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上場株券等の空売り 2

取引所取引による売買は、通常の売買と異なり、売買の相手方がお互いに誰だかわからないケースがほとんどです。

取引所に対して執行された大量の売り注文と買い注文は、取引所のルールに従ってマッチング(対当)され、その結果、売買が成立(約定)することになります。

取引所取引により株券等の売買を行う場合、買付け代金が手元になくても、買い注文は出すことができます。この場合、約定(契約)も成立します。

同様に、取引所取引により株券等の売買を行う場合、売付け株券等が手元になくても、売り注文を出すことができます。この場合も、約定は成立します。

取引所取引により売買が成立する場合、取引所が定めた期日までに債務を履行すればよいからです。期日までに買い手は代金を支払い、売り手は株券等を引き渡せば履行義務を果たしたことになります。

他方、売付け株券等が手元になく、株券等の借入れなど調達の目処が立っていないにもかかわらず、取引所に売り注文を出すこと(ネイキッドショートセリング)は、実需に基づかない売り注文として法令で禁止されています。

オークション方式を採用する取引所では、需要(買い注文)と供給(売り注文)のマッチング(対当)により株券等の価格が決まります。

ネイキッドショートセリングのように実需に基づかない売り注文であっても、取引所に対して執行されてしまえば、取引所の価格形成機能に少なからず影響が及んでしまいます。

実需に基づかない注文により、株価が形成されることは、認められないのです。

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