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約1年間で感じた朝倉での生活とリアル。

こんにちは。

朝倉でまちづくりに関する活動を始めてから約1年が経ちました。

特になにも成果を上げることができていない1年間でしたが、多くの人々と出会い、話をする機会があったり、いくつかのまちづくりプロジェクトに参加させてもらいました。

最近、そんな僕の今の活動や生活について取材を受ける機会があり、せっかく今の自分の頭の中を言語化できたので、今回はその取材内容を振り返りながら、自分で自分に取材する形式で改めて自己紹介をしてみます。


Q.坂田さんの経歴を教えてください。

朝倉出身で、中学時代以外は朝倉で育ちました。

子供の頃はサッカー選手を目指しており、中学時代に朝倉を離れたのもそのためです。
通っていた中学校にはサッカー部がなく、サッカーを続けるためには朝倉を離れる必要がありました。
最初は「仕方がないか」と思って朝倉の中学校に入学しましたが、結局、入学後わずか1ヶ月で転校し、別の地域でサッカーを続けました。

小郡中学校のサッカー部に所属していました

部活を引退した後はすぐに朝倉へ戻りましたが、結局、サッカー選手になる夢は高校在学中に諦めました。
高校卒業後は大学へ通いながら、Jリーグの試合運営をする会社にアルバイトとして入社しました。

この会社では、佐賀や北九州、熊本、山口など広範囲に出張をしながら仕事をしていたため、この頃から朝倉で過ごす時間はかなり減りました。(久留米にアパートを借りていた時期もありました)

大学卒業後にそのまま正社員になり、アルバイト期間と併せて計10年間、Jリーグ業界にてイベント運営をはじめ採用・チームマネジメントなどの知見を蓄え、2023年に朝倉市にてデザイン事業をはじめました。

サッカーに関わる仕事がしたかった僕にとってこれまでの環境は、20代を過ごすには贅沢すぎる環境だったと思います。
ただ、将来のライフスタイルを考えたり、今後の自分とサッカーとの関わり方を考えたら、このタイミングで新たな挑戦をしたいという思いが強く、この決断をしました。

ちなみに、今の事業の中心であるデザインは、コロナ禍にJリーグの仕事がなくなってしまった際に朝倉に帰ってきて独学で学びました。
なので、デザインの学校に通ったり、デザイン会社に勤めたりという専門的な経験はありませんが、もともと勤めていた会社内でデザイン事業を始めた経験はあったので、「朝倉の地域貢献をしたい」という思いにその経験を活かせるのでは?と半信半疑ながらデザインという手段を選びました。

Q.デザイン事業を始めて1年で感じたことはありますか?

自分が朝倉でデザイン事業をしていることが多くの方に認知されてきたこともあり、最初の数ヶ月と比較してもデザインのお問い合わせは段々増えてきました。

しかし、提示した見積もりとクライアントの予算が合わず、受注に至らないケースが多く難しさも感じています。
そのため、現在はもう少しコストを下げながら価値を提供する方法を模索中です。

例えば、Webサイト制作に関しては、僕がWebサイトを作ってお金をいただくのではなく、制作方法を教えながらクライアントと一緒に作るといういわばスクールのような事業を少しずつ進めています。
早速、このスクールの参加者がご自身で立派なホームページを公開した実績も出来ており、この方法だったら朝倉でももう少しみなさんの力になれるのではないかと感じていますので、これからも粘り強く頑張ります。

Q.いま朝倉ではどんな生活をしていますか?

平日は主に実家に設けた事務所スペースか近所のカフェ(あさくらだふぁみりあ)にて、デザイン関連の仕事やまちづくりに関する勉強(経済学、歴史学、地政学など)をしています。

デザインの他にもご近所さんから頼まれる農業の手伝い、引っ越し、インターネットのメンテナンスなど地域の若者としてのお手伝いも積極的に参加しています。

最近は、午前中はご近所さんの農業を手伝って、午後からデザインをやるみたいな日が増えてきました。

あと、僕の事業の相談に壁打ちしてくれる仲間が東京や台湾にいて、夜はいつもバーチャルオフィスに集まってミーティングをしてます。
この仲間はみんな全く考え方が違うので、意見がぶつかることが多い分、学びになることが多いです。

僕たちのバーチャルオフィスです(散らかってます)

朝倉に住んでいる知人はあまり多くないのですが、こんな感じでインターネットを活用して世界中の知人と一緒にいるような感覚でコミュニケーションが取れたりするので、この環境でも寂しい思いをすることはないし、むしろ楽しい時間が過ごせています。


また、まちづくり関連のプロジェクトにもいくつか参加していて、あさくらヨカモン図鑑というローカルメディアの運営やフィルムフェストアキヅキという映画祭の実行委員としての活動も行っています。

朝倉のいい人を紹介するローカルメディアです
朝倉市のイベントでヨカモンのプロジェクトを紹介させてもらいました

また、休日はパートナーと4歳の娘と一緒に朝倉で過ごしています。

パートナーと娘は仕事や通っている保育園の都合もあり、平日は佐賀県鳥栖市に住んでいますが、週末はここ(朝倉)に集まってみんなで過ごすといった生活スタイルです。

事務所スペースのホワイトボードは子どもの勉強(お絵かき)でも活躍します

週末に行き来するといっても近い距離ではないので、パートナーには負担をかけてしまっていますが、娘にとっていろんな場所でいろんな大人と関わることができる環境は大きなメリットのように考えていて、実際にこの生活を始めてから娘の社会性の部分(知らない人へのあいさつやお礼など)が育まれる速度が加速しているような実感があります。

ちなみに毎週土曜日は妹とその娘も朝倉の実家に帰って来るので、坂田家の週末はとても賑やかな大家族です。

この生活を始めるまでどこか別の場所に定住していたというわけでもないですが、もともと朝倉で過ごす時間はかなり少なかったので、今の生活はUターンで朝倉に帰ってきたというような感覚があります。

仕事関係の人だけでなく、家族や一緒にまちづくりをするメンバーなどのいろんな人と関わりながら送る生活は、「人間らしい生活だな」と感じるシーンが多く、とても充実しています。

Q.まちづくりで感じたことを教えて下さい。

まず、自分がまちづくりの活動をする原動力は、自分自身が中学生の時に経験した「朝倉に住んでいたら大好きなサッカーを続けられないかもしれない」という辛い経験がベースにあり、まちづくりを通じて若年人口の増加や部活動の地域移行などを実現することでいつかはサッカー部を復活させ、自分と同じような辛い思いをする子供がいなくなるような朝倉を作りたいなと思っています。

と、簡単に言いますが、もちろんめちゃめちゃ難しい挑戦です。
今のままでは自分が死ぬまでに達成できるかどうかくらいの難しさに感じます。
でも、だからといって諦めるのはダサいという意地とプライドを大事にしたいですし、なにより意思を持って行動する人が1人でもいるということは大きな一歩になると信じています。
旗を振る人がいる限り、いずれ周りに力になってくれる人も増えて大きな力になるのではないかという思いで様々な活動に挑戦しています。

まちづくりに積極的に参加するようになり、まだ1年間しか経過していませんが、ヨカモン図鑑に掲載されているみなさんやフィルムフェストアキヅキの実行委員メンバーをはじめ、朝倉には「町をよくしたい」という思いを持った方々がたくさんいることを知りました。
そして、そんなみなさんと熱い話ができる環境はとても充実しています。

とはいえ課題もたくさんあります。
特に一番驚きだったのは「お客さんを増やす前に働き手を確保しないと店が潰れる」という意見が多いということです。

てっきり、地方で閉店していくお店は売上減少によるものとばかり思い込んでいましたが、実際には経営が黒字なのに働く人がいないから閉店せざるを得ない現象がたくさん起きていることを知りました。

これはお店だけでなく、農家さんの畑も同じような状況で、畑はあるのに誰も活用できてないという状況が増えてきているようです。

いま、この課題を少しでも改善できるよう、あさくらヨカモン図鑑の運営チームで新たなプロジェクトを進めています。

Q.朝倉のいいところを教えてください。

いろいろあるんですが、結論からいうと「都会ではできないことができる」というのが朝倉のいいところです。

ただ、全ての人にいいところとしてオススメだというわけではなく、良いところと悪いところって表裏一体だと思っているので、捉え方次第でメリットにもデメリットになるのかなとは思っています。

例えば、朝倉市内には近所の方々との心理的距離間が近いエリアもあり、人間関係の形成が苦手な方は最初はそういう環境に慣れるのが大変だという話をよく耳にします。
でも。慣れる?というか、ご近所さんと仲良くなった後は「むしろこの環境が暖かく感じて居心地がいい」という意見もたくさん耳にするし、自分自身もそう感じています。
うちの周りは農家さんも多く、日頃から野菜や果物のおすそ分けをいただくのですが、それって小さいコミュニティではあるものの「人類みんなで協力して生きている!」って感じがするし、もし人間が本来的に社会性を重んじる生き物だとしたら生物学的にもこういったことを幸せに感じる人は多いんじゃないかなと思います。

また、水の文化村や甘木公園、三連水車の里、甘木中央公園など綺麗に整備された公園がたくさんあり、児童図書館も市内に3つあるなど、子育て世代が生活しやすい環境だと感じています。

言語化がとても難しいのですが、朝倉の公園って「なんかいい」です。
公園内にちょうどいい傾斜があって園全体の見渡しがよく子供の位置を見失いづらかったり、車道が近くに通っていないという安全性が確保されていたり、あとは綺麗に整備されている印象もあります。

最近増えてきたこのタイプのブランコが3〜4歳児に与える中毒性は半端ないです(甘木公園)

ただ、子育てをする親御さんにとって朝倉は学校の生徒数が少ないという不安もあると思います。
だけど、個人的には逆に生徒数が少ないことで異学年交流が活発化するというメリットを感じています。

そしてこれは、インターネット社会ともいわれる現代社会においてはとても価値のあることだと考えています。
学力などのいわば知識伝達で学べる教養を身につけることはネット環境さえあればどこでもできる現代社会ですが、リアルの場で異学年交流をするという経験はなかなかできるものではないと思います。

人権の範囲が拡大し、今までよりもっと多様性が重要視されそうなこれからの社会を生きていく子供にとって、幼い頃から異学年と交流し、多様な考え方や価値観に触れながら年齢を重ねる環境があることは超メリットだと思うのでまじでおすすめです。

Q.朝倉へUターンを考えている方へのメッセージはありますか?

朝倉は食材が美味しく安価なので自炊ができたほうが生活を楽しめるとか、近所付き合いが多いので都会の5倍くらいの感覚で近所の人へのあいさつを大事にしたほうがいいとかの細かい内容はいくつかありますが、一番伝えたいのは朝倉に実家がある子育て世代の方に対して、もし実家に住む家族が歓迎してくれるのであれば、ぜひ喜んで帰ってみては?ということです。

近代の日本ではどんどん核家族化が進んでいますが、この1年間でたくさんの高齢者と話をしてきて、息子や娘が家を出たことで寂しい思いをしているじいちゃんやばあちゃんがたくさんいることを知りました。

そして、子育ての歴史を勉強をしたり、実際に子育てをしている人と会話を重ねてきた中で、本来的に人間という生き物の子育ては両親だけでできるほど簡単じゃないと感じていて、可能であればじいちゃんやばあちゃんの力を借りながら子育てをする方がむしろいいと考えています。

ちなみに、自分はたまに妹の娘の体調が悪いときに変わりに面倒を見たりしますが、嫌な気持ちどころかむしろ嬉しかったりもします。(もちろん嫌に思う人もいるとは思いますが)

なので、もし「子育てが大変」「もう少し頼れる人が近くにいてほしい」などを考えている方は、実家に帰り家族を増やしてみることをひとつの選択肢にいれてみることもいいと思います。

最後に

取材を受けることは恥ずかしいし得意ではありませんが、自分の活動や生活について言語化することで思考が整理される感もあり、これからも定期的に取材されたいと感じました。

もし今後、取材や一緒にお話をしてもいい!という方がいましたら、ご気軽に各種SNSなどから連絡をお待ちしてます。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

坂田 拓也
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