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素っぴんの古民家に・・・

剥がせば古民家

囲炉裏やカマドの煙で燻された薄暗い部屋を解消するために、戦後の昭和につくられた本物に似せた偽物の建材で覆いつくされた古民家。

この紛い物の建材を剥がすと磨けば黒光りする古民家が現れる。
でも、多くは、剥がすと、荒塗りの土壁が現れたり、くすんだ漆喰が現れたり、建材を張るために削った梁が現れたり、土壁が削ってあったり、構造的に必要な貫が切られていたり、構造的に無くてはならない柱や壁が撤去されてる場合もあります。

素っぴんの古民家に

これらを補強、補修し、素っぴんの状態に戻すことから始めます。
傷んだ箇所の修復
この国の伝統的な古民家はこの国の気候風土に培われた構法で全て自然素材で出来ています。その古民家の修復はやはり自然素材を使ってすっぴんの古民家に再生したいものです。

素っぴんの古民家に暮らす

暮らしは十人十色。
素っぴんになった古民家は、十人十色の暮らしに合わせて再生し、進化しつづける。
暮らしに必要なのは、極度な快適性、利便性より身体の免疫力を低下させない住まいで有りたい。
古民家にも、身体にも、優しい家で暮らせるようにしたいものです。

この国には、四季があり、過酷な自然現象があり、それに対処するための知恵や工夫をして暮らしてきました。「古民家に学ぶ暮らし」を再考したいものです。

古民家を再生して暮らす
老いた姿を隠すかのように厚化粧になった古民家を、一度この厚化粧を落とし、素っぴんの古民家にし、これからの暮らしに合わせて再生する。
傷んだところを補修しながら普請当初の素っぴんの古民家にして、これからの暮らしにつくり替える。

素っぴんの美

自然界にあるものは美しい。進化の過程でつくられたカタチは美しい。飾らないカタチ、用の美。
必要なものでつくられたもののカタチは美しい。
気候風土で培われてきた暮らしのカタチから生まれた古民家は美しい。

つづく

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