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育てる|適切なスペース

ヨガの知識を子育てにー

成長には、ある程度のスペースが必要なのでは?という話です。

にんじんなどの小さな種を蒔くと、たくさん芽が出てきます。
でも、ある程度の大きさになったら、苗が密集していると育ちが妨げられてしまうので「間引き」をします。

Wikipediaによる間引きの説明。
ダイコンなどを栽培する場合、最終的には個々の植物の間がある程度開いていないとよく育たないが、苗の頃には逆に互いに寄り合っていた方が育ちがよい。そのような場合、ある程度密集した状態で苗を育て、育つにつれて苗を引っこ抜いて互いの間を開けてゆくことが行われる。この作業が間引きである。

Wikipedia

それと同じように、子どもを育てるのにも、段階によって適切なスペースが必要なのかもしれません。

お腹を空かせている、衛生面で助けが必要、など生存に必要なサポートは基本的なものとして、それ以外の場面で、どのくらい子どもさんにスペースを与えていますか?

わたしは、お世話をやり過ぎてしまう傾向にありました。
自分の子どもが小さい時も、もっとスペースをあげるべきだったな、と思うことが多々あります。心配だという気持ちもあるし、お世話をしたい、また、わたしがやったら早く終わる、という気持ちもあったからです。


スペシャルニーズのお子さんと時間を過ごす時も、ついやり過ぎてしまった事があって、クラスの先生に「もうあのお子さんの世話はしなくていいから」と言われたことがあります。わたしがその子どもさんといると、その子の目標が達成できないから、と。

わたしは3歳ー5歳の年代が一番好きなのですが、そこでの最終ゴールは子どもの『自立』 です。年齢に相応しい「自立」ではなく、そのお子さんにとっての「自立」です。

例えば冬なら、一人でコートを脱いでフックにかける→自分の名前/写真を見つける→手を洗う(水を出し、石鹸を使い、洗い、水を止め、ペーパータオルで手を拭く、捨てる)など、基本なところから。

「コートを脱いでフックにかける」という動きも、小さいレベルに細分化して、目標を達成しやすくします。コートを一人で脱ぐ事が難しかったら、ただ脱ぎ落とすだけ(笑)で良い位まで脱がしてあげて、最後は一人で脱がせる、とか、フックにかけるのが難しかったら、(もっと簡単に)箱に入れるだけで良しとする、とか、そのお子さんが出来るであろう目標に修正していきます。

ここで、お手伝いする「仕事」をするのであれば、子どもさんに適切なスペースを与える事が「仕事」になるのです。どんどん代わりにやってあげるのではなく「出来るような環境を整える」方に力を入れた方が、子どもさんの為になるわけです。ある時は、狭く濃厚なスペースが必要だし、ある時は広く手薄なスペースが必要なんだ、と気付かされました。

ヨガでも、『空』を大事にします。
ヨガの姉妹科学であるアユールヴェーダの考えにつながるのですが、人間を含むすべてのものは、5つの要素から成り立つと言われています。空(エーテル)、風、火、水、土の5つです。

人の身体で例えると、

空:骨と骨の間にある空間(スペース)、内臓の空間など
風:呼吸、体内の流れ(血液や消化の流れなど)
火:体温、消化力など
水:血液、リンパ液、尿など
土:肉体

もし骨と骨の間にスペースがなかったら、骨を動かせないので、体を動かす事ができません。スペースのおかげで、わたし達は生きていられるのです。



というわけで、子どもさんの周りには、適切なスペースがありますか?


追記)この適切なスペースは、いかなる人間関係にも共通して言えることかもしれません。お子さんのお世話だけでなく、高齢者のお世話でも。

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