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時代おくれ。

6月30日までにブログを書くと何か月か連続投稿らしいので。
今日は普通に日記を書きます。

♪ 一日二杯の~ 酒を飲み~ 肴は特に~ こだわらず~ ♪
という歌があります。

河島英五の「時代おくれ」、って歌ですね。

80年代生まれの私なので、タイムリーにこの歌を聞いたというよりも、親父がスナックのカラオケでよう歌っとったのを見ているのです。

うちの親父はタイトル通り、ずいぶん時代おくれの親父でして。
私と性格も似ても似つかないのです。

社会人になるまでは、ずっと生涯反抗期みたいな私なので、そんな時代おくれの親父と仲が良いとは言えませんでした。

まあただ、この歌については、私も大好きな歌で。
大人になって、なんだか男の浪漫みたいなのを感じちゃわないこともないのですね。

何かこんなしんみりと書くと、親父が死んだみたいですが、70歳を超えてちょっと天然な性格に磨きがかかったものの、健在です。


そんなこんなで、定期的にこの河島英五の歌を思い出したり、口ずさんだりする訳です。

どんな歌なのか要約すると、、、
不器用な男の人が、移り変わりの激しい時代の波にのまれずに、不器用だけど恋愛も友情も家庭も酒の飲み方も自分の生き方を貫きたいもんだ。

っていう、まさに昭和の男の生き様を歌ったものなんですね。

言っても昭和生まれの私にも、共感させられる部分がたくさんあるのです。
ダサいけど何かカッチョいいやないか、と。

親父が憧れたようにオイラも河島英五の生きざまに憧れるんですよ。


そんでもまあ、現代社会に生きてると、
時代に流されねえぜ!俺は!
なあんてのが通らないというか、バカを見るというのか、それもまた事実で。

結局時代おくれの男になれないのが現実ってもんなんです。

ふと、思い出したんですね。

もう15年近く前の話です。
とある取引先で、とんでもなく嫌らしいお客さんがいて。

まだ私も25、6歳とかで若かったんで、その人が言うあっけらかんとした無茶ぶりを、若い私が根性で応える。みたいな。
それをちょっと楽しんで見てるような性格の悪いお客さんでして。


とある商品を納品したところ
「当たり前だけど、閉店後に君が設置してくれるんだよね??」
と言う訳です。

確かに納品されてそのまま使える商品ではなく、少し手間な設置が必要です。
ただ、設置工事は見積もりに入っていないし、自分でやれよって話なんです。

非常識なことを、当たり前のように言ってくるお客さん。
そして、毎回それに押し切られちゃう私。

もちろん、色々な背景があって。
まあ確かにそれなりに高額な製品で、見積に含まれてないとはいえ、そのまま使えないじゃん?
と、高圧的に言われて、不測の事態に私はアタフタしちゃうんですね。

まだお客様は神様です!みたいな名残のある2000年代序盤だったのですが、曖昧な答えの私に対して、なんだか設置工事しないと帰れないみたいな雰囲気になってしまいました。


上司に「例のお客さんのところなんですが、24時の閉店以降対応しますがいいでしょうか?」
みたいな電話をしたことを覚えています。

「設置なんてせんでもいい!俺がそいつにカスハラだって言ってやるよ!」みたいな上司であってほしかったんですが。

上司はむしろ
「ああ、あの客か、、、大変だけど無理すんなよ、頑張って!」
みたいな対応です。

悲しさを上乗せするように、夜が暮れて真っ暗な野外。
田舎の海辺にある施設だったので、びゅーびゅー吹く風に四苦八苦しながら、その設置工事をしたことを覚えています。

正味1,2時間くらいの作業だったのですが、とにかく環境が劣悪で、かつ不器用な私はなかなかスムーズに進まず、半泣きになりながら仕事を完遂させたことを覚えています。

自分自身が断ればよかっただけ、自分の責任で夜中に残業した。だけ。
そう思った私は、何食わぬ顔して、翌日も名古屋にある会社に出社しました。

上司にも「大変だったけど、お前もちゃんとお客さんに言わなきゃ」くらいに言われたことを覚えています。


これは美談でもなんでもないのですが、一昔前なら、「お前バカだなあ!」なんて一笑に付してくれるかもしれません。

でも、もしかしたら今の時代だと、全く理解されない話かもしれません。

現代社会で生きる方々には、そんなのあり得ん!と言われるかもしれません。
お客さんに訴えるべき、追加費用をもらうべき、あるいは残業代をもらうべき。

今だったら、こんな意見が当たり前かもしれません。

私とて、いろんな経験をしてきたので、今なら
「設置費は入ってませんよ」と、笑って断るかもしれませんし、
手伝うだけ手伝って、翌日は会社を休むかもしれません。

お客さんから言われるがままとなってしまった苦々しい思い出ではあるんですが、
一方で、この経験、選択、私は今でも決して間違ってなかった、とさえ思っているんです。

時代おくれだなあ、と言われそうですが。

さすがに私も部下に、これと同じ経験せよ!とまでは言いません。

ただ、こうやって自力と根性で不器用な解決してきた部下がいたとしたら、
「お前、ようやってきたな!!偉い!!」
と褒めてあげたいなあ、とは思っちゃうんだよなあ。

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