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国会審議の議事録 Part4 (監査委員は誰だったのか)

おはようございます、国会審議議事録4日目です。
DD54の導入当時の国鉄監査委員長が三菱重工業の社長だったことから、関連があるのではないかという視点の指摘が入っています。
この辺は案外核心を突いていたかも知れません。
と言いますのも、一般に試作車から入る場合でも量産車を一気に作るわけではなくて、小ロットから始まりますし、不具合がでれば採用中止もあり得るわけで、最初から数年の内に40両を製造すると最初から決定しているのも少しおかしな話しではあります。

○内藤功君 私は国鉄の部内にはすぐれた技術者さんがいっぱいいるんですが、こういった技術者の意見を十分に聞かないで、技術上の十分な検討をなさないで非常に急いで昭和四十年時点に導入をしたということはもうはっきりしていると思うのですよ。それから結果としても、この耐用年数半分という、はるかに満たない短期間に廃棄されたということもこれも事実としてはっきりしている。これはやっぱり導入の経過というものを検査院も鋭意調査をしていると言われました。国鉄自体としてもやっぱりこれは調査をしてもらいたい。大きなこれはむだ遣いだと思うのです。三菱重工の内部の製造過程に瑕疵があったという疑いも十分ある。それを今度は三菱重工に請求しないとなると、請求しないで、損害賠償の要求もしないで買った側に今度は責任がくることになりますよ。そこらあたりの問題もここは厳重に考える必要があると私は思うのであります。私はこういう意味でDD五四の購入経過について疑問をここで提起をして、国鉄当局、運輸省としてもこれを調査するように要求をしたい。
 特に、ここでもう一つ提起をしておきたいのは、この購入契約、当初の導入契約のときに、これは三両とか四両とか入れるのじゃなくて、もう初めから四十両というような量産ですね。ワンセットで四十両という形で契約しておったのじゃないですか。その間の購入の実態はどうなっていますか。

○説明員(藤田義人君) 購入の実態と申しますか、四十両でセットになっていたんじゃないかということでございますが、先ほど来お答え申し上げておりますように、亜幹線用ディーゼル機関車、いわゆる山、坂、またトンネルが多いところの旅客の方々が非常に煙の災いを受けておりますので、何とか亜幹線用の車両として、これを機関車として育てたいということでこの計画をしておりましたが、当時の資料を見ましても百六十両程度をこういう亜幹線用の車両というものをやるような考え方も一部にあるようであります。別に、四十両でセットという考え方は、われわれの輸送面から見ましても考えられないというふうに思います。

○内藤功君 ところが、私は、これ三菱重工の「三菱重工技報」という一九六六年第五号の雑誌でありますが、この重工の方では、国鉄と当社間で量産型として製作したものだと、その名称はDD五四型液体式ディーゼル機関車だと、こう言っているんですね、量産型だと。私は、ですからこういった点についても購入経過を調べて、こういうむだ遣いというものがいまの国鉄に絶対あってはならぬです。これは約三十億円に上ります、一台六千七、八百万ですから、四十両ですから。三十億というと国鉄の一日の収入の半分だと言われていますね。大きいです、これは。
 さて、DD五四を導入した昭和四十一年当時の国鉄の監査委員長はだれだったんですか。こういうときは監査委員長というものが目をちゃんと光らしてなきゃいかぬでしょう。だれですか、これは。

○政府委員(山上孝史君) 岡野保次郎さんのようであります。

○内藤功君 その人はどういう経歴の人ですか。どこの会社の社長ですか。

○政府委員(山上孝史君) 前に三菱重工業の社長をおやりになった方だそうでございます。

○内藤功君 これじゃDD五四が欠陥だとわかってもメスが入れられないのは当然だと思いますよ。この間から監査委員会に労働組合を入れるとかいうような御提案もあって、これについては私きょうは論及しないが、徹底的にこの監査委員会を民主化する必要があります。特に国鉄と大きな額の取引のある、密接な関係のある大企業の社長経験者などは絶対入れないようにしなきゃいかぬと思うんです。これ、大臣どうですか。

○国務大臣(森山欽司君) 国鉄の監査委員長が国鉄と取引ある会社の出身者であることは必ずしも好ましくないと思います。

○内藤功君 こういう点も考えて労働組合、利用者の代表を入れることは当然でありますけれども、さらにこういうことも目を光らせなきゃいかぬと思うんです。時間がそろそろありませんので……。この問題だけじゃないんですね。ちょっと横にそれて恐縮ですが、私は昨年の運輸委員会、予算委員会その他でも数回にわたって新幹線工事にかかわる排水管の購入問題で久保田鉄工ほか二社が資材価格を不当につり上げて大もうけをしている事実を指摘をしましたが、検査院、この結果を簡潔で結構ですから、この私の指摘は正しかったかどうか、この点答えてもらいたい。

○説明員(小野光次郎君) 昨年の四月三日の予算委員会、それから五月九日の運輸委員会におきまして、東北及び上越新幹線高架橋工事におきます排水設備に使用されております硬質塩化ビニール管の価格につきまして非常に高価であるという御指摘を受けたわけでございます。
 で、私ども直ちにこの問題について調査に入りまして、先生から御指摘がございましたことは事実でございました。したがいまして、会計検査院といたしましては、直ちにこれを国鉄に対しまして質問を発したわけでございますが、国鉄御当局も非常にこの問題については誠意を持って当たられまして、直ちに経済的な丸型の管を――これは一般に市販されているものでございますので、市況価格がございますので、非常に経済的な方途を講ずるような対策を立てております。
 そこで、会計検査院といたしましても、昭和五十二年度決算検査報告におきまして「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」ということで掲載いたしまして報告さしていただいたわけでございます。

○内藤功君 最後に、すでに昨日運賃の値上げの答申が出て、これを大臣の方は二十日からいよいよ実行しようという段階に来ているんですね。平均八・八%、大変なこれは値上がりです。私がもう詳しく言うまでもない。一方でこういう国民に対して値上げを要求している。一昨年のあの運賃法改正――運賃の値上げを事実上自由化すると、大臣と総裁の判こでできるということになれば、こういうふうに一年の間に四回も値上げするということは起きるぞと、それは国鉄の再建は政府の出資と国鉄自身の合理化努力とそれから利用者の負担の三つでやるんだと、利用者だけじゃないよとあのとき言いましたけれども、私らはそうじゃないと、必ずこれは安易な利用者負担に来るよと。その結果としては、この安易な利用者負担、そして安全問題なんかは、もう国鉄運賃の審議は国会ではやられないからして、実にルーズになるよと、その危険を私ら指摘した。ほかの委員の方も指摘したんですよ。ですから私どもは、これがもうはっきり危険として出てきていると思うんですね。
 私は、こういうまず車両の三十億円に上るむだ遣いというものを、やっぱり検査院だけじゃなくて、国鉄当局がみずから徹底的にきわめてもらいたい。
 きょう安全の問題、時間の関係で入れなかったけれども、安全の問題でも、この車は始動時の振動が非常に激しいんです。つまりがっくんとこうくるわけだ。がっくんとくるということは、始動時の振動が激しい。そのために頭を打ったり、むち打ち症になった人もいると言われておるんです。こういうような機械を入れておいて、そしてしかも耐用年数の半分で廃車にしてしまっておるということは、はなはだ遺憾なんです。私は、きょうここで提起したこの問題をはっきりさせるまでは、運賃の値上げの答申が出ても、大臣としては判こを押さぬと、これは国会でここまで言われたんだから、これはまず徹底的に調べると、あなたの就任するすでに十年余り前のことだけれども、やっぱりこういうむだ遣いはきちんとさせて、今後ともこういうむだ遣い、浪費の起こらない体制をして、国民に納得させていくということをまず先決にするという、そういう政治姿勢をとらなければ、これはもう国民は納得できませんね。だから値上げの判こを押す前にこの問題をはっきりさせると。これをはっきりさせなきゃ、それまでは値上げの判こを押さないと、こういう姿勢を大臣はとってもらいたいと思うんですが、どうです。

○国務大臣(森山欽司君) 先ほど来お話を承っておりまして、大変参考になりました。十分御趣旨のほどを今後の国鉄の運営に生かすように努力をいたします。が、運賃値上げは五月二十日を予定して一定の手続をもって進んでおりますから、それはそれとしてやらしていただきます。

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