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自分が写真にのめり込む理由

前回はなぜ昆虫写真を撮っているかの話をさせていただきました。その前に、そもそもなぜ写真を撮ることにのめり込むのかって事について、今回はお話させていただきたいと思います。

写真の面白さ、素晴らしさはどこに有ると思いますか?ほとんどの人が、スマホで写真を撮ったことが有ると思います。どうして写真を撮るのですか?あえて聞かれて答えられる人ってどのくらいいるのでしょうか?


写真はその一瞬を切り取る力が有る

自分が一番思っている事をお話しましょう。一例として、子供が幼稚園に入った時を想像してみてください。子供の発表会や運動会になると、30年前ころからでしょうか、ほとんどの家庭でビデオカメラを持参し、我が子の成長ぶりを動画に収めていたと思います。もちろん、自分もそうでした。

撮った当時は、動画って便利だよねって思うのですが、1度観た後に何回も見直しますか?極端な例になりますが、次に観るのは子供の結婚式の時って場合もありますよね。どうしてこんなふうになるのでしょうか?

当時、自分は考えたんですよ。動画は連続している動きを記録したものなので、観ているだけで自分の頭でそのシーンをなかなか想像しない。相応しなくても動画として目に入ってくるからです。だから、思い出の記録としてはあまり鮮明に残らない。

一方写真は、前にも後にも、その一瞬を切り取って記録として残っているだけですから、その写真を観ながら自分の記憶を呼び起こし、周囲の人と記憶の照らしわせを行い、更なる記憶の掘り起こしが可能なんです。その一瞬しか無いがために、記憶を読み起こして楽しむ時間が生まれるのです。

しかも、紙で保管されているので簡単にデータを見つけられやすい。ビデオではこんなに簡単に行きませんから、めんどくさくて再び観る気がしませんよね。撮影後、編集している時は面白くても、編集後のビデオを見た記憶は殆ど無いです。

有ると便利程度だけです。

写真は場所も取らず、誰でもすぐにその場で記憶を共有できるツールとしても非常に有効であるため、写真が素晴らしいのです。時がたつに連れ、色あせていくほど時間の流れを感じることができるのも、写真の素晴らしさではないでしょうか。

写真は、出来事の一瞬を切り取り記録として残すことにより、人間に記憶を焼き付け共有化すると同時に、時の流れを感じさせることができる最高のツールだと思います。


その瞬間に出会いがある

自分は昆虫写真以外にも、スナップ写真や風景写真も撮っております。ぶらぶらと散歩しながら、その季節にあった出会いがありますので、その瞬間をできる限り記録に収めるようにしています。

特に素晴らしくなくても良いんです。後で観た時、あぁ〜この時は暑かったなとか、寒くて手がかじかんだとか記憶が蘇れば良いんです。

そして更に良いのは、その写真に共感してくれる人がたくさんいればもっと幸せになれると思います。

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自分は、冬から春にかけて、特に光と影について興味を持って写真を撮っているんです。寒い冬の間、草木の色も無くなるシーズンですが、日の当たるのは変わりません。しかし、長い夜の時間と冷たく澄んだ空気の中に映る光は、夏のものとは明らかに違います。

また春は柔らかな日差しになり、木々が色付くこともあるので、そのバランスから光と影の世界が広がるんですね。

光の織りなす世界を探していると、全然飽きることがなく1日中木漏れ日の中で光を追い続けることもできます。

しかし、光と影が織りなす世界が一番素晴らしいのは、早朝と夕方でしょうね。特に冬の光は朝と夕では赤色の色具合が全く違うんです。写真を通して出ないと、そういう事は多分気が付かないでしょうね。

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このように、水面に映る光は自分が最も好きは構図の一つになります。


写真の真髄はモノクロにあり

そして、写真を撮り始めて写真の面白さにのめり込んでいくと、到達する領域がモノクロの世界だともいます。

自分が一番最初に写真を始めた頃は、フィルム時代でしかもモノクロ。カラーは高価であるのと、自分で現像できないということからモノクロ主体でした。

モノクロの世界ってよくよく考えるとすごいですよね。究極は白と黒の2つしかないのですが、実際にはその白と黒の点に当たる1ドット各々を更に4x4の16個に分割します。

1ドットは16個の組み合わせで配色ができるのです。16個全部白なら真っ白、16個全部黒なら真っ黒。その間1個でも違う色が入ると生粋の白とか黒ではなくなります。これが中間調と言われる色階調になりますね。

白が16、黒が16で16x16の256個の色に分けることができます。これがモノクロと言われる256階調の世界です。手元に新聞がありましたら、写真の部分を虫眼鏡で観てください。言っている意味がよく理解できると思います。

色有るものを、この白黒256階調で表現し元の色合いを感じさせるように写真を撮ることが困難であるが、非常に楽しい事でもあるのです。

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モノクロ写真は、自分のイメージを更に増幅させて考えさせる非常に良い題材だと思いますね。

素晴らしい綺麗な色調は、原色の昆虫や鳥を撮影するときには良いかもしれませんが、風景などはむしろ原色はほとんど存在しないので、モノクロでいかに自分のイメージに近づくように露出や絞りを調整して写し、イメージ通りの写真ができあがった時は、喜びもひとしおですね。

これはフィルムからデジタル写真になったからこそできる話だと思います。

モノクロを撮るのも、カラーを撮ってからモノクロに変換するのではなく、最初からモノクロで撮影することを勧めます。明らかに出来上がった時のイメージは違いますからね。

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ちょっとうんちくなど言ってうざいと思われたかもしれませんが、写真は想像力を養うにはもってこいの素材だと思います。

イメージを具現化するトレーニングを続けることが、その他にも必ず役立つと考えています。

撮った写真の価値は人それぞれですが、感動は共通のものだと思います。感動を与える1枚を写せたら、本当に幸せでしょうね。

写真が好きな人、そういう人の輪を作って行きたいですね。写真好きな人は、是非あなたのうんちくをお聞かせください。

お待ちしております。

じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。