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サラリーマンになったらパワハラでうつ病にされてしまいました(2)

 比較的奔放に生きてきましたが、覚悟を決めてサラリーマンになった結果、うつ病にされてしまいました。

 ある日突然うつになる。そんなことは夢にも思いませんでした。皆そうだと思いますし、貴方やあなたの大切な人がそうならないとも限りません。

サラリーマンとうつ病と私

4/4 うん、心が動かない

――当時のTwitterより抜粋――

 これはTwitterのサブ垢(現在非公開)に当時書かれていたものを転記しています。サラリと書かれていますが、冷静に見返すとシンプルですが随分な内容です。

 ここから約半年後に決定的な出来事が起きて、自分のサラリーマンとしてのキャリアは途絶えることになります。この時期はまだ、心が不安定だとは考えてもいません。単なる会社に対する不満が膨れてきたな、程度に捉えています。

 最終的な診断は、睡眠障害と抑うつ症状。

 そう、比較的奔放に生きてきましたが、覚悟を決めてサラリーマンになった結果、うつ病にされてしまいました。この状況は実は組織の一員として致命的で、ちょっと休んだら復帰できるという考えは幻想です。

 この日、いったい何があったというのだろうか。

 ここから先は、Twitterの記録を元に1つずつ思い出しながら紐解いていきます。願わくば、同じような被害に遭う人が一人でも減りますように。

その一言が、人を殺すのだ

 直属の上司とは折り合いが良くありませんでした。むしろ相性は最悪と言ってもいい。

「昇進試験は受けさせない」

 それだけ。その一言で、いとも簡単に心が動かなくなりました。人の心って不思議です。

 この上司。いつも笑っていました。にこやかな笑顔を携えつつも、常に目の奥が笑っていないタイプの人種。そして下位者に対しては、徹底してマウントを取りたがる人物でした。

・全く褒めない
・公然と罵声を浴びせる
・常に小馬鹿にしたテンションで話す
・実績を上げても認めない(認めないどころか握りつぶす)

 いわゆるパワハラ気質の人物ですね。

 これがまた、自分の職場以外ではそのパワハラ感を一切出さない。役員が巡回で来ようものなら、全力で仲良し職場の演出を始める。そのため、良く知らない周囲の人にとっては、常に笑っている朗らかなおじさんとしか映らない。周囲にパワハラを相談しても信じてもらえない環境が、完全に出来上がっていたのです。

 えびす顔で腹黒い。職場内では皮肉で『大黒様』と呼んだものです。

 外から見ていた人物像と真逆だ。大黒様の組織に配属された当初、それは驚いたものです。しかし自惚れて良いなら、当時の私は社内外ともに評判が良く、常に自信を持って仕事をしているタイプの人物でした。大黒様にだって、きっと自分の実力を認めさせてみせる。そんな程度の感覚でした。

 甘かった。何をしても認めてもらえるどころか、会えば常に罵声を浴びせられ、いくら実績を積んでも握りつぶされる。周囲に相談しても、その声は届かない。そんな環境で数年働くうち、完全に心が疲弊してしまっていたのです。

「昇進試験は受けさせない」

 このセリフがトリガーでした。

 絶望。混乱してどうしたらいいのかわからない状態のことを、絶望といいます。辛くても結果さえついてくれば、まだ耐えられたかも知れない。残念なことにいくら頑張っても結果が得られない。限界です。

 私がこちら側へ戻って来られたのだって、たまたまだと思っています。運が良かった。状況によっては、最悪の結果につながっていてもおかしくありません。

 否定のセリフ。その一つひとつの積み重ねが心を蝕んでいきます。延々と繰り返される否定の言葉で、人の心は簡単に壊れます。他人の人生を預かる立場にある方は知っておいてください。

 その一言が、人を殺すのだ。

「うつは甘え」そう思っていた時期が自分にもありました

 さて、心が壊れる、心が動かない、とはどのような状況でしょう。

・嬉しくない
・腹が立たない
・悲しくない
・楽しくない

 セオリー通り喜怒哀楽に沿って恐ろしいほど簡単にまとめましたが、実際はこんなシンプルな状況ではないです。言い換えるなら、感情の振れ幅が限りなく狭くなる、という感じでしょうか。様々なことがどうでもよくなります。

 よく言われる、やる気がどうとか、そういうレベルの話しではありません。昔はうつなんてなかったとか、新型うつは甘えとか、そもそも論点がずれている。頑張らないのではない。頑張れません。

 周囲から見ればただ落ち込んでいるだけにしか見えないのが、本当に難しいところ。内側では自身の人格や存在そのものを延々と否定し続けているので、全てに対して自信がない状態。もう全くの別人格です。

 分からないと思います。理解できないと思います。実際になってみて初めて分かります。逆に言えば、なったことのある人にしか分かりません。

 それでも、こんなテキストを書いている時点で、知って欲しいという気持ちは当然あります。伝わるかは分かりませんが、その辺をここから時系列に沿って少しずつ紐解いていきます。

 実は4月のこの段階では、まだ感情の振れ幅に余裕があります。本格的に心が動かなくなるのは、ここから更に数か月後の話です。

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