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『正も邪も、その人そのもの』

誰にでもひいき(憧れ)の俳優・シンガー、あるいはアーティストがいると思います。そして、雑誌やネットなどのメディアを通してその人の記事を読み、時には一喜一憂するという経験を持っているのではないでしょうか?

無類の映画好きである私にも好きな俳優はそれこそ星の数ほどいます。なかには、数十年来のファンですという人もたくさんいます。

今日はそんな憧れの俳優にまつわるお話をします。

その人の代表作は、映画ファンなら知らない人はいないというぐらい名作として、今日まで語り継がれる作品です。私はリアルタイムで鑑賞し、来日時には熱狂した1人です。

今日はその人の人生についての衝撃的な記事をWeb上で目にしました。
これまでも折に触れて様々な記事が掲載されるほどの伝説の俳優で、その美貌に対する評価は、何年経っても衰えることはありません。

彼の写真を見るたびに何とも言えない幸福感に包まれ、ファン歴を誇りたいぐらいの高揚感にも満たされるほどです。

しかし、そんな彼の代表作にまつわる真実を知ることになりました。いまだに夢心地で振り返るばかりだったまばゆい彼の経歴が、まさかの苦悩に包まれていたとは。

私の心の中には「そんな負の情報は無視したらいいよ」や、「今まで通りのきれいな思い出を大事にした方がいいんじゃないの?」という悪魔の囁きが聞こえてきました。

そうですよね?私でなくても、好きな人の記憶は身近な人であれ、遠い憧れの人であれ、きれいなままで持ち続けたいという気持ちが働くのは当然かもしれません。

私の心もにわかにザワザワしてきました。「できれば見なかったことにしておこうか」という「逃げ」の気持ちと、「いや、愛する人の真実だからこそ耳を傾けるべきでは?」という想いがせめぎ合うのです。

ここに至って「できれば醜い現実からは目を逸らしたい」という自分の弱さに向き合うことになったのです。


さて皆さん、結論はどうだと思いますか?


現実逃避して今までの夢物語の世界で、これからも『お花畑』の中で生きていくのか、辛くても真実に目を向けるのか?という二者択一に迫られた私。

そんな私に現実に向き合う勇気をくれたのは、その人の『今の生き方』でした。過去は過去として受け止め、現在をしっかり生きておられる姿に胸を打たれたのです。そして彼の「あの作品に出たのは後悔していない。しかし、あの頃に戻れるのならNOだ」というような言葉でした。

その名作が彼にもたらしたもの。それは栄光と闇だったのですね。私が長年温め続けてきた幻想は粉々に打ち砕かれましたが、自分の愛する人であるなら、負の部分でさえも受け止めることはできるはずです。
しかし、彼のダークサイドを垣間見たことで私の心もまた血を流しています。

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