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【白血病は突然に】 <番外編> 「気持ち」よりも大切なこと

こんにちは、「根本雅祥(ねもとまさよし)」といいます。「ソルトコントロール」という方法を使って、塩分管理の支援サービスを提供しています。

この<番外編>では、僕が白血病の治療を通して得た気づきや情報などをまとめています。

(これまでに書いてきた記事はコチラで見られます↓)

それでは、どうぞ!


「気持ち」よりも大切なこと

「気持ちが大事」ということをよく耳にします。僕もいろいろな方に「気持ちで負けないでね!」と言われました。これは「気持ちを高めれば困難を乗り越えられる」ということを言っているのだと思います。

でも、長い闘病生活を通じてわかったのは「この考えはすこし違うかもなぁ」ということです。いまこの瞬間も同じことを言われている患者さんがいるかもしれないので、ぜひ一意見として読んでみてください。


行動がさき、気持ちはあと

レスリングの某コーチが言っていたのですが、大事な試合の直前にどんな言葉を選手にかけるのかというと、「お前以上にきつい練習をやってきた人間はいない。だからお前が負けるはずはない」と言うんだそうです。

決して「ポジティブに考えろ、お前なら勝てる、お前なら勝てる」みたいな精神論は語らないそうです。こういう「前向きに考えろ」みたいな言葉は意味がないらしいんですね。

すなわち、「人の自信は過去の行動から湧き出るものであって、意図して急に持てるものではない」ということです。たしかに試験なんかでも「僕は◯時間も勉強したんだから大丈夫」みたいなのはあると思います。


闘病に置き換えると

白血病患者にとって一番の山場は「造血幹細胞移植」です。白血病に勝つためには、なんとしてもここを乗り越えければなりません。しかし、この移植は内科で最もつらい治療と言われており、まさに精神力が勝負になります。

そのため移植のときに、「自分なら絶対に乗り越えられる」と思えるだけの「行動」を予めとっておくことが大切になります。たとえば僕の場合は、次のような目標を立てて具体的な行動に落とし込んでいました。

・体重を5キロ増やし、68キロにする
 →移植後は10キロ痩せることもあるため
・毎日5〜10km歩いて体力を維持する
 →移植後は起き上がることもできないため
・感染リスクを下げる工夫をたくさんする
 →移植後は感染による合併症リスクが怖いため

たしかに移植のときは死ぬほどつらい時期もありましたが、これらの行動を移植前に続けていたため、「僕なら絶対に乗り越えられる」という自信をなくしたことは一度もありませんでした。

これから何か大きな手術などが控えている方は、そのときに大きな自信をもっていられるよう、いまから何らかの行動をとってみることをオススメします。


最後に

医療従事者の方へお願いです。移植などのつらいイベントが控えている時は、「気持ちで負けないようにしましょう」と言うのではなく、何かしらの行動をうながすメッセージを送ってあげてください。

その行動こそが、土壇場の「負けない精神力」を生み出す気がします。


おわり


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