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サービス構築はマーケティングとオペレーションの2軸で戦略をたてる

オプトを卒業して3か月。最近事業会社で新しい仕事に慣れるとともに、現在と過去の仕事を比べる中で、ビジネスという再現性に対する理解を進めたいと思っています。

広告代理業ではオペレーションの立場から。事業会社ではマーケティングの立場から、サービス構築を考えてきたつもりです。今回はマーケティングとオペレーションそれぞれの立場から、サービス構築への貢献方法について考えてみようと思います。

マーケティングからサービスを構築する

狭義には、製品は製品そのものの属性を指すが、マーケティングの観点からは、これを広義にホールプロダクトとして捉え、製品そのものの属性に加えて、売り手が提供する技術サービス、支払い方法、売り手と買い手で生まれる人間関係まで含んだ包括的な製品として考えたほうが良い。(グロービスMBAマーケティング)

上記のホールプロダクトにあたるものは、一般的に「サービス」と呼ばれることが多いのではないかと思います。製品そのものよりも、製品が提供する体験と紐づく価値に着目する考え方が、現代では主流になっていると思います。

ジョブとは、特定の状況で人あるいは人の集まりが追求する進歩である。(ジョブ理論)

顧客のニーズを顧客の抱えるジョブとして捉えなおして、そのジョブにハイヤー(雇用)される製品という考え方も近年マーケティングにおける中心的な考え方になりつつあると思います。

こうした顧客の課題を背景にサービス(製品)を構築することを考えると、下記のようなステップに落とし込まれていきます。

現実には1だけでも正しくやるのは大変です。1~5の工程を何度も行ったり来たり、できたと思ったら戻ったりしながら作っていくものでもあります。

1)顧客のジョブを理解する(市場調査など)
2)ジョブを適切に解決できるサービス仮説を出す
3)サービス仮説に対して自社、市場、競合の情報を集める
4)サービスのテストを行い、可能性を検証する
5)検証結果を踏まえて、実際のサービスに落としこむ

総じてマーケティングの役割として、マーケットの情報をサービスにフィードバックするとともに、サービス戦略全体の変更判断をすることが必要になると思います。

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オペレーションからサービスを構築する

オペレーションからのサービス構築で参考になるのは、「研究・開発オペレーション」と呼ばれる領域になると思います。

研究・開発オペレーションのスピードアップ、徹底的な効率化を追求するとともに、技術者が新製品開発につながる付加価値の高い業務に専念できる環境を作る必要がある。(MBAオペレーション戦略)

研究・開発オペレーションの基本概念は、下記2つに集約されます。
1)研究・開発→商品開発→市場投入のサイクルを素早く回す
2)研究・開発を行う部隊が専門特化した領域に時間を使うこと

上記2つを中心にオペレーション戦略を組み立てながら、バリューチェーン全体を何度も見直して業務範囲や関係各所の役割を刷新したり、プロダクトライフサイクルのアーリーステージにあるものは情報を集約する、成熟したらプロセスを固定化するなど柔軟に組み替えながら対応する必要があります。

特に1)のサイクルを早く回すことは、CRMの観点から市場ニーズを素早くキャッチする、サービスの質を高める、生産性を高めるという様々な役割にきいてくる要素なので、オペレーション戦略の核になる考え方であると思います。

サービス開発において、アウトプットの高速化によって、サービスを形作っていく動きが求められていると思います。

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サポート部門がサービスを強くする

こうして見ていくと、サービス構築に対するマーケティングの重要性は言うまでもありませんが、BtoB企業やニッチなBtoC企業などターゲット像がある程度明確な企業においては、オペレーションの役割が大きくなるということです。

ある程度決められた勝ち筋(ターゲット戦略や仕入れ戦略)において、顧客のニーズの日々の変化に対応しながら、オペレーションがどれだけ高速に回り、サービスを再構築し続けられるかという話が重要なのではないかと思います。

実は営業アシスタントや社内のサポート部門も例外ではなく、自らをバリューチェーン上のどこに入るか深く考察することで、貢献の仕方も変わってくると思います。

ライン部門の業務の一部を担っている、代替している場合でも、バリューチェーンの中に自らの仕事があると考えることができますので、オペレーションスピードを上げることにどう貢献するか考えるべきだと思います。

私はしばらくマーケティングの立場からかかわることになりそうですが、オペレーションの視点も忘れず、サービス全体を導いていきたいと思います。


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