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Day17「クラウド運用になると変わること（メンテナンス編）」 @ ガバメントクラウドについて考えるAdvent Calendar 2022

Junnosuke Nakajima

この記事は、ガバメントクラウドについて考える Advent Calendar 2022のDay17「クラウド運用になると変わること（メンテナンス編）」となります。

※こちらの記事は基本的には公開情報を元にしていますが、個人的な妄想・意見も含まれておりますので、ご承知おきください。

このAdvent Calendarは、日々活動している中で課題として感じることなどをどこかで整理しなくてはいけないと思っていて、ちょうど良いタイミングだったので、全日自分が思うところを書くというスタイルにチャレンジして、どこまで続けられるかやってみたいと思います。
https://adventar.org/calendars/8293

以前、以下のツイートに多くのことをまとめてみたのですが、改めて整理していきます。

クラウド運用になると変わること（メンテナンス編）

今回はクラウドの運用に伴い、メンテナンス面で意識しなければならないことを整理していきます。以下の図はまだまだ鋭意アップデート中なのですが、オンプレミスとクラウド上のIaaS、そしてクラウドネイティブ化で使われることになるマネージドサービスごとに、メンテナンスに対する意識が異なることを大雑把に示したものになります（どれがいいという話ではなく、違いを示すためのものとご理解いただければと思います）

基本的にはオンプレミスの場合、全てが制御範囲なので、その範囲内で柔軟に対応することができるだけでなく、何かあったときの代替手段で色々試すということは可能かもしれません。結果として、SLAがシステム一体的になっているとされています。

一方クラウド側というのは一定の範囲をクラウド事業者側に委託しているわけですから、その分の管理をしなくて良くなる分、今までに比べて融通が利かない部分がああるかもしれません。メンテナンス時間などはサービス側の都合に合わせなければならないシチュエーションもあるでしょう。また、障害時の復旧見込みがなかなか立てられないであるとか、原因報告が責任共有の顧客側にある範囲でしか語ることができないかもしれません。複数のサービスを利用している場合は、それぞれのサービスごとにSLAが異なるため、システムとしてのSLAをどう設定するかであるとか、メンテナンス時間が別れてしまい、結果としてメンテナンス対応の頻度が高くなるということがあるかもしれません。

こういったことを許容して、こういった運用にしていくべきということで、頭を切り替えるという判断もあるでしょうし、これを全体としては今はまだ許容できないということもあるかもしれません（情報システム部門だけの課題感ではないかもしれないからです）。逆に民間企業ではこういったところを理由にクラウドに載せないという判断もしているところもあるわけなので、決して間違った判断ではないと思いますが。

自治体のガバメントクラウド利用の運用で難しいところ

これらの良し悪しは理解していただいたとして、自治体のガバメントクラウド利用で最も難しいことになる部分として、ガバメントクラウド上の20業務と、それ以外の20業務以外というところで分割されてしまっているため、私はこの2つの特性の異なるシステムをそれぞれのプラットフォームごとに運用に対する意識を使い分けなければならず、それをトータルのシステムとして成立させることが難儀を極めるというところだと思っています。

これは人材の確保という面でも同様に言えるのですが、これらを高いレベルで運用し、基幹システムの高可用性レベルを実現するというのは至難の業ではないでしょうか。これらはおそらく各地方自治体をサポートしてきた、その地方ごとのSIerなどが担う部分になると思われ、この部分についての運用スキルセットの育成が急務になると思いますし、この高度な運用レベルを実現するためのコストをどのように試算するのかについては、今後の標準化の成功可否が掛かっていると思います。

ネットワークと同様に、運用に関してもコスト増の原因とされていましたが、あくまでクラウド側の按分効果は出るかもしれませんが、20業務以外の運用まで含めるとロケーションも含めて複雑化され、運用管理補助者は別々になる可能性が高く、運用の按分効果についても解決まで課題がまだまだありそうです。

執筆後記

このようにガバメントクラウドを考えるAdvent Calendar 2022では、以下の流れで進んでいくことになると思いますので、Day17以降もお待ちいただければと思います。

  • ガバメントクラウドの在り方

  • ガバメントクラウドの整備における課題感

  • ガバメントクラウドの利用における課題感

  • ガバメントクラウドの今後について考えてみる

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