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ロボット開発も自動車業界中心に動いている話

コロナの影響で、大きく経済が交代している。特に贅沢品と言われている自動車産業は世界的に見ても落ち込みが激しい。

失礼な言葉になるが、バスも走っていないようなど田舎出ない限りは、生活必需品にはならないし、最近では乗り合いタクシーの業務が活性化してきているので、田舎でも車は必ずしも必要ではなくなってきている。

そんな中、ロボット関連ニュースを読んでいると、やはり自動車業界のテコ入れに対して新型ロボットの導入が進んでいるようだ。


日本のロボット開発は自動車業界のためと言っても過言ではない

ロボットって言うと、今でこそいろんなジャンルへの進出が盛んに行われているが、もともとは自動車関連業界への適用が最初のような気がする。

自動車関連業界というのは、自動車を作っている会社そのものではなく、自動車部品を作っている会社を含むということだ。

それこそ、自動車には多くの部品が使われており、重量物からシールのような部品まで様々だ。

しかも、自動車自体は殆どBTO/CTOで構成されているので、1車種あたりのモデル数は、それこそこんなに有るのって思うほどだと思う。

高度成長時代に入り、自動車の需要が増えていくと大きくて重量のある部品を人で作っているには生産が追いつかなくなる。

そういうところから、ロボットというのが考えられて導入が始まっていったのだ。

そして、人が最後にBTO/CTOの部品の取り付けは行うが、それ以外の基本部分をロボットラインで組み立てるような構成になってきているんだね。

だから、産業用ロボットと言われる重量物を扱えてスピードと精度が高いロボットが急激に普及したんだ。

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しかし、これ以外の業種ではこのような重厚なロボットのニーズは非常に少ない。

産業用ロボットが、その他の業種への展開には、考え方を変えていくことが重要となっていたのだ。


協調型ロボットが台頭してきても基本的考えは変わっていない

2014年くらいから、産業用ロボットに変わって協調型ロボットが脚光を浴びるようになってきた。

簡単な講習を受けるだけで使用することができ、ロボットを覆う柵も必要無いということから、人のラインに混同して設置することができるという謳い文句だった。

自分もそうであるが、それは素晴らしいと実際に活用してみると、協調型という特性上、期待するほどの能力を持ち合わせていないのでは?という感覚に囚われていった。

人と人の間に入れて作業をさせるには、どうしても器用さと速度が要求されてくる。

考えてみればわかると思いますが、日本の生産はほぼトヨタ生産方式を採用しているため、無駄が徹底的に排除され最小人数で高速で人が作業をしている。

そんな中にロボットを導入したらどうなるか、火を見るより明らかだと思います。

1個の製品がサイクルタイムとしては、数分で出来上がってくるような生産ラインでは、ロボットを導入することにより生産性を悪化する方向になってしまいます。

そう考えると、同じマスが有る商品を生産しているラインであっても、サイクルタイムが分と時間では大きく異なるため、協調型ロボットなんかは自動車のようにサイクルタイムが長いラインでないと不可能になります。

結果論でありますが、協調型ロボットも多くの場合は産業用ロボットと同じで、自動車関連業界に導入が加速したんです。


要は、今まで人が2人で部品を保持しながら作業をしていた工程が有るとすると、部品の保持を協調型ロボットが実施することにより1人で作業ができる工程に変換できるのです。

そのため、強調型ロボットもある程度の重量を扱える可搬重量の大きなものが重宝されました。

また、人作業の補完として協調型ロボットが活動するのですから、ラインとしてのスピードが緩やかでスペースも有るようなラインでないと無理であり、少人数で高速にたくさん作るような電気業界では、適用はかなり厳しくなるんですね。

つまり、協調型ロボットも基本は自動車関連業界への適用が基本となっているということです。当然、ロボットメーカーはそんな事言いませんが、導入実績を調査すれば一目瞭然ですね。


新機種も自動車業界適用が前提

最新の業界ニュースでも、コロナの影響で作業者不足が顕著になり、自動化が加速することを前提にロボット業界も新機種を開発し、導入を計画しています。

しかし、新機種の機能面をチェックしてみると可搬重量が大きいタイプや、防塵・防滴特性の優れたものを投入してきております。

これらは明らかに自動車関連業界への導入を目的とした仕様になっておりますね。

ロボットメーカーから見れば、購入後に自社内でライン構築までを行えるような自動車業界や、導入の際には一定量のロボット台数を導入してくれる自働車関連業界は救いの神なんでしょうね。


自動化を含めた改善や、新機種導入の中心は未だ自働車産業になっているのは間違いないですね。

日本の製造業を牽引していると言っても過言じゃないか。


じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。