サラリーマンになったらパワハラでうつ病にされてしまいました(5)
とある7~8月のうつ状態
どうにか出来ると思っていた。どうにもならないことを思い知った。まともな思考、まともな会話すら成り立たない。
涙。
何が起きたのか理解できない。泣く理由などない。泣く理由など、ない。ただ、もう、自分は駄目なんだという事実だけが残されていく。
ここではとあるうつ病にされたサラリーマンが緩やかに壊れていく様を、時系列に沿ってご紹介します。
Twitterから読み取れる7月のうつ傾向
7/6 人間がキライやねん。
――当時のTwitterより抜粋――
もう人と接するのすら、煩わしかったような気がします。
大切に育ててきた人間関係も、職場の風土も、全部面倒でした。通勤して一言もしゃべらず、昼食もわざわざコンビニまで出かけて駐車場で食べる。
そんな日々でした。
7/6 なぜ たえられるのか
てがとどかない
どうしてこうなってしまったのかああああああああああああ
くそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそくそ
ななめにはしる ななめにはしる
――当時のTwitterより抜粋――
分かりやすく壊れてきました。色々と限界値を突破したのでしょう。感情のみで書き綴っています。
実際にこれらの感情が表に出ることはありません。文字にして発信するSNSならではの記録だと思います。昔でいえば、他人の日記でしか見られない記述です。表向き元気がないだけの人の頭の内側では、このような葛藤がずっと走り続けていることを忘れてはならない。
7/7 だめ こころがおいつかない どうし たらいいのだ
ろうか
7/14 どうしてひととしゃべれないのか
――当時のTwitterより抜粋――
致命的な症状として、考えがまとまらない、言われていることが理解できない、というのがあります。
業務上の文書は時間をかけて無理やり仕上げていましたが、Twitterだけでなく職場内への業務連絡メール等では全く思考速度が追い付かず、ひらがなでした。この“唐突にひらがなを多用するようになる”というのが、周囲が気付きやすいひとつのサインになるのではないか。そう思っています。
7/26 のうが のうが のうが ざらざらさするざらざ
あたまいたいああたまいたいあたまあたまいたいいあたま
――当時のTwitterより抜粋――
脳がザラザラするという表現は5月以来2度目です。今となっては理解できませんが、特有の感覚なのでしょう。
ずっと頭痛でした。以前も書きましたが頭痛薬を常態的に飲んでいました。そして何度でも書きます。元気がなくなっただけの人にしか見えないと思います。ですが、頭の中では人として生活を送るうえで目にしない、耳にしない情報が常にぐるぐると走り続けているのです。
Twitterから読み取れる8月のうつ傾向
8/3 やばいなけてきた
――当時のTwitterより抜粋――
ここが実は決定打になります。何もない状態から突然涙が出てきます。嗚咽を上げるのではない。気付いたら涙が頬を伝っています。
何もない状態から泣くというのは、ほんの少しでもメンタルヘルスについて勉強したことがある方なら分かる症例です。物理的に自分の心が発するSOSサイン。その一滴でこれまで「もしかして」だったものを肯定してしまう。本人にとってはそういうことなのです。
8/31 明日も、次の曲も、2秒後のフレーズも考えないシャウトを放ちたい。今、ここで。電車の中で
――当時のTwitterより抜粋――
約1ヶ月、期間をあけてようやく書いた内容も、破滅的で若干まとまりがありません。しかしながら、列車内で唐突にシャウトするくらいなら、実際にやりかねないくらいの不安定さが、確かにあったと思います。
そしてここはまだ、折り返し地点付近なのです。
うつ期の葛藤──焦燥から諦めへ、諦めは怒りへ
これまでとの大きな違いは、ついに諦めてしまった、という点につきます。
今までは「どうにかしよう」としていたが、「でもどうしていいのか分からない」という状態。その繰り返しが徐々に程度を深めながら続いていました。ここに来てようやく、“どうにかするのを諦めた”のです。ここが折り返し地点になります。
焦燥から諦めへ。諦めは怒りへと変わります。
怒りと言っても行動力は落ちているので、特に何か行動を起こすわけではありません。
ただし心の振れ幅は不安定なので、上振れした場合、もしくはアルコールで感情がブーストした場合には、怒りっぱなしになってしまう場面が多々ありました。周囲に居る方はどうかご注意ください。
欲しいのは「もう休め」という言葉──混乱を極めた状態でまともな会話など出来ない
この頃から、生活が段々成り立たなくなって来ました。
人と話しができない。言葉が浮かんでこない。ほぼ毎日頭が痛い。
一つのことを考える、理解するのに膨大な時間がかかります。漢字変換する思考力、気力がなくなります。そのため、通常のスピード感で人と会話をするのが困難です。
頭痛薬は常に飲んでいました。朝昼晩。効いているのか、効いていないのかも分からない。もう暗示のようなものです。朝起きてすでに頭が痛いと泣きたくなります。
この辺りの記録を読み返すと、本当に悲しくなる。もう休めと言ってあげたい。
残念なことに直属の上司がストレッサーであったため、会社側から救いがもたらされることは今後もありません。
ただただ緩やかに、しかしながら確実に、壊れていきます。
うつ期がもたらす決定的な症状──何もない状態から流れる涙
実際に泣きます。何もしないのに涙が出た時点で、もうこれは駄目だと。もう自分は駄目なんだなと自覚しました。
涙というのは我慢のバロメータみたいなもので、出た時点でこれまで閉じ込めてきた気持ちが加速度を上げて噴き出します。本当、止まらない。
7月末まで頭の中がグシャグシャな状態のまま、それでも頑張ろうとしてきました。
泣きながら「もう駄目だ」と思った時点で、以降「頑張ろう」という気持ちが綺麗になくなります。
これが単純にストレス元に対してのことだけならいいんですけど、全てのことがどうでも良くなります。
例えば、趣味はできる。でも気持ちは上がってこない。趣味なので楽しい。楽しいけど、心の底から楽しいと思えていない自分に気付いてしまう。そして、その趣味が段々どうでもよくなってきます。
そして積極的他者との関わりが面倒になります。Twitterとかブログも面倒になり、更新が止まります。
既に「どうにかしよう」と思っていません。つまり「どうしたらいいのか分からない」という状態ではない。ゆえに、絶望感は薄めです。
ただし、色々なことがどうでも良くなっていますので、奇行が表に出る可能性があります。覚えていませんが、自分も何かおかしな行動をしていた可能性は否めません。
行動に伴うのは常に「どうでもいい」の言葉。そう、どうでもいいのです。何もかも。すべて。
この状態、実に危険です。
周りにいる方はどうか、この様子に気付いてあげてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?