【白血病は突然に】 (第16話) 束の間の休息
こんにちは、「根本雅祥(ねもとまさよし)」といいます。「ソルトコントロール」という方法を使って、塩分管理の支援サービスを提供しています。
この記事は、「37歳起業家、がん宣告から社会復帰までの3年間の記録」の第16話となります。
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それでは、どうぞ!
束の間の休息
本院での精子保存に失敗し、チャンスがあと2日しかなくなった僕は、失意のまま入院先の第三病院へタクシーで戻ることになります。
病院に帰ったらクリーンルームに入ることになっていたので、「いよいよ軟禁生活がはじまるのか...1ヶ月以上も閉じこめられて精神的に大丈夫かな...」と、病院が近づくにつれてどんどん不安になっていきました。
というのも、僕は大学受験に失敗して浪人生活を送っていたときに「自立神経失調症」という精神疾患になったことがあり、そのときのトラウマが蘇ってきてしまっていたのです。
「万が一あの精神状態になってしまったら、発狂して治療どころじゃなくなるんじゃないか」そんな不安が頭の中をグルグル駆け巡っていました。
タクシーに揺られること30分、「いま何時かな」と思い時計を確認すると、病院での集合時間までまだ40分くらいあります。
すると真理子さんが、「いつ家に戻れるか分からないから、すこし家に寄っていこう」と提案してくれ、急遽自宅へ寄っていくことになりました。
家に着くと、2日ぶりの我が家になんだか懐かしい気持ちになり「やっぱり家はいいなぁ、次はいつ戻ってこれるんだろうなぁ」という想いが一気に溢れ、思わずソファーで涙してしまいました。
その横で、真理子さんは号泣していたと思います。
わずか15分の休息ではありましたが、僕たちにとってはとても貴重な15分になりました。
有意義な時間はあっという間に流れ、タイムリミットが迫ってきました。体調を考えて最初はタクシーで向かおうと思いましたが、「クリーンルームへ入る前に外の空気を感じておきたい」との想いから、少し無理をして自転車で向かうことに。
このときの僕は「未来への大きな不安」と「現在の極度の体調不良」に、心が押し潰されそうでした。
つづく...
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