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桜のこと

この時期のSNSが薄いピンクに染まるのがとても好きだ。もう20年以上実際の桜を見てないけれど、桜というのはなぜにこんなに人をいい気分にさせることができるのだろう。


子供の頃はその魅力なんてよくわからなかったし、どうせ散っちゃうのに何が楽しいんだか、と思っていた。花見の文化のない家庭で育ったので特に思い入れもなかったからかもしれない。桜の下で写真を撮ってもらった記憶もないぞ。



桜餅は道明寺派だ。そうじゃない桜餅があることなど大人になるまで知らなかった。材料を送ってもらって桜餅を作ったことも何度かある。ビーツで色をつけようとして色の加減を間違えて生焼けのハンバーグのような見た目の桜餅になってしまったことは笑い話として何度か披露している。


大阪造幣局桜の通り抜けに行ったのは就職して一年目の春。今でも鮮明に覚えている。造幣局に行こうと同期と約束したその日、先輩助産師にこっぴどく私の立てた看護計画を注意された。そして私は泣いた。笑
就職して一ヶ月未満の新人に何を求めていたのか、機嫌が悪かっただけなのか、本当に私が、アホだったのか、彼女の説明では一切わからない。30年近く立つけど未だに何を言いたかったのかわからないままだ。泣いたことしか覚えていない。桜がどうだったのか、夕飯に何を食べたのか何一つ記憶にない。


今朝、桜の写真を送ってくれた若い友達がいる。桜の写真自体ももちろん嬉しかったけれど、加えて、桜を見て、あ、写真を送ってあげよう、とその瞬間、私のことを思い出してくれたことも嬉しかった。私が想像していないところで私のことを想ってくれる人がいる、なんてありがたいことだろう。


今日もまた、私にはどうにもできないこと(国の経済)が起きた。楽しいことを探さないと辛い現実に引っ張られる。無理矢理、そういうふうに思考するのにもちょっと疲れてる。


春うらら。

今日は桜の写真をたくさん見てから眠りにつこう。





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