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自分の価値観やその表現力を試されてるのでしょうか

こんにちは。

みなさんはご自分の大事にしている価値観や信条といったものを語ることができますか?自分の大切にしていることといえばいいでしょうか。

先日、「○○主義があれば教えてください」という質問をされ、かなり戸惑いました。仕事でも日常でもいいですからということで、その場であれこれ考えたのですが、これといった「○○主義」を思い浮かべることはできませんでした。

それで、苦し紛れに「たとえば、物事への見方をできるで多角的に見るようにしている」というようなことを言いました。これは、以前の記事に書いたかもしれませんが対人認知の領域でその人の見方として、人は多様であると思っています。

社会心理学における「基本的な帰属のエラー」に通ずることで、私たちは、自分や他者のあらゆる行動の原因を常に探ろうとする傾向があります。これを原因帰属といいます。その際、たとえばある犯罪者の行為をその人の性格や成育歴、学校や会社での成績や振る舞い、素行などから原因を探ろうとします。このようなことを内的要因といいます。

この内的要因に原因を過度に帰属させることを基本的な帰属のエラーといいます。

私は、このようなことを知っていたため、これまでの仕事においても人を見る際にできるだけその人の内的要因だけでなく、外的な要因、すなわち状況の要因にも目を向ける努力をしています。このようなことから、何主義?と聞かれた場合、とっさに人の内的要因だけでなく状況要因にも目を向けているという意味でさまざまな角度から人を見るようにしているというような答え方をしました。

もし、このようなことを面接で聞かれるとしたらどうなんでしょう。思想や信条といったものは個人の考え方に属することで、非常にセンシティブなものになるのではないかと思うのですが。

それにこれ、いずれにしても答え方に注意をしないといけないなとも思いました。対人認知と自己認知でまったく意味合いが違ってきます。先ほど書いたように、他者の行動の原因帰属の場合は内的要因だけでなく外的要因にも目を向けることが必要ということであれば、より多角的で俯瞰的な視点の持ち主であるという印象を持たれると思います。

一方、自己認知でいえば、たとえば自分の行動の原因を状況要因にも目を向けるという、一見同じような多角的な視点を見て取れます。しかしながら、自己奉仕バイアスでもあるように自分の失敗の原因を状況要因に求めてしまう印象をもたれてしまうこともあるのではないでしょうか。成功は自分の能力のおかげ、失敗は状況のせいという自己奉仕バイアスは日本においてはあまりよく思われません。同じ、内的要因だけでなく外的要因にも目を向けるという帰属行為が、対人認知と自己認知でこうも違うのかと改めて考えさせられました。

もし、このようなことを面接で質問をされた場合は注意が必要です。どのような場合は内的要因に目を向け、どのような場合は外的要因にも目を向けるのかということをはっきりさせておいた方がよさそうです。

面接でこのようなことを聴くことによる判断材料とはどのようなものなのでしょうか。非常に疑問です。個人的な印象として、何か枠にはめる考え方のようにも思いますし、ラベル貼りのような印象も持ちます。率直に「仕事における価値観」として聞くことではいけないのでしょうか。それとも、その内容そのものより、自分のことをどれだけ考えているかの指標ということなのでしょうか。

ちまたでは、「○○思考」とか「○○勇気」「○○力」といった言葉が氾濫しています。確かにフレームワークとしての材料としては便利なものです。しかし、これは物事の見方を画一的なものにしてしまう恐れがあるのではないでしょうか。別にそのようなラベル貼りをしなくても、率直にどう考えているかを聴けばいいようにも思います。なんか、特に日本特有かもしれませんが、ラベル貼りやキャチコピーってみんな好きですよね。なんなんでしょうかね。

以上、特に結論のないお話でした。

それではまた。

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