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ザ・名医 ~ 名医のまとめ

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「名医のいる病院」シリーズで掲載した名医インタビューをまとめました。各領域のトップランナーたちが、これまで、今、これから、について、熱く語っていただいており、必見の内容です!
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#脊椎

増え続ける脊椎脊髄疾患と戦いながら 特発性側弯症の原因究明に注力

患者の人生や生活を改善できる整形外科の道へ― そもそも先生が医学者を目指された、きっかけはどんなことだったのでしょうか。  いろいろと理由はあるのですが、幼少のころに初めて両親から贈られた本が野口英世の伝記だったんですよ。それを読んで、人の命を助けるという素晴らしい仕事が世の中にはあるのだと刷り込まれました。最初に医師という職業を意識したのは、この時だったと思います。 ― 数々の診療科がある中で、なぜ整形外科医の道を選ばれたのでしょうか。  がん治療や心臓血管外科など

仮想世界と現実世界の融合で、脊椎脊髄治療の新たな可能性を切り拓く

3~4cmの小さな切開から治療する鍵穴頸椎手術  手術台の上、麻酔で眠った状態の男性がうつ伏せ状態でその時を待っていた。患者の疾患は頸椎症。脊髄が走る脊柱管などが狭窄して首や体感・手足に痛みやしびれが走る。QOLを著しく下げるばかりか放置すると寝たきりになりかねない厄介な病気だ。午後3時15分、成田渉医師執刀のミスト手術が始まった。成田医師の手術には全国から見学希望が絶えず、この日も見学者がモニターを見守っていた。  首の後ろの切開部を入念に消毒、体にシートをかぶせ、執刀

脊髄損傷 再生医療の挑戦① iPS細胞の登場で、光明が見えてきた

損傷を修復しても麻痺が残るケースが多い  脊髄損傷の患者さんは、とてつもなくつらい。他の病気などとは違って突然、気がついたらなってしまっている。治しようがないことを知ると、絶望感といたたまれない気持ちになります。  脊髄は脳から背骨を通って下方に伸びている神経の束で、体全体の運動や感覚、排泄、自律神経機能などをコントロールしています。脊髄が損傷すると、損傷した部分から下に麻痺や感覚障害、排泄障害、自律神経障害などの症状が現れます。  原因は交通事故や転落事故、スポーツ・運