つことができない。
FromToのToでどこに向かいたいか?今自分たちが直面している問題や課題はどのようなものか?それを一緒にやれるとお互いがどうなれるか?ということを表に出して言葉に落とし込まないと理解は得られにくい。

そして対話は一度だけではなく常にとり続ける必要がある。常に互いの鮮度を保ち、せっかく表出して言語化したことを忘れないようにしなければならない。そして状況が変わればその変化をお互いに理解しあわなければならない。まさにそのフレームワークがアジャイルの中にある。タイムボックス、ふりかえり、むきなおり、そしてFromTo…アジャイルは仕組み的に対話の機会を与え、越境を促してくれるものなのだなと改めて思う。

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